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2013年1月22日 (火)

<持論アクティビティ>27名の持論の概要紹介(その2)

 

Jiron持論の概要紹介の第2回として、9名の持論の概要を紹介する。番号は前回(9名)からの通し番号になっている。(イタリックは持論からの抜粋部分)

持論の読み方については、第1回の記事を参考にしてほしい。

<持論アクティビティ>27名の持論の概要紹介(その1)

https://mat.lekumo.biz/ppf/2013/01/jiron1.html


【10】浅川佐知子「プロジェクトを周囲からサポートする」

浅川佐知子さんの持論は、

プロジェクトに関係する人の主体性の有無が成功の要因である

というものだ。なぜなら、

他人ごとではなく自分のこととして、プロジェクトのタスク遂行上の問題や課題に誰か任せではなく自分から取り組むといった姿勢を持つ傾向を持つ人材が多いプロジェクトにおいては、互いの真剣さが刺激となり相乗効果を生む

からだ。

そして、主体性は自然にできていくものではなく、

好ましい状況が出来上がるよう、プロジェクトの周囲がプロジェクトの環境を保全する努力につとめる必要がある

という。そのための施策として、

リソースとゴールのイメージを共有する
パフォーマンスを引き出す環境を提供する

の2点が重要である。

【11】浅見美奈子「PMの執念が成功を引き寄せる」

浅見美奈子さんは、

Mが誰より執念深くなければ、困難なプロジェクトを成功へ導くことは出来ない

という視点から、以下の3つを持論として挙げている。

絶対に諦めてはいけない
プロジェクトは成功しなければならない。私の考える成功とは、QCD達成だけではない。お客様が満足し、次のチャンスに繋げてこそ成功と思う。

ピンチはチャンスである
大小さまざまな予期せぬことが起こった時、問題を関係者へオープンにしてしまい、問題を実際より少し大げさに取り上げ、相手が考えるより大きな行動を取る。

「死ぬわけじゃない」開き直り
完璧なPMとして顧客やメンバーに絶賛されてみたい。が、それが出来ないからといってPM失格とはならないと思う。ダメなところを色々な人に手助けしてもらっても、最後に成功すれば問題ない。失敗したって死ぬわけではない。


【12】枝窪肇「親心をもって接する」

枝窪肇さんは、「プロジェクトは幼い子供のようなものだ」であり、プロジェクトマネジメントに重要なのは

親心をもって接する

ことが大事だという。つまり、「子供のことを常に気にかけ、タイミングよく子供に接することがその子の教育には欠かせない」のと同じように、プロジェクトでも

停滞したら直近のマイルストーンを示し進捗を促す。
余計なタスクを実施しているようなら本来のタスクを示してあげる。
メンバーの成功には共感しメンバーが困っているときには理由を聞いて力になってあげる。
トラブルが発生したらトラブルシュートを行い、メンバーの成長を認めてあげる。

といった目配り気配りをタイミングよく(スピード感をもって)行うことが必要である。


【13】兼平篤「バランスを把握せよ。」

兼平篤さんの持論は、

プロジェクトマネージャは、プロジェクト遂行中にさまざまなバランスをとる事が必要

というものだ。プロジェクトはどんどん変わっていくので、中でも重要なのは

「その状況を把握できている」という事である

だという。その結果、

バランスを把握する事で、ポイントが明確になり、全体のバランスが俯瞰でき、次のアクションが取りやすくなります。その結果、プロジェクト全体のバランスを保ちながら、プロジェクトを成功へと進める事ができる

からだ。


【14】久保清隆「プロジェクトの成功確率、成功度合いを高める方法」

久保清隆さんは、プロジェクトの成功確率、成功度合いを高める方法に関する持論を述べている。そのためには、プロジェクトマネジャーは

ミッションに取り組み始める前にチームを作る
ミッションを遂行すること
プロジェクトを通して組織を成長させること

の3つの役割を果たすことが必要だ。まず、チーム作りに関しては、以下のプロセスで行う。

1.ゴールを明確にする。
2.必要な役割を考える。
3.メンバーを集める。
4.飲み会などで仲を深める。
5.メンバーにゴールを共有し、意識を統一する。
6.プロジェクトにおける開発のプロセス、チーム内の規律、ルールを決める

