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2008年7月21日 (月)

【補助線】チームマネジメントの前提

チームマネジメントが注目されるようになってきた。チームマネジメントとはどんなことをするマネジメントだろうか?

チームの話でよくつかわれるエクスサイズに以下のようなものがある。

一郎君と次郎君と三郎君の3人兄弟がいる。お母さんに言われて、家の掃除をすることになった。一人でやれば6時間かかる。3人で一緒にやれば何時間かかるだろうか?

単純計算をすれば2時間である。しかし、このエクスサイズを行うといろいろな答えが出てくる。ポイントは2時間を超えるかどうか。代表的な意見は以下のようなものだ。

1人でやったの無駄は段取り変えにある。掃除機をかける、掃除機をかけれない場所をふく、窓ガラスをふくというところで、何度か段取り変えが出てくる。したがって、2人でやることによればこの段取り変えを減らすような分担ができるし、また、疲労が少なくなるのでパフォーマンスの低下が小さく、ゆえに2時間以下に減る。

というのが一つの意見。もう一つの代表的意見は、

二人でいくら効率的にやっても2時間かかるのだから、2人でやる作業の段取りを決めたり、作業の行き違いもあると思われるのでそもそも、ベースラインを2時間に設定するのがおかしい。したがって、いくら頑張っても2時間ではできないだろう。

というもの。

他にもお兄さんの太郎君のリーダーシップによるだろうとか、兄弟の仲がよいかどうかによって違うとか、掃除の道具ややり方によって違うとか、まあ、いろいろと出てくる。チームビルディングにもなると思うので、ぜひ、一度、あなたのチームでも議論してみてほしい。

掃除のようなベースラインのある作業を行う場合には、1人の場合と同じやり方をしたのでは2人でやって生産性が倍になることはまずない。コミュニケーションの問題とか、協働の問題で、必ず、生産性は落ちる。

FFS理論という独自のチーム理論を展開しているヒューマンロジック研究所によると、10人のチームではだいたい、ベースラインの生産性が6~7人分の生産性だという。このデータは実験に基づくちゃんとしたものだが、僕も感覚的にいえば、こんな感じだと思う。

チームとは3人が集まったときに3人分以上の仕事をする状態だというが、まずは如何に3人分の仕事をするかというのが問題になる。この問題は、リーダーシップの問題であったり、チームワークの問題であったり、モチベーションの問題であったりする。

同時に、3人で、1人ではできない方法で作業ができる方法がある。分業して慣れればパフォーマンスが上がるというような単純な課題はプロジェクトではあまりないと思われるが、それでも工夫すれば見つかることが多い。そして、作業者としての熟練と、プロセスの改善を継続的に行う。

この2つの要素を組み合わせてチームのパフォーマンスを上げていくのが、チームマネジメントである。

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好川哲人

技術経営のコンサルタントとして、数々の新規事業開発や商品開発プロジェクトを支援、イノベーティブリーダーのトレーニングを手掛ける。「自分に適したマネジメントスタイルの確立」をコンセプトにしたサービスブランド「PMstyle」を立上げ、「本質を学ぶ」を売りにしたトレーニングの提供をしている。