ビジネス書の杜Award2008「このビジネス書がすごい!2008」
「ビジネス書の杜」主宰者 好川哲人が選ぶ2008年のベスト1(Award2008)は
佐々木 直彦「プロデュース能力 ビジョンを形にする問題解決の思考と行動」、日本能率協会マネジメントセンター(2008)
としました。なお、こちらも恒例になっています、Awardの著者をお迎えしたセミナーも行います。
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【ビジネス書の杜Award2008セミナー】
テーマ:プロデュース能力 ~ ビジョンを形にする問題解決の思考と行動
講師:佐々木直彦(株式会社メディアフォーラム)
日時:2009年2月4日 18:30-20:40
場所:ヴィラフォンテーヌ汐留(東京都港区)
詳細・お申込はこちら http://www.pmstyle.biz/smn/20090204.htm
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選考過程では、まず、5つ星のカテゴリーから印象に残った本を拾い上げていきました。毎年、どうしても、出てから日の浅い本が印象深くなるのですが、今年は結構、時期的にはばらついていて、Awardとした本以外で選んだのは、以下の6冊です。
鈴木有香「コンフリクト・マネジメント入門-人と協調し創造的に解決する交渉術」、自由国民社(2008)
アレックス・オスボーン(豊田晃訳)「創造力を生かす」、創元社(2008)
デイビッド・メッキン(國貞 克則訳)「財務マネジメントの基本と原則」、東洋経済新報社(2008)
袖川芳之「線と面の思考術 自分の頭で考える道具を手に入れよう」、大和書房(2008)
関島 康雄「チームビルディングの技術―みんなを本気にさせるマネジメントの基本18」、日本経団連事業サービス(2008)
新 将命「伝説の外資トップが説く リーダーの教科書」、ランダムハウス講談社(2008)
これに「プロデュース能力」を加えたこの7点から
「線と面の思考術 自分の頭で考える道具を手に入れよう」
「伝説の外資トップが説く リーダーの教科書」
「プロデュース能力 ビジョンを形にする問題解決の思考と行動」
の3点に絞り、もう一度この3冊を読み直し、「プロデュース能力 ビジョンを形にする問題解決の思考と行動」を選びました。
コンサルタントとしていろいろな企業の話を聞いている中で、やっぱり、難しい時代になってきたという実感があり、そのような状況で役立つ本というのがよい本だという認識があります。もう、表面的なハウツー本では役立ちません。
残った3冊を見ると、プロデュース能力は見えていないものをビジョンとして見せて創り上げていくことの重要性を説いている本です。袖川芳之さんの本も面と線を意識することにより、そのような柔軟な発想ができることを説いた本です。新将命さんの本はタフなリーダー論ですが、やはり、物事の本質をきちんととらまえることのできるリーダーを目指そうという内容のリーダー論で、いずれも、やはり、この時代に必要な発想だなと思えるものでした。
その中で、プロデュース能力をベスト1にした理由は、この問題に対して、プロデュース「能力」を身につけることにより問題に対応していこうという発想はありそうでなかったものですし、プロデュースのフレームワークをきちんと示すという大変な仕事を評価したいからです。労作であることはもちろんですが、初めて登場したといってよいプロデュースの枠組みをまとめたことはたいへん意義深いことだと思います。
ぜひ、手にとって読んでみてください。
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