PMstyle 2025年9月~12月Zoom公開セミナー(★:開催決定)

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2005年6月15日 (水)

セミナー「プロジェクトを成功させるコミュニケーションマネジメント」

プロジェクトにおいては、コミュニケーションが重要であることは万人の認めることである。ところが、コミュニケーションとは何かが意外と理解されていない。コミュニケーションには、進捗のように事実の伝達と、顧客とのコミュニケーションのように関係の構築に必要なコミュニケーションがある。

ところが、意外と重要視されていないのが、コミュニケーションの計画を作ることである。弊社発行のメールマガジンプロジェクトマネージャー養成マガジンと翔泳社の雑誌「PM Magazine」の共同企画のアンケートによると、60%のプロジェクトはコミュニケーション計画がないという驚くべき現状がわかっている。

コミュニケーションは必要であるが、計画されていないコミュニケーションは、逆効果をもたらすことがある。たとえば、プロジェクトに参加している開発メンバーと営業メンバーが顧客と個別にコミュニケーションをして、違った約束をしたために、情報が錯乱してしまった経験のある人は少なくないだろう。

もうひとつの例を挙げてみよう。コミュニケーションをしたかどうかを確認しなかったためにトラブルを起こすことも多い。たとえば、顧客とのコミュニケーションをしていると思い込んで話が進んでいたが、実は、誰もコミュニケーションをしていなかったといったケースだ。

これらこと自体がメンバー間のコミュニケーション不足だといえるわけだが、要するに、ルールがないとこういうことになるのだ。

このセミナーでは、このような認識の元に、如何にコミュニケーションのルールを作り、また、それを如何にレビューしていくかということを中心に、コミュニケーションをマネジメントする方法について解説する。

まず、プロジェクトの中で必要になるコミュニケーションの種類について整理する。ここで、想定しているのは、QCDに関するコミュニケーション、リスクに関するコミュニケーション、ステークホルダとのコミュニケーションなどである。

次にそれらについて、基本的にどのような点に留意してコミュニケーションのルールを作ればよいかを解説する。また、実際にコミュニケーションを実行しようとすると、何がしかのルールが必要になってくるが、そのツールの作成方法についても解説する。

最後に、コミュニケーションの中で、もっともプロジェクトの運命に重大な影響を与えるリスクコミュニケーションについて、その方法、考え方、ポイントなどについて深堀してみる。

このセミナーを通じて、計画的なコミュニケーションの重要性を理解し、明日から、プロジェクトのコミュニケーションが計画的になるようにしたい!

◆セミナーURL

プロジェクトを成功させるコミュニケーションマネジメント

http://www.pmos.jp/juku/regular/pmp-communication.html

by:プロジェクトマネジメントオフィス

2005年6月 7日 (火)

コラム「メンバーに役立つWBS入門(3)」

◆WBSによるセルフマネジメント

 今回は、成果を達成するために必要なメンバーのセルフマネジメントについて記述します。

プロジェクトにおいてメンバーが成果を達成するということは、担当する作業について求められる成果を時間通りに確実に達成することです。そのためには、次のようなことを考えながら、作業をする必要があります。

1.時間の使い方
2.作業の効率化
3.現状を正確に報告する
4.確実に達成するために自分の作業の中のリスクを管理する

WBS辞書には作成する成果物、必要な作業、見積り工数、開始予定日と完了予定日が記載されています。そこから、上記の1.2.3.を考えながら、自分の行うべき作業をブレークダウンしていきます。

それはまず作業の優先順位を考えるということで、しなくていい作業は行わないということです。そこで、通常は重要な作業は何かということを考え、優先順位をつけて作業に着手します。その重要な作業という判断の中に、今までずっと行っていたからとか、その後の流れが便利だからなど、慣習的に行っていることが含まれてしまうことが多々あるようです。

「劣後順位」という言葉をご存知でしょうか?

