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2012年5月14日 (月)

≪サプリ304≫内省によって経験を知恵に結実させる

大切なのは、現場の経験をしっかりとリフレクションする機会を持つこと、内省によって経験を知恵に結実させること(中原淳、東京大学准教授)

Supple

【成分】
◆リフレクションでプロマネを育成する 
◆経験の質を上げる
◆振り返りとは計画に対するもので、一般論では意味がない
◆プロジェクトマネジャーの行動における計画とは何か
◆持論から方針が生まれる

 

【効用】
・PM体質改善
  PM体質の全般に対して効果があります
・PM力向上
  PM力向上の全般に対して効果があります
・トラブル緩和
  モチベーション向上

このサプリの購入はこちらから!1か月分、500円です。

【解説】

どのプロジェクトも改善のために振り返りに力を入れるようになっています。10年位前に、欧州のIPMAのカンファレンスで発表されたデータで、衝撃的なデータがあります。それは振り返りの結果、得られた知恵(教訓)がそのあと、どのように使われているかに関するものです。

まず、プロジェクトをやっていて、次回はこうしようという風に思う人(プロジェクトマネジャー)の割合は75%です。4人に3人は改善の必要性を感じているわけですね。実際にそれを教訓にする人、つまり、きちんと振り返りを行って形式知化する人は62%に減ります。まあ、今でもこんなものかなと思います。

そして、それを誰かに伝える人は55%だそうです。62%が母数なので、情報共有としては悪くない数字です。問題はこの後で、実際に教訓を別のプロジェクトに適用する人の割合は25%、つまり、教訓を情報として得た人の中で2人に1人。全体でみれば4人に3人は組織としてした経験が生かされていないことになります。

この数字をどう思われますか?

なぜ、こんなに低くなるのか。それは、得られた教訓がそれだけでは使えないからです。これが経験主義の限界です。どのようにすればよいか。自分がした経験でも、組織内の別の人がした経験でもいいわけですが、それをしっかりと内省して、自分の知恵の中に組み込んでいく必要があります。

ここまでやって初めて振り返りの意味があると言えます。そんな問題意識で書いたサプリです。

 

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好川哲人

技術経営のコンサルタントとして、数々の新規事業開発や商品開発プロジェクトを支援、イノベーティブリーダーのトレーニングを手掛ける。「自分に適したマネジメントスタイルの確立」をコンセプトにしたサービスブランド「PMstyle」を立上げ、「本質を学ぶ」を売りにしたトレーニングの提供をしている。