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2007年3月17日 (土)

【補助線】プロジェクトの安定性を見極める

先日、PMOリーダー養成講座の中のリカバリーマネジメントのセミナーを行った。このセミナーは、かれこれ、5回くらいやっているのだが、初めて満席になった。

PMstyleが提案しているリカバリーマネジメントは、「安定化」と「そのあとの計画変更」を明確に分けている。

安定化の話をするには、どのような場合にマネジメントが必要かということを整理しておく必要がある。プロジェクトのある時点で、ベースライン計画との差異があるという状態は、代表的には2つのケースがありうる。ひとつは、徐々に差異が大きくなっているケース。もうひとつはどこかでドンと差異が生じてしまって、それをそのまま引きずってしまっているケース。

例えば、スケジュールを考えてみてほしい。プロジェクト期間の3分の1が終わった時点でベースラインと10%の差が出てきたとしよう。前者であれば、結構、大変な状況である。ほっておくと、おそらく、15%、20%とだんだん、差が大きくなってくると考えるのが自然である。このようなクリープ的状態では原因すら分からないことが多い。あるいは複合原因であることが多い。

これに対して、後者である場合、例えば、初期のリソース調達の問題で、着手が10%遅れた。そして、それがそのまま残っているような場合だ。この場合はそんなに心配するような状況ではない。

この区別をせずに計画変更をしようとするとどうなるか。前者の場合は、計画変更をしてもまず、うまく行かない。スケジュールが遅れているからといって、要員の追加投入をして失敗するようなケースはほとんどこれ。

例えば、このケースの一因に必ずといってよいくらいあるのはコミュニケーションや人間関係の悪さである。そこに、追加要員を投入したらどうなるか。言うまでもないだろう。

これに対して、後者では、適切な時期に、予定通り納期を達成するための手を打てばよい。この場合、コストに対する自由度が出てくる。状態として問題であることは問題なのだが、その中でも回復コストを最適化する余地があるのだ。

このように考えると、まず、最初にすべきことは、プロジェクトが安定か、不安定化を判断することだ。安定な場合には、問題があってもその問題を解消する方法を考えていけばよい。不安定な場合には安定化が必要になる。

ところがプロジェクトマネジャー側の問題というのがあって、状況をよいように解釈したがるのだ。プロジェクトが不安定な状況で、例えば、これから3ヶ月の間にリカバリーしますといってみても信用できるはずはないのだが、そういうことを言う。「ひとつ上のプロマネ。」はなぜそうなったかは別にして、プロジェクトが安定か、不安定かの判断をしっかりとできるようになる必要がある。

どうするかって?セミナーにお越しください!(笑)

プロジェクトリカバリーマネジメント

http://www.pmstyle.biz/smn/recovery.htm

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好川哲人

技術経営のコンサルタントとして、数々の新規事業開発や商品開発プロジェクトを支援、イノベーティブリーダーのトレーニングを手掛ける。「自分に適したマネジメントスタイルの確立」をコンセプトにしたサービスブランド「PMstyle」を立上げ、「本質を学ぶ」を売りにしたトレーニングの提供をしている。