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2014年1月 8日 (水)

ビジネスメガネを新調しよう

4054058868井関 利明, 山田 眞次郎「思考 日本企業再生のためのビジネス認識論」、学研パブリッシング(2013)

お奨め度:★★★★★

大学改革の手本となった慶應大学SFCの創設メンバーの中心であった井関 利明慶應義塾大学名誉教授と、インクスの創設者であり、モノづくりの論客でもある山田 眞次郎さんが現在のビジネスの認識について過去からの流れを整理し、論じた対談集。パラダイムの変化をうまく議論していて、今、われわれが行っているビジネスを明確に認識できる一冊。

これは名対談集だ。水野学さんによる本全体のデザインもよい。

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2014年1月 7日 (火)

MBAコースではゲーミフィケーションをどう教えるか

4484131242ケビン・ワーバック、ダン・ハンター(三ツ松 新監訳、渡部典子訳)「ウォートン・スクール ゲーミフィケーション集中講義」、阪急コミュニケーションズ (2013)

お奨め度:★★★★★

ビジネススクールで初めてゲーミフィケーションの講義を取り入れたウォートンの教科書。MBAプログラムの体系と関連付けながらゲーミフィケーションの説明がされており、ゲーミフィケーションを取り入れた仕組みの構築に役立つ一冊。


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2014年1月 6日 (月)

ビジネス書の杜 Awardの歴史

Award今年も、Awardの季節になりました。今年で8年目、1月14日の週に発表する予定です。さて、今年はどうなることでしょう?

昨年までの7年間の歴史をご紹介しておきます。

Award2012
ケン・シーガル(林 信行監修・解説、高橋 則明訳)「Think Simple―アップルを生みだす熱狂的哲学」、NHK出版(2012)

Award2011
ピーター・センゲ(枝廣 淳子、小田 理一郎、中小路 佳代子訳)「学習する組織――システム思考で未来を創造する」、英治出版(2011)

Award2010
ジェームズ・クーゼス、バリー・ポズナー(金井壽宏監訳、伊東奈美子訳)「リーダーシップ・チャレンジ」、海と月社(2010)

Award2009
リクルートHCソリューションユニット、太田芳徳「「決める」マネジメント――人を活かす職場をつくる」、英治出版(2009)

Award2008
佐々木 直彦「プロデュース能力 ビジョンを形にする問題解決の思考と行動」、日本能率協会マネジメントセンター(2008)

Award2007
アラン・コーエン、デビッド・ブラッドフォード(高嶋薫、高嶋成豪訳)「影響力の法則―現代組織を生き抜くバイブル」、税務経理協会(2007)

Award2006
スコット・バークン(村上 雅章訳)「アート・オブ・プロジェクトマネジメント ―マイクロソフトで培われた実践手法」、オライリー・ジャパン(2006)

2014年1月 2日 (木)

【ランキング】2013年 ビジネス書の杜で売れた本10冊

2013年の紙の本と、Kindle版を合せた売上げランキングです。

40621714571位は、ダニエル・ピンクの新しい本「人を動かす、新たな3原則 売らないセールスで、誰もが成功する」でした。セールスというテーマは実用書は山ほどありますが、こういう概念的な本はあまりなかったように思います。

しかし、ダニエル・ピンクによると、今の時代は誰もがセールスをしているといい、それは売らないセールスだと言います。この指摘も極めて本質的な指摘で、この本の提案も、きっとフリーエージェントやハイ・コンセプトのように何年か後に日本でも定着してくる考え方ではないかと思います。コンセプトの時代のセールスについて述べた本だと言ってもよいと思います。

4894515806第2位は、元日産の水野さんの「非常識な本質」でした。プリメーラやGTRなどで知られる名カーエンジニアの水野さんのインパクトのある体験談です。

この本は、日本の製品はなぜガラパゴスになるのか、なぜイノベーションが進まないかを考える上で、非常に役に立つ本です。

本質は非常識なものである。

タイトルがすべてを語っています。



4478023417第3位は2012年に出版された本で、「採用基準」でした。この本はマッキンゼーで採用マネジャーをされていた伊賀さんがマッキンゼーの採用する人材像という視点から、リーダーシップについて述べた本です。

日本企業の考えるリーダーシップと欧米企業のリーダーシップの違いを理解するにはもってこいの本です。

ベスト3は以上でした。

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組織と個人を同時に変える

4862761542ロバート・キーガン、リサ・ラスコウ・レイヒー(池村千秋訳)「なぜ人と組織は変われないのか――ハーバード流 自己変革の理論と実践」、英治出版(2013)

お奨め度:★★★★★

ハーバード大学で、成人学習、職業発達論を研究するロバート・キーガン教授の『Immunity to Change』の翻訳書。2009年の刊行以来、免疫システムという変わった概念による変革アプローチの本として評価されている。

変化が必要だと思っても、85%の人が行動すら起こさないとされるが、この本のアプローチによると多くの人や組織は変革できると主張している注目の一冊。変革の必要性を感じている人はぜひ、読んでみよう!