次にミッションの遂行においては、計画フェーズと実行フェーズに分け、

計画フェーズでは、必要な作業を洗い出し、優先順位を決め、それぞれのタスクの期日、担当者を決める

実行フェーズでは、計画を実行し、定期的に進捗を確認する。遅れが発生していたら対策を立て、ボトルネックが発生していたらそれを解消するように手を打つ

といったことを行う。

最後の組織の成長のためには、

プロジェクトの中で定期的に、またプロジェクトが終わった後、必ず自己評価をする

という取り組みを行う。


【15】伍實郎「PMは「政治」に向き合う実務家」

伍實郎さんは、エンジニアリング会社勤務、プロジェクトマネージャーであり、プロジェクトマネジメントとは

「政治」、すなわち『当事者間の対立や利害を調整して全体をコーディネートし、意思決定を行い、それを実現させる作用』

であるという持論を持っている。

そして、政治の作用を作りだすためには、以下のようなポイントがあると述べている。

先ずは、その地で仕事をさせて頂く事に心底感謝し、一緒に仕事をする相手方及び自社内メンバーをリスペクトしよう

物事を説明する際に、相手の腑の落ちる言い方を見つけよう

相手方が視覚的に理解しやすいビヘイビアやボディランゲージを身につけよう

同じことを伝えるにも、複数のソースを使って、相手の複数の要人にアピールしよう

決定事項に対する変更は、日本では罪悪感を伴うものだが、海外ジョブではそうでもないことがある。思い切って”現地仕様”のやり方に合わせてみよう

出来るだけ日頃からの顔合わせにより同一目線で対峙し、協働意識を醸成しよう

問題には必ず解(解決策)があると信じよう

言葉のハンディは真の障壁ではない、意図を伝えることに注力しよう

プラントエンジニアリング業の場合、できる限り顧客の施工事例、即ち現地のプラント実績を見学させてもらおう


【16】柴田浩太郎「予測し、決断し、人を動かす」

柴田浩太郎さんの持論は、

プロジェクトマネジャーは「予測し、決断し、人を動かす」のが仕事である。

というものだ。「予測する」とは

まず、現状を把握する。次に、目的、目標、ゴールを把握する。そして、予測する。

ことだ。次に、決断。決断とは、

五分五分だったり、大多数が反対する判断

である。どんな状況でも、理性的な判断が行えるには、普段から判断の拠り所を持つことが一番だ。最後は、人を動かす。人を動かすには、

まずは、とことん自分の無力さを認識し、人を動かすことの重要性に気づくこと。そして、人が動くツボをおさえ、環境をつくり、人の弱さを理解すること

だ。

【17】白井和成「人間力によるプロジェクトマネジメント」

白井和成さんは、プロジェクトマネジャーがなさなくてはならないことは、チームやメンバーを

メンバー全員が「出来る」と信じ(あきらめない)
一人一人がモチベーションを高く保ち(仕事を楽しむ)
自発的に、自分の分担エリアを広げ(好奇心を持つ)
「自分のプロジェクトなんだ」という意識を持って(一人一人がリーダーシップを発揮)

の4つの状態にすることだという。そのためには、

リーダー自身の人間力を向上させる

ことが唯一の方法だと述べている。


【18】鈴木達也「常に誰と何を「握る」か、を意識せよ。」

鈴木達也さんは、火消しプロジェクトで悪化を最小限におさめるには、プロジェクトマネジャーが、「いい意味で「臆病」」で、

・顧客が最優先と認識しているのはなにか。
・最優先事項を決めるステークホルダーはだれなのか。
・プロジェクトの方向性を決めるのは誰か
・キーとなるメンバーの性格と考え方を掴むにはどうすればいいのか

を意識することが重要であるという。

そして、これらを意識した上で、

誰と何を「握る」のかという視点は非常に重要

であるという持論を持っている。

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好川哲人

技術経営のコンサルタントとして、数々の新規事業開発や商品開発プロジェクトを支援、イノベーティブリーダーのトレーニングを手掛ける。「自分に適したマネジメントスタイルの確立」をコンセプトにしたサービスブランド「PMstyle」を立上げ、「本質を学ぶ」を売りにしたトレーニングの提供をしている。