マネジメント Feed

2009年6月11日 (木)

経営の神は細部に宿る

4569709303 清水 勝彦「経営の神は細部に宿る」、PHP研究所(2009)

お奨め度:★★★★1/2

ユニークなマネジメント論を展開するテキサス大学の清水 勝彦先生の極めつけの経営論。

建築の分野での言葉で、「神は細部に宿る」というのは、誰が言ったか、そしてどんな意味で言ったかについては、いくつかの説のある言葉。設計の本質は細かなところにあるとも言われるし、画竜点睛のような意味だという人もいる。

どっちでもいいが、これを文字って、「経営の神は細部に宿る」とはよく言ったもの。清水先生の本らしく、これをコンセプトに、「戦略に関わること」、「人に関わること」、「考え方に関わること」と3つのカテゴリーに分けて、事例を取り上げている。

続きを読む »

2009年5月29日 (金)

「影響力の法則」を実践する

4419053003 アラン・コーエン、デビッド・ブラッドフォード(高嶋 薫、高嶋 成豪訳)「続・影響力の法則―ステークホルダーを動かす戦術」、税務経理協会(2009)

お奨め度:★★★★★

2007年に同じ訳者で翻訳出版された「影響力の法則」は、原書「Influnence without Autohrity」の1章~9章を訳したもの。残りの10章~17章を翻訳したのが本書と訳者の前書きに書いてあるのだが、なぜか本書は7章構成。まあ、細かいことは気にしないということで。

また、本書には訳者による影響力の法則ミニセッション的なページが冒頭にもうけられているので、一同、前書を読まなくても読めるようになっている。

続きを読む »

2009年5月16日 (土)

ルールかモラルか

448006477x 岡本 薫『世間さまが許さない!―「日本的モラリズム」対「自由と民主主義」』、筑摩書房(2009)

お奨め度:★★★★1/2

僕はマネジメントのコンサルタントの仕事をはじめてほぼ15年になる。その前は、5年ほど技術コンサルタントをしていた。この両者の間には歴然とした差があると感じている。

技術コンサルタントとして、たとえば設計方式(ルール)を決めたときにクライアントがそれを無視して設計するという経験はあまりしたことが無かった。逆に、マネジメントのコンサルタントとして何かルールを決めても、それを全員がやるということもあまり経験がない。極論すれば、ルールを決めることではなく、ルールを守らせることの方がコンサルタントとしての価値のある仕事のような気すらしている(儲かるのは、ルールを決める仕事だが、、、)。

このギャップについてそれなりに経験からくるもやもやとした思いがあったが、この本を読んで霧がぱっと晴れた。日本的モラリズムと著者が呼ぶ現象がそれを引き起こしている。平たくいえば、この本のタイトルのとおり、「世間さまが許さない」という話。

続きを読む »

2009年4月30日 (木)

「プロジェクト」を経営に活かす

4833418967 鈴木 成裕「実践「経営プロジェクト」講座―会社の未来づくりに、取り組む人のための実践テキスト」、プレジデント社(2008)

おすすめ度:★★★★★

偶然、書店で見つけて、一気に読んだ。こんな本があるとは知らなかった。

「プロジェクト」を経営でどのように活用し、それを成功させるには、どのようなマネジメント、組織、リーダーシップ、人材が必要かをタイトルの通り、実践的に説明している。

現代経営技術研究所というコンサルティング会社の経営者が、これまでに行ってきた数百の経営プロジェクトに基づき執筆した書籍で、研修テキストとして活用することを目的に書かれたようだが、単独の書籍としても十分に役立つ説明がされており、いわゆるテキスト本ではない。

続きを読む »

堅い菜根もよくかめば、滋養となって心身は健やかになる

4820717421 王 福振編集(漆嶋 稔訳)「菜根譚 心を磨く一〇〇の智慧」、日本能率協会マネジメントセンター(2009)

お奨め度:★★★★★

菜根譚は「堅い菜根もよくかめば、滋養となって心身は健やかになる」。そのような意味で、名付けられた処世訓であり、400年にわたって、中国に限らず、日本などでも読み継がれてきた。

