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2009年1月29日 (木)

クリエイティブクラスへのパスポート「プロデュース能力」

◆プロデュース活動のイメージ

みなさんはプロデュースというとどのような活動を思い浮かべるだろうか?

プロデューサと呼ばれる人たちがやっている仕事を考えてみると

・映画やアニメをつくる
・テレビの番組をつくる
・華やかなイベントを演出していく
・ゲームを創る指揮をとる
・タレントを売り出す
・・・

などがある。しかし、このイメージはもはや古いのではないかと思う。

米国カーネギーメロン大学のリチャード・フロリダが提唱した概念に「クリエイティブ・クラス」がある。フロリダは、ホワイトワーカーとか、ブルーワーカーとかいう職業分類に代えて、クリエイティブな業務に関わる層と、そうでない層という分類を定義した。

興味深いのは、かつての分類でブルーワーカーと分類されている人たちの中にも、クリエイティブクラスが存在していることだ。例としてあげられているのは、トヨタの工場で働く人たちなど。

フロリダの考えに照らし合わせてみると、プロデュースという活動もいわゆる従来的なクリエイティブな範囲にとどまらず、クリエイティブクラスのビジネスマン全員に必要な活動だといえよう。

◆プロデュースは行われている

実際にこれはすでにある現実である。言葉がさまざまなので、みんなが気づいていないだけだ。

例えば、ブログの読者でもっとも多い業界はIT業界だと思われる。中でも、システムインテグレーションプロジェクト(SIプロジェクト)に従事されている方が多いようだが、SIプロジェクトでもプロデュースという活動は重要な活動だと考えられている。すでにだ。

そう、「提案」。SI業界ではプロデュース活動を「提案」と呼んでいるのだ。

僕は常々、SIプロジェクトで仕事をされているリーダーに、自分たちは「お客様の要求するモノを作っている」のではなく、「お客様のビジネスをプロデュースしている」、「お客様の「想い」をシステムという形にしている」と考えてほしいなと思っている。

◆他人の想いを実現するプロデュース

もう少し言えば、「お客様の「想い」を「自分の想い」として実現する」。それこそがビジネスというものだ。商品開発でも、自分たちの作りたいものを作るのではなく、ユーザのほしいもの、ユーザの想いと自分の想いが同化したところに、ヒット商品が生まれる。

映画のように無から創造するような活動は「自分の想い」を実現するための活動だった。これだけがプロデュース活動だというの過去のことと述べたのは、SIプロジェクトのように「他人の想い」を実現するプロデュース活動が重要になっていることを踏まえてのことだ。その代表が「お客様の想いをプロデュースする」システムインテグレーションだといえる。こういう人たちもクリエイティブ・クラスなのだ。

逆に考えると、プロデュース能力は、クリエイティブ・クラスへのパスポートだともいえるだろう。

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好川哲人

技術経営のコンサルタントとして、数々の新規事業開発や商品開発プロジェクトを支援、イノベーティブリーダーのトレーニングを手掛ける。「自分に適したマネジメントスタイルの確立」をコンセプトにしたサービスブランド「PMstyle」を立上げ、「本質を学ぶ」を売りにしたトレーニングの提供をしている。