1994年から続けている「ビジネス書の杜」(ブログ)は2014年3月末を以て、期限を決めずに活動を休止します。これまでこのブログをお読みいただいていた読者の方に感謝します。
また、これまで8回のアワードのイベント、82回の読者プレゼントに協力して戴いたり、献本を頂いたりといろいろな方にご協力を頂きました。運営にご協力いただいたすべての方に感謝します。
ブログを休止したからといって本を読まなくなるわけではありませんので、紹介したい本も出てきます。そのような本については、別の場所で紹介したいと思います。
コンサルティング、研修、セミナーなどのクライアントに読んで欲しいと思う本については今まで通り、「PMstyleプロデュース」ブログの「プロデューサーの本棚」で紹介していきます。こちらはビジネス書(啓蒙書)というより専門的なテーマの本が多くなると思います。
また、メルマガの読者の方に、メルマガの記事と関連して読んで欲しいと思う本は新たに「プロジェクト・イニシアチブ」ブログに「ブックレビュー・イニシアチブ」というコーナーを設けました。こちらで紹介していきます。
ビ ジネス書の杜のように、新刊のよいビジネス書を紹介するというスタンスではなく、あくまでもメルマガと一緒に読んでほしい本を発行時期に関係なく紹介して いきます。ただ、実際には新刊が多くなると思いますので、ビジネス書の杜を本選びに利用されていた方には代用になるかもしれません。よろしければまたおつきあいください。
なお、ビジネス書の杜のfacebookページは、上記ブログに書籍紹介記事をアップしたときのお知らせように今年一杯は運営しようと思っています。
引き続きよろしくお願いいたします。
なお、このブログは僕自身が本の紹介に使ったり、引用することも多いため、このまま残すことにしました。引き続け、ご活用いただければ幸いです。
2014年3月24日 好川哲人
ボブ・バーグ、ジョン・デイビッド・マン(山内 あゆ子訳)「あたえる人があたえられる」、海と月社(2014)
お奨め度:★★★★★
ギバー(与える人)をテーマにしたビジネス小説で、2007年の刊行以来、20か国以上で出版されているベストセラー。
いわゆる成功本ではなく、自分自身や人間関係のあり方、生き方そのものを見直す機会を与えてくれる本である。
ゲアリー・ケラー、ジェイ・パパザン(門田 美鈴訳)「ワン・シング 一点集中がもたらす驚きの効果」、SBクリエイティブ(2014)
お奨め度:★★★★★+α
バランスを取らずに、一点集中を行うことのご利益と、一点集中の方法について述べた一冊。
個人の仕事の方法にも、チーム(組織)としての仕事のやり方にも通用する方法であり、読んでいる限り、バックボーンとなるロジックがあり、「私はこういうやり方でうまく行っています」式の啓蒙書とは一味違う良書。
アダム グラント(楠木 建訳)「GIVE & TAKE 「与える人」こそ成功する時代」、三笠書房(2014)
お奨め度:★★★★★+α
対人行動の基本関係をギバー(人に惜しみなく与える人)、テイカー(真っ先に自分の利益を優先させる人)、マッチャー(損得のバランスを考える人)の3つのタイプに分けて、事例と心理学実験などを通じて、仕事におけるタイプと成果の関係を分析した一冊。米国でウォートン校史上最年少の終身教授になった著者のデビュー作として米国を始め、全世界で話題になった書籍の翻訳。
監訳者の楠木先生が「情けは人のためならず」を実証実験し、理論化された本だと述べられているがまさにそんな感じの本である。「情けは人のためならず」に共感できる人にはお奨めしたい。
ジョン・クプレナス、マシュー・フレデリック(美谷広海訳)「エンジニアに学ぶ101のアイデア」、 フィルムアート社(2013)
お奨め度:★★★★★
いろいろな分野のエンジニアリングの101の方法論を通じて、エンジニアのものの見方と発想を学ぶ。モノ作りにもイノベーションにも効く常識、理論、実践は、エンジニアの人以外にもたくさんの思考のヒントを与えてくれる。エンジニアはもちろん、ビジネスマンにお奨めの一冊。
今回で8回目となる「ビジネス書の杜」主宰者・好川哲人が選ぶ「このビジネス書がすごい!2013」(ビジネス書の杜Award2013)は
ケビン・ワーバック、ダン・ハンター(三ツ松 新監訳、渡部典子訳)「ウォートン・スクール ゲーミフィケーション集中講義」、阪急コミュニケーションズ (2013)
を選びました。今年も印象に残った本から5冊を選び、改めて読み直し、この本に決めました。
この何年か、米国ではゲーミフィケーションを導入した企業の業績アップが目立つそうです。一方で、有効性の明確な根拠はないという状況にあります。
日本でもゲーミフィケーションは注目されるようになり、徐々にではありますが、ハウツー本も増えてきました。
その中で注目されるのが、名門ペンシルベニア大学ウォートン・スクールで世界初の「ゲーミフィケーションコース」ができ、ある程度、体系化されたプログラムが開発されました。その担当教授が理論から実践まで書いた本が日本でも翻訳されました。
こういう形で提供されるとマネジメントやビジネスの中で、ゲーミフィケーションを思い付きではなく、有効に使うことができるのではないかと思わせる本です。きっとゲーミフィケーションのバイブルになるでしょう。
ビジネス書の杜の記事はこちらにあります。
MBAコースではゲーミフィケーションをどう教えるか
https://mat.lekumo.biz/books/2014/01/post-ad79.html
候補に残った他の4冊はこちらです。
ビジネス書の杜Award2013 特別賞
https://mat.lekumo.biz/books/2014/01/award2013-aa7a.html
過去のAwardはこちらです。
https://mat.lekumo.biz/books/2014/01/award-95f4.html
ビジネス書の杜のAward2013は明日(1月15日)発表する予定です。今年は候補を5冊に絞り、その中から1冊選びました。
今年はそれ以外に、特別賞というのを選びました。この本です。
ビジネス書の杜を始めて十数年になりますが、この間、常に強烈なインパクトを与えて貰ったのが、クレイトン・クリステンセン先生です。昨年でリタイヤされるということですので、感謝をこめて今年出版されたハーバードビジネスレビュー掲載論文の論文集を特別賞に選びました。
クレイトン・クリステンセン(ダイヤモンド・ハーバード・ビジネス・レビュー編集部翻訳)「C. クリステンセン 経営論――ハーバード・ビジネス・レビュー・アンソロジー」、ダイヤモンド社(2013)
https://mat.lekumo.biz/books/2013/07/c-560e.html
なお、5冊の候補の中で選ばなかった4冊は以下のとおりです。いずれも素晴らしい本です!
藤本 隆宏「現場主義の競争戦略: 次代への日本産業論 (新潮新書)」、新潮社(2013)
お奨め度:★★★★
藤本先生が日本橋の経済倶楽部で行われた講演会の記録に基づき、加筆された本。日本の製造業に対する悲観論への反論と、持論である能力構築競争の今日的な理解が述べられている。
藤本先生の本の中では読みやすく、藤本先生の持論を知るにはお奨めの本だ。
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