【ほぼ日 読書日記】2009年4月12日
ここまで割り切って本を作るというのはある意味ですごい。
杉山 浩一「図解入門ビジネス 最新リーダーシップの基本と実践がよーくわかる本」、秀和システム(2009)
こういう書き方をすると皮肉っぽく読めるかもしれないが、そうではない。説明は簡単ながらもきちんとしているし、一つ一つの項目に確かに実践につながる知識も含まれているように思う。その意味でもしっかりとした本であるし、これでその気になってやってみて、いろいろと気づくというのは、貴重な体験だと思う。
少なくとも今までにはないタイプかもしれない。
グロービスのMBAシリーズの中に
グロービス・マネジメント・インスティテュート(大中忠夫監修) 「MBAリーダーシップ」、ダイヤモンド社 (2006)
というリーダーの行動技術に焦点を当て、理論との関係を説く本があるのだが、強いていえばこの本に近い。しかし、杉山さんの本はもっと割り切っている。リーダーシップTIPSである。
さて、休みに読もうと思っていた本を3冊読む。3冊ともビジネス書といえなくもないが、2冊は範疇が違うような気もするので、書名の紹介にとどめる。2冊とも★5つ。
市川 力「探究する力」、知の探究社(2009)
西水 美恵子「国をつくるという仕事」、英治出版 (2009)
両方とも深い感動を覚える。
もう一冊は、この本。この本はなかなかの力作である。こちらは成果主義は原理的に間違っていると言った社会の本質に触れた提言もしている。
増田 悦佐「格差社会論はウソである」、PHP研究所(2009)
エリック・スティーブン レイモンドの「伽藍とバザール」を引き合いにだし、日本は欧米が向かおうとしているバザール型の社会だと指摘。格差社会論を、バザール型の社会を維持し続けることができなくなってきた今の知的エリートが、自らの権威を維持し続けるためのレトリックだと斬っている。僕も何となくだが、そのようなうさんくささを感じており、データに基づいてこの議論を展開している本書に拍手。
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