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2006年12月25日 (月)

富士通版 プロジェクトマネジメントの成功法則

PMAJで「ITプロジェクトマネジャー成功の条件」というSIG(研究会)に参加している。副会長の佐藤義男さんがやられているSIGである。先日、SIGのミーティングがあり、富士通の近藤さんから面白い話を聞いた。

富士通は最近プロジェクトマネジメントで非常に成果をあげている。日本のSIベンダーは10年くらい米国のSIベンダーに遅れを取っているという説があるが、富士通だけはそこから頭一つ抜け出した感じがあって、おそらく5年くらいまで挽回しているのではないかと思う。

さて、その近藤さんの話だが面白いのは、近藤さんはプロジェクトマネジャーに必要な資質の中で50%は技術的なスキルだといわれている点だ。これは一般的に言われている認識とはだいぶ異なる。

近藤さんの言われる6つの成功法則は以下のようなものである。

1)体制
2)システム化技術を初期の段階で決めることができる
3)業務設計(要求)の聞き出し方
4)WBS、計画を詳細に書く
5)モチベーションの向上マネジメント
6)無謀なプロジェクトを止める

近藤さんの体験によると1)~3)がきちんとできると大多数のプロジェクトはうまくいくそうだ。これが、技術50%の根拠らしい。

なるほどなと思った。1)~3)は、いわゆる技術ではなく、開発マネジメント技術である。プロジェクトマネジャーに技術が必要かどうかはいろいろな説がある。しかし、開発マネジメント技術が必要であるというのは異論がないところではないかと思う。開発マネジメントができないプロジェクトマネジメントはプロジェクトはマネジメントできないだろう。

これはSIに限ったことではない。例えば、商品開発であればISOをうまくまわせない人にはプロジェクトマネジメントはうまくできないのと同じことだ。

近藤さんの話は他にも含蓄がある。1)~3)だけではできないプロジェクトもあるそうだ。これについては、4)に取り組めとのこと。さらにそれでもだめな場合には5)が必要だという。1)~3)でできるかどうかは、プロジェクト初期のあいまい性に大きく依存する。あいまい性が大きい場合には計画を詳細にしろというのはよく分かる。また、それすらできないようなケースは「ひと」の持っているポテンシャルを引き出すことを考えろというのもそのとおり。

それでも危いと思われるものはやらない。非常に納得性が高い。

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好川哲人

技術経営のコンサルタントとして、数々の新規事業開発や商品開発プロジェクトを支援、イノベーティブリーダーのトレーニングを手掛ける。「自分に適したマネジメントスタイルの確立」をコンセプトにしたサービスブランド「PMstyle」を立上げ、「本質を学ぶ」を売りにしたトレーニングの提供をしている。