「プロデュース」の本がずいぶん増えましたね
2009年はプロデュースに関する本がこれまでにないくらいたくさん、出版された印象がある。
おそらく、2008年の末に出版され、ビジネス書の杜でもAward2008に選んだ佐々木尚彦氏の
がきっかけになったものだろう。また、昨年は空前のイノベーションブームだったこともあって、出版的にはプロデュースはブームだったのかもしれない。
2009年はプロデュースに関する本がこれまでにないくらいたくさん、出版された印象がある。
おそらく、2008年の末に出版され、ビジネス書の杜でもAward2008に選んだ佐々木尚彦氏の
がきっかけになったものだろう。また、昨年は空前のイノベーションブームだったこともあって、出版的にはプロデュースはブームだったのかもしれない。
岩崎 夏海「もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら」、ダイヤモンド社(2009)
お奨め度:★★★★1/2
放送作家から、ビジネスのマネジャーへという異色のキャリアを持つ著者が、ドラッカーの「マネジメント」を高校野球という舞台で実践する様子をエンターテイメントとして書いた一冊。
杉野 幹人、内藤 純「コンテキスト思考 論理を超える問題解決の技術」、東洋経済新報社(2009)
お奨め度”:★★★★★
モノゴトの裏にある物理的に認識できない「コンテキスト」を能動的に洞察する「コンテキスト思考法」を提唱し、独自の思考モデルによる具体的な思考プロセスを例示を使いながら解説した一冊。コンテキスト思考法により、「おもしろい成果」が期待できるというのが著者の主張である。
福田 収一「良い製品=良い商品か?―「モノづくり」から「価値づくり」へ」、工業調査会(2009)
お奨め度:★★★★★
技術的な立場から書かれた本格的なマーケティング論。「期待マネジメント工学(EM)」という考え方を提唱し、さまざまな問題提起とその問題に対するマーケティングのアイディアを体系的に示している。すべての技術系マネジャー、技術者に読んでほしい一冊。
宮永 博史「理系の企画力!-ヒット商品は「現場感覚」から」、祥伝社(2009)
お奨め度:★★★★1/2
東京理科大学の社会人向けのMOTコースは、日本の経営学の重鎮のひとりで、「人本主義」とか、「場のマネジメント」といったユニークな理論を構築されてきた伊丹敬之先生をはじめとする、質の高い教員を抱えた実践的なコースと評判のコースで。
その中でも、技術経営の分野に、セレンディピティというユニークな概念を持ち込まれている宮永先生のカジュアルに読める一冊。
ショーエンK「「ぼうず丸もうけ」のカラクリ」、ダイヤモンド社(2009)
お奨め度:★★★★★
大学で経営学を学び、就職後も「隠れボウズ」として会計事務所に勤務し、税理士の資格を取ったという一風変わったお坊さん ショーエンKさんが書いたお坊さんやお寺のビジネスの実態を書いた本。
ぼうず丸もうけとテーマについてマネジメントリテラシーがある著者が書いているだけに、比較的ベールに包まれた宗教ビジネスの暴露を楽しみながら、事業戦略、マーケティング、人事、財務、営業、オペレーションマネジメント、税務などに応用できる、レバレッジの聞く仕組み(カラクリ)が満載。
井上 理「任天堂 “驚き”を生む方程式」、日本経済新聞出版社(2009)
お奨め度:★★★★1/2
今や、日本企業の中ではトヨタやソニーと並んで関心を持たれているにもかかわらず、そのマネジメントが秘密に包まれている任天堂を、取材とデータ、洞察から描いた力作ノンフィクション。
堀 公俊、 加藤 彰「ワークショップデザイン――知をつむぐ対話の場づくり」、日本経済新聞出版社(2008)
お奨め度:★★★★1/2
ワークショップという言葉を日常的に耳にするようになってきた。ワークショップはすばらしいという効能もだんだん言われるようになってきた。そこで、やろうと思うと、「さて、、、」となるのではないかと思う。イメージはなんとなくあるが、具体的にどうすればよいか全くわからないので、戸惑う。こんな話も時々、聞くようになった。
そこで、この本。ワークショップのプログラムに焦点を当て、どのように設計するかから、ちょっとした小技(アクティビティ)まで、体系的にまとめられている。
手塚 貞治「戦略フレームワークの思考法」、日本実業出版社(2008)
お奨め度:★★★★★
この1年くらい、やたらとフレームワークの辞書のような本が目につく。さしあたって、このような流れを作ったのは、また、勝間和代さんではないかと思われるので、すごい影響力だ。
勝間和代「勝間和代のビジネス頭を創る7つのフレームワーク力 ビジネス思考法の基本と実践」、ディスカヴァー・トゥエンティワン(2008)
数ある勝間本の中では、僕はこの本がもっともよい本だと思うが、フレームワーク本としては、もっとお奨めなのがこの手塚さんの本だ。
エンツォ・マーリ(田代 かおる訳)「プロジェクトとパッション」、みすず書房(2009)
お奨め度:★★★★★
イタリアの巨匠エンツォ・マーリのプロジェクトデザイン論。
エンツォ・マーリは伝説的なモダンデザインの工房「ダネーゼ」とのコラボレーションを開始して、世界中に名を覇せた工業デザイナーである。日本では無印良品のデザイナーとして有名である。この本は自身のプロジェッティスタとしての考えをまとめ、後輩に伝えることを目的として書かれたプロジェクト哲学の書である。こういう本を書いてくれる人がいるというのがイタリアだと思わせる一冊。
■■■■■■【目次】■■■■■■
第1章 斧の一撃のものがたり
第2章 三つの地平線
第3章 必要、そしてまた必要
第4章 自然の方法論
第5章 学生へのいくつかの助言
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