私は知人に薦められて「プロフェッショナルの条件(ドラッガー)」を読んで、初めて知り、大変、感銘を受けた言葉です。
まず自らがあげるべき成果を考えて、そのために、この作業は必要かどうかを自問します。

今まで重要な作業と思っていたことも、成果を達成するために必要な作業かどうかの自らの判断を行って、必要でなければ行わないという勇気が必要だとも書いてありました。

これからは、WBS辞書の内容から自分の行うべき作業をブレークダウンする際に、習慣的に行っている作業について、必要かどうかを自問してみましょう。

また、作業を効率よく行うためには、時間をまとめて集中することが第一です。ここで、まとまった時間とは、集中できる時間のことを意味し、1時間~2時間です。この時間で行う作業を決め、この時間で作業が終わったかどうかで「小さな成功、達成感を得る」ところから作業の効率化をはじめてみましょう。

このまとまった時間で行うべき作業ができたかどうかを積み重ねて、現状報告とします。

そして、WBS辞書に記載されています「予想されるリスク」については、そのリスクについて常に考えることで、リスクに対して敏感になり、リスクの発生をなるべく早く察知し、チームリーダーまたはプロジェクト・マネージャーに報告をし、相談をしながら対処することで、3.4.を実現していきます。

報告をする際には、メンバーは、必ずリスクに対する対処方法を考えておきます。
また、リスク計画があり、リスクの対処方法が決まっているのであれば、その対処方法によるリスクの解消度または影響度を担当するメンバーとして推察しておきます。
メンバーがリスク発生の現場に最も近いポイントにいるわけですから、リスクに対する情報を一番多く得ることができるはずです。
その情報と現場の人間としての判断を報告し、そして相談をすることで、より良い、より早いリスクに対する対処ができます。

そのためには、担当する作業において、どのようなリスクが予想されるか、それを早く察知するために何に注意すべきを理解しておく必要があります。

これらのことは作業を担当するメンバーにとって、今後の作業を進めるうえで、リスクの発生率が減少しないことはあっても増加することはありませんので、心がけておきましょう。「情けは人のためならず」ですね。

上記の点について、メンバーが考えることで作業はより良い成果を達成できると言えます。

◆関連セミナー
 WBSを使ったメンバーのセルフマネジメント
   ~プロジェクト計画を実行するメンバーシップ力の向上~
  http://www.pmos.jp/juku/membership/pmm-wbs.htm


上記セミナーは終了していますが、新しいパラダイムで次のセミナーを開催しています。

自己リーダシップによるプロジェクトマネジメント

2005年6月 3日 (金)

コラム「メンバーに役立つWBS入門(2)」

◆WBS(Work Breakdown Sructures)の作成方法

 今回はWBSの具体的な内容とそれがセルフマネジメントとどのように結びつくか
を解説します。

プロジェクト全体のWBSはプロジェクトマネジメントチームが作成し、メンバーが
直接関わることは多くはありません。
そして作成されたWBSにおいてメンバーに役割と責任が与えられ、作業を実行して
行くことになります。つまり、ワークパッケージまたはアクティビティに詳細化され
たあとで初めてメンバーはWBSと関わることになります。そこで、ワークパッケー
ジ作成またはアクティビティ遂行に責任を持つわけです。

WBSでは、通常、次のような要素成果物を考えて、分解・詳細化していきます。

1.プロダクトを分解
2.サービスを分解
3.プロジェクトの結果を分解
4.プロジェクト全体の横断的要素
5.プロジェクトマネジメント要素

しかし、メンバーにおいては、分解・詳細化の基準やそのレベルよりも、詳細化され
たWBSの項目(ワークパッケージ)の具体的な内容のほうが重要です。この内容の
ことをWBS辞書と呼びます。
つまり、プロジェクト全体のWBSの作成ができることよりも、担当部分のWBSを
全体と整合性を取りながら作成することが、メンバー力アップのためにはより重要に
なってきます。

◆WBS辞書に書かれる項目

どんな項目がWBS辞書に必要であるかはプロジェクトの種類や性格にもよりますが
、最低限、次の項目が必要です。

1.WBS項目番号
2.WBS項目名称
3.WBS項目の内容
4.必要なアクティビティ(作業内容)
5.作業に必要な成果物
6.見積り工数
7.開始予定日と完了予定日
8.担当者名
9.予想されるリスク

そして、プロジェクトにおいてメンバーが責任を持つということは、担当するWBS
項目について求められる成果を時間通りに確実に達成することです。つまり、担当す
る作業についてコミットすることを意味しています。

そのためにも、担当する作業のWBS部分を作成することによって、より、コミット
できるはずであり、それは担当する部分のWBS作成にメンバーが関わることによっ
て得ることのできる利点と言えるでしょう。

◆まとめ
今回(短期連載の第2回)は、WBSの内容とそれがセルフマネジメントとどのよう
に結びつくかを記述しました。
次回の最終回では、成果を達成するために必要なメンバーのセルフマネジメントにつ
いて紹介します。

