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2009年1月13日 (火)

【補助線】MBAとえびすさん

Images_3 三連休初日の1月10日は、神戸大学のMBAコースのプロジェクト研究の発表会というのにMBAフェロー(MBAコースのOB)ということで駆り出された。

MBAフェローとして参加していた人は15名。全部で12グループの発表を聞き、点数を付けるという志向のイベントだが、MBAコースに行っている人の労力に拍手という感じだった。僕たちがMBAコースに行っていた頃に比べると、だんだん、大変になってきているようだ。コースとしては充実しているということだ!

いくつか、気になった発表もあったので、また、別の機会に触れるかもしれない。

さて、18時すぎまで、このイベントがあって、そのあと、京都に戻り、その足で京都ゑびす神社の「十日ゑびす大祭」に。毎年行っているが、今年は不景気のせいか、境内だけではなく、参道まで参拝客の列ができていて驚いた。

雪がかなり本格的に降る中で、参拝の列が進むのを待っている間、ひまつぶしにMBAのイベントに参加し、ゑびすさんにおまいりしているという行動について考えていた。

経営学は、うまくいっているケースを取り上げて分析し、その成功要因のパターンを発見して、体系化・理論化することを基本とする学問であるが、理論を構築するいわゆる「学者」は「運」というような要因を嫌う。

7f2まあ、「運」だといってしまえば、それですべてが終わってしまうので、自分たちの立場を守るというか、正当化するような一面もあるのだと思うが、それにしても、精神的なものをすべてモチベーションとか、挙句の果てにはフローだとかといった概念に転化して語り、偶発的なものをすべてリスク概念で扱おうとするのは違和感を感じないでもない。

実際に、企業の経営者と話をすると、一部上場であろうが、非公開のオーナー企業であろうが、2時間くらいの時間を頂戴し、突っ込んでインタビューしていくと必ず、「運」という言葉は出てくる。

僕の知り合いの経営者で今年喜寿を迎えるが、32歳で創業して、昨年度まで、毎年、増収増益を繰り返してきた人がいる。そんなに大きな企業ではなく、今でも百数十名の企業だ。彼は、運がよかっただけだというが、僕もそう思う。今では150億を超える売り上げを作っており、利益率も40%を超えている。このこと自体が運だとは思わないし、彼もそうは思っていないが、40年以上、増収増益というのはやっぱり運だ。

プロジェクトでも同じだ。プロジェクトの失敗には必ず理由があるが、成功するのは運の存在は無視できない。

運というのはあるように思えるし、それは、MBA理論のような経営理論と対立するものではないという気もする。

では、「運」というのをマネジメントの中でどのように取り扱うべきか、これは大変に深い問題なのではないだろうか?数年前から、阪本啓一さんが「スピリチャルマネジメント」ということを言い出しているが、なかなか、興味深い。

僕は三菱重工という会社に入り、新入社員の年はプラントのコンピュータ制御の仕事をしていた。そこで驚いたのは、なんとコンピュータに「お神酒」をかけていた(もちろん、筐体の隅っこのほうだ)。当時は、「お神酒をかけると潜在バグが顕在化しなくなるとでもいうのか」という感じで、冷ややかにみていたが、その後、いろいろな経験をする中で、なんとなく理解できるようになってきた。

人間ではどうしても抗いようのない、出来事がある。たとえば、天災。たとえば、地震が起こって被害がでれば、スケジュールは間違いなく遅れて、コンティジェンシーを見ていたとしても、経営的な被害がでることは避けられないだろう。

では、何ができるのか?地震が起こらないことを祈るしかない。リスクマネジメントでも、発生頻度が極少で、ダメージが極大な事象は、天に祈れと言っている(笑)

お神酒をかけるのかを理屈にするなら、

シンボリックな行動により、安全意識を向上させ、事故をおこさせない

などといった理屈になるのかもしれない。しかし、そんなことでは説明しきれないように思う。やはり、「運」というものがあり、コンピュータの中の神を沈めるために、お神酒をかけるのだ。

マネジメントとは難しいものだなあと思うことがある。思ったとおりには行かないからだ。思ったように行かない理由は2つある。ひとつは、所詮、経験した範囲を理論化したものでしかなく、一般性は知れていること。つまり、理論がひとつできれば、例外の山ができる。もうひとつはより本質的な理由で、マネジメントの対象が人間である以上、人間の持つダイナミックスに振り回される運命にあるのだ。

だから、マネジメント理論というのはいらないとはならない。ないよりは、あるほうがよいに決まっている。仮に、状況に合わないとしても、糸口にはなるし、精神的な安定剤にもなる。

逆説的に考えると、神頼みとか、神にすがるとかいうが、その意味ではマネジメント理論にすがるのは、神にすがっているのと同じようなものなのかもしれない。

Ema_ushi2_2 そんなことを考えながら、お参りしてきました。新年早々、与太話で失礼しました。

今年も商売繁盛しますように!

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コメント

わはは
「運」を語るに、こんだけ色々言ってくれるとは、やっぱり好川先生だなあ(笑)

先生に指導してもらったプロジェクトでは少なくとも4つの運がありました。

・ 先生に恵まれた
・ 人材のアサインに恵まれた
・ 守護霊に恵まれた
・ クリティカルな局面で技術準備に恵まれた

神頼みの本質はお礼参りにあると思います。感謝が有り、運に恵まれる。(と、思える)
古く日本の神は、「与える」神ではなく「祟る」神。すなわち何事も無いことに感謝をする風習があり、それが美しい。
そう思うと、「運がある」ことを+と感じても、「運がない」ことを-と感じないことには、国民性が見えてくる気がします。

私はそれが好きですけどね。

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好川哲人

技術士&MBA 技術経営のコンサルタントとして、数々の新規事業開発や商品開発プロジェクトを支援、イノベーティブリーダーのトレーニングを手掛ける。「自分に適したマネジメントスタイルの確立」をコンセプトにしたサービスブランド「PMstyle」を立上げ、「本質を学ぶ」を売りにしたトレーニングの提供をしている。