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2014年1月 1日 (水)

【ランキング】2013年Kindle本売上げ年間ベスト10

2013年はKindle本の月の平均売上数が初めて3桁になりました。2012年と比較するとKindleの普及を実感する結果になりました。以下に結果を発表します。

なお、ビジネス書の杜、および、PMstyleプロデュースに書評がある本は書評URL、ないものはアマゾンのKindleストアの当該URLをリンクしてあります。

まず3位から。3位は三谷 宏治さんの書かれた

経営戦略全史 50 Giants of Strategy

でした。この本、ハンドブック的に使えますので、Kindleには適していると思います。

第2位は川原 慎也さんの

これだけ! PDCA


です。簡単なようで実はかなり難しいPDCAについてポイントを押さえて書かれた本で、一昨年の発行ですが、まだまだ、よく売れているようです。

そして第1位は、昨年の「ビックデータ」イヤーを象徴するような本でした。ビックデータについて一冊本を進めるならこの本という役立つ本ですが、この本がKindleで売れた理由は、値段も多少は安いですが、おそらく紙の本が品切れになっていることが多かったからではないかと思います。

ビッグデータの正体 情報の産業革命が世界のすべてを変える

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ということで、Kindle版の売上げベスト10は以下の通りでした。




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2013年12月31日 (火)

問題解決に必要なリーダーシップ

4478023417伊賀 泰代「採用基準」、ダイヤモンド社(2012)

お奨め度:★★★★★

マッキンゼーで12年間採用マネジャーを務めた著者が、問題解決を行うには、地頭や論理的思考力よりリーダーシップが大切だといい、リーダーシップのあり方について論じた一冊。

マッキンゼー流のリーダーと日本企業にありがちなリーダーの比較を行い、日本のリーダーという概念の問題点を指摘している。


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組織の不条理のメカニズム

453231917xレイ・フィスマン、ティム・サリバン(土方 奈美訳)「意外と会社は合理的 組織にはびこる理不尽のメカニズム」、日本経済新聞出版社(2013)

お奨め度:★★★★★

マクドナルド、HP、マッキンゼー、P&G、ザッポスなどの企業、ボルチモア市警、サモア政府などのパブリックセクター、アルカイダなどを例にとり、採用、報酬、組織文化、イノベーション、マネジメントにおける不合理の本質を、組織経済学の観点から解き明かした一冊。一つのテーマについて、民間企業とパブリックセクター、宗教団体というふうに2つ以上の性格の異なる組織を比較し、同じことが言えるという仕立てになっており、興味深く読める。そして、911で組織が評価されたアルカイダは本当に理想の組織なのかという検証をしている、


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2013年12月30日 (月)

「イノベーションのジレンマ」以上のインパクト

4334929176楡 周平「象の墓場」、光文社(2013)

お奨め度:★★★★★+α

世界的なエクセレントカンパニーであるコダックをモデルにしたと思われるグローバル企業ソアラ社の日本法人を舞台にした小説。資本主義、企業文化、価値感、イノベーション、技術、組織と人などについて非常に深く考えさせられる一冊。

小説と調査に基づく学術書を比較すべきではないことは重々承知しているが、クレイトン・クリステンセン先生の「イノベーションのジレンマ」以上のインパクトがあった。

特に、小説(ストーリー)という形でしか書けないと思われる全体の構造が見事に書かれており、現場で起こる現象がなぜ起こっているかを、断片的なステレオタイプの指摘ではなく、コンセプチュアルに把握できる。イノベーションや変革に携わっている方すべてに強くお奨めしたい。


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2013年12月24日 (火)

「ひらめき」の達人たちはどんなことを考え、行動しているのか

4040800052伊藤 穰一(狩野 綾子訳)「「ひらめき」を生む技術 (角川EPUB選書)」、KADOKAWA/角川学芸出版(2013)

お奨め度:★★★★★+α

MITメディアラボで伊藤穣一所長が自分の人脈をつなぎ各界の第一線で活躍するスペシャリスト達を呼んで、学生たちの前でディスカッションする「カンバセーション・シリーズ」の中から、伊藤さん自身が対談した4名の対談録に、伊藤さんの解説をつけた本。

刺激を受けるという点においては、まれにみる一冊だ。


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