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2013年12月25日 (水)

【新連載・ビジネスリーダーのためのプログラム入門】第1回 プログラムとは何か

Program2◆プロジェクトマネジメントの印象

プロジェクトはいまやどんな企業でもやっていますが、プロジェクトマネジメントの手法をきちんとやっている企業はIT企業やメーカの開発部門を除くとそんなに多くはないのが現状です。

これはプロジェクトマネジメントの手法がどんどん詳細化していき、原理原則がよく分からなくなってきたため、ちょっとしたプロジェクトには使いにくくなってきたという事情があります。

同じように、いろいろな革新の試みをプログラムとして取り組んでいる企業も増えてきました。著者がお付き合いしている企業でも、なんと呼ぶかは別にしてほとんどの企業でプログラム的活動が行われています。そのスパンは1~2年(中計レベル)のものから、4~5年かけてやるようなもの(ビジョン系)までさまざまです。

これらの活動をみていると、いろいろと知恵を絞って全体を管理しながら進めているのですが、「プログラムマネジメントを使えばもっとうまくできるのに」と思うことも少なくありません。

ただ、そういう提案をすると冒頭に述べたプロジェクトマネジメントの話になって、そんなマネジメントは自分たちのやっているプログラムには重いという話になります。


◆この連載の目的

でも、実際に見ていると、プログラムマネジメントと同じようなことをやっている部分も多く、その意味で決して重くはありません。残念なことに多くの企業で足らない部分は、統合し、全体最適をする、プログラムとしてもっとも肝になるところです。

これからイノベーションや未来創造と企業や事業の未来を創っていくような活動が増えてくるとプログラムに対するニーズはどんどん増えてくると思われます。

そこで、この連載ではプログラムをどのように進めていけばよいかについて、原理原則を解説してみたいと思います。ベースになっているのは、日本プロジェクトマネジメント協会が提唱しているP2Mというプログラムマネジメントのフレームワークと、そのフレームワークを実行するのに著者が使っているツールですが、説明はフレームワークやツールの説明ではなく、本質だけを抽出して自社でプログラムを実行されているやり方に折り込めるような形でお伝えしたいと考えています。

ということで、お読みいただければ幸いです。



◆プログラムは行われている

まず、最初にプログラムという言葉を定義しておきたいと思います。外資系ではプログラムという言葉はプロジェ クトと同じくらい一般的な活動として使われています。たとえば、人事制度改革プログラムとか、会計制度改変プログラムとか、パートナー制度構築プログラム とかいった感じです。

日本企業では、委員会とか、そんな名称でプログラムを実施していることが多いように思います。この話は面白い背景があります。それは、「チーム」としてやらないということです。

プ ログラムはコアチームを作り、局面、局面でいろいろな人を巻き込み、プロジェクトを作り、進めていきます。ところが、日本的なやり方は、まず、「偉い」人 を中心にして、職位や年次などのバランスのとれた委員会(ワーキンググループ)を作ります。そして、プログラムとして何をやるかを決めて、下(現場)に落 とすわけです。ついでにいえば、現場は現場で分業して進めますで、活動としてばらばらになるわけです。

その後は委員会は状況を監視する機 関になります。基本的に決めた活動内容は変わりませんし、変える場合も現場レベルで調整し、変えていくことが多いように思います。委員会で計画したときに は全体最適になっているのですが、こうして調整していくうちに全体最適ではなくなってきます。

この部分がプログラム的ではなく、全体としてうまく行かない原因になっているように思います。


◆プログラム定義

さて、現実はこのくらいにして、プログラムの定義をしておきます。プログラムとは

共通の目的に向けて、複数の活動(プロジェクト)を行い、成果を統合していく活動

と 定義しておきたいと思います。ここで、共通の目的は事業の戦略ゴールであったり、場合によってはビジョンであったりします。たとえば、ある製品ラインナッ プのシェアを倍にするという戦略ゴールがあり、それに向けて製品A、製品Bの開発をプロジェクトとして実施します。そして、実際に開発した製品を市場投入 してみて、結果をみて、次に開発する製品を決めたり、あるいは、ブランド強化のプロジェクトを行ったりするわけです。

もちろん、プログラム全体としてすることは最初に一旦決めますが(プログラムデザイン)、状況に応じて柔軟にプロジェクトの内容や実施するプロジェクト自体を変えたりするわけです。

そしてその際に全体最適を維持することが最大のポイントになるわけです。たとえば、製品Bが想定より売れなかったので、製品Cではなく、製品C’を投入することにしました。このときに、C’がAの顧客を食わないようにしなくてはならないわけです。

プログラムのイメージはできましたでしょうか?次回から、もう少し、具体的な進め方を説明したいと思います。


◆関連セミナー

本連載に関連して以下のセミナーを行います。

━【開催概要】━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◆未来を実現するプログラムマネジメント                ◆7PDU's
  日時:2014年1月30日(木)  10:00-18:00(9:40受付開始)
  場所:銀座ビジネスセンター(東京都中央区)  
  講師:好川哲人(エムアンドティ・コンサルティング)
  詳細・お申込 http://pmstyle.biz/smn/program_future.htm
  主催 プロジェクトマネジメントオフィス、共催:PMAJ
┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
  【カリキュラム】
1.プログラムマネジメントとは
2.プログラムデザイン
3.ベネフィットのマネジメント
4.ステークホルダマネジメント
5.プログラムガバナンス
6.プログラムに適した個別プロジェクトマネジメント
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛

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好川哲人

技術士&MBA 技術経営のコンサルタントとして、数々の新規事業開発や商品開発プロジェクトを支援、イノベーティブリーダーのトレーニングを手掛ける。「自分に適したマネジメントスタイルの確立」をコンセプトにしたサービスブランド「PMstyle」を立上げ、「本質を学ぶ」を売りにしたトレーニングの提供をしている。