菜根譚には2種類ある。ひとつは、明朝末期に書かれた「前集」、「後集」からのなる2巻本。これをもとに、加賀前田藩の儒者である林瑜が刊行したもの。もう一つは、清朝時代に出された1巻本で、「修省」、「応酬」、「評議」、「間適」、および、清朝の菜根譚から抜粋をした「概論」の5部からなる本である。この本は、両者から、内容を厳選して抜粋したものになっている。

続きを読む »

2009年4月 4日 (土)

「ビジネスホリック」のバイブル

4344016610 村上龍「無趣味のすすめ」、幻冬舎(2009)

お奨め度:★★★★★

大学のときに、「限りなく透明に近いブルー」を読んでいっぺんにファンになった。

406112823x 村上 龍「限りなく透明に近いブルー」、講談社(1976)

天才だと思った。そして、

村上 龍「コインロッカー・ベイビーズ」、講談社(1980)4061168649

で完全にはまった。

続きを読む »

2009年3月30日 (月)

フレームワークを使いこなすにはこの本!

4534044399 手塚 貞治「戦略フレームワークの思考法」、日本実業出版社(2008)

お奨め度:★★★★★

この1年くらい、やたらとフレームワークの辞書のような本が目につく。さしあたって、このような流れを作ったのは、また、勝間和代さんではないかと思われるので、すごい影響力だ。

4887596391 勝間和代「勝間和代のビジネス頭を創る7つのフレームワーク力 ビジネス思考法の基本と実践」、ディスカヴァー・トゥエンティワン(2008)

数ある勝間本の中では、僕はこの本がもっともよい本だと思うが、フレームワーク本としては、もっとお奨めなのがこの手塚さんの本だ。

続きを読む »

現場力強化の鍵はミドルが握る

4492556303_2遠藤功「現場力復権~現場力を「計画」で終わらせないために」、東洋経済新報社(2009)

お奨め度:★★★★1/2

日本における「現場力」ブームの発端になった、ローランド・ベルガー会長の遠藤功さんの著書

4492531718遠藤功「現場力を鍛える~「強い現場」をつくる7つの条件」、東洋経済新報社(2004)

の続編。事例の紹介をしながら、それらの事例に見られるベストプラクティスや、問題点の解決方法の提言をしている。

続きを読む »

システム思考で「匠に呪縛」から解放されよう!

4532260361 木村 英紀「ものつくり敗戦―「匠の呪縛」が日本を衰退させる」、日本経済新聞出版社 (2009/03)

お奨め度:★★★★★

日本の技術が苦手なのか、「理論」、「システム」、「ソフトウエア」を3つだという仮説に基づく、システム思考を中核に据えた技術マネジメント論。

続きを読む »

2009年2月28日 (土)

プロジェティスタのバイブル!

4622073900 エンツォ・マーリ(田代 かおる訳)「プロジェクトとパッション」、みすず書房(2009)

お奨め度:★★★★★

イタリアの巨匠エンツォ・マーリのプロジェクトデザイン論。

エンツォ・マーリは伝説的なモダンデザインの工房「ダネーゼ」とのコラボレーションを開始して、世界中に名を覇せた工業デザイナーである。日本では無印良品のデザイナーとして有名である。この本は自身のプロジェッティスタとしての考えをまとめ、後輩に伝えることを目的として書かれたプロジェクト哲学の書である。こういう本を書いてくれる人がいるというのがイタリアだと思わせる一冊。

■■■■■■【目次】■■■■■■

第1章 斧の一撃のものがたり
第2章 三つの地平線
第3章 必要、そしてまた必要
第4章 自然の方法論
第5章 学生へのいくつかの助言

■■■■■■■■■■■■■■■■

続きを読む »

PMstyle 2025年6月~8月Zoom公開セミナー(★:開催決定)

アクセスランキング

カテゴリ

Powered by Six Apart

Powered by Google

  • スポンサーリンク
  • サイト内検索
    Google