最後に、この短期連載の内容について詳細に解説し、演習を行うWBSのセミナーを
紹介します。メンバー力アップにはうってつけのセミナーです。ふるってご参加くだ
さい。

◆関連セミナー

 WBSを使ったメンバーのセルフマネジメント
   ~プロジェクト計画を実行するメンバーシップ力の向上~

 http://www.pmos.jp/juku/membership/pmm-wbs.htm


上記セミナーは終了していますが、新しいパラダイムで次のセミナーを開催しています。

自己リーダシップによるプロジェクトマネジメント

2005年5月31日 (火)

ピーエムアタマを作る

メールマガジンをはじめてから知り合った人で、もう2年以上付き合っている人がいる(Aさんと呼ぼう)。あるメーカで技術系人材の人材育成を担当している人であるが、今のところ、会社としてのお付き合いはなく、個人的なお付き合いにとどまっている(この記事、読んでいたら、たまには仕事を依頼してください!;笑)。

こういうお付き合いがメルマガ開始後、3年間で40人くらいはできたと思う。その中でもAさんとは考え方がよく合う。組織文化のシャイン博士のいう「基本的仮定」のレベルで考え方が共有できているように思う。一言でいえば

「いくら手法を身につけても、そんなにすごいプロジェクトマネージャーは生まれない」

という点で価値観が一致している。プロジェクト手法や、ノウハウを否定しているのではない。これらはもちろん、大切である。問題はこれらに対して、パターンのようなものがどれだけ通用するかどうかである。

ちょっと話がそれるが、1年くらい前に、「ジアタマ」のよしあしが話題になったことがある(漢字では地頭と書く)。世の中で人間の頭の良さをいうのに、

 知識-思考力-パフォーマンス

というモデルが使われることがある。知識と思考力はわかると思う。パフォーマンスは、あまたの回転の速さとか、ひらめきの多様さとかをいう。

このモデルだと、ジアタマというのは思考力の部分が中核になる。もちろん、知識やパフォーマンスが不要ということではないが、中核になるのは思考力である。

このモデルが面白いのは、思考力というのは育てることができるからだ。つまり、ジアタマはよくすることができる。これが思考法ブームの正体だったという説がある。

さて、話がもとに戻るが、Aさんと僕の共通の認識は、プロジェクトマネージャーを育てるというのはジアタマの強い人材を育てることだということである。つまり、経験知のようなものを教え込むのではなく、プロジェクト、あるいはプロジェクトマネジメントの中でのクリティカルシンキングやシステムシンキングを具体的に教えるといったことが必要だということ。われわれはこれを、「ピーエムアタマ」と呼んでいた。

ここまではよいのだが、ご承知のように、今年度、うちで2本の新しいオープンセミナーを開発した。ひとつは、まさに、このジアタマ強化セミナーで

  ◆システム思考によるプロジェクト統合マネジメント
  日時:8月2~3日(終日)
  場所:ヴィラフォンテーヌコンファレンスセンター
  講師:好川哲人(プロジェクトマネジメントオフィス)
  参加料:84,000円(税込)
  詳細・お申込 http://www.pmos.jp/juku/regular/pmp-system.htm

である。これは、Aさんとの議論をきっかけに開発したセミナーである。しかし、もう1本の

  ◆プロジェクトを成功させる10のベストプラクティス
  日時:6月16~17日(終日)
  場所:ヴィラフォンテーヌコンファレンスセンター
  講師:好川哲人(プロジェクトマネジメントオフィス)
  参加料:94,500円(税込)
  詳細・お申込 http://www.pmos.jp/juku/regular/pmp-practice.htm

にAさんは異議を唱えてきた。なぜ、そんなセミナーをやるのか?と。いつも言っていることと違うのではないか?と。

このAさんの意見は、おそらく、ベストプラクティスというものに対する誤認であると思った。ベストプラクティスというのをノウハウとか、経験知という風に考えている人が多い。確かに、そういう側面があるのは事実だ。「こういうケースはこうやればうまくいった」というパターンに見えるからだ。しかし、ベストプラクティスというのは単なるノウハウではない。

世の中でよく、成功事例と失敗事例という並びで議論をすることがある。オブジェクト指向でいえば、パターンとアンチパターンである。ところが、よく考えてみると、この2つは似て非なるものである。失敗事例というのはまさに事例であり、知識である(失敗に学ぶというのはちょっと違うが)。ところが成功事例というのは知識ではない。

日本人は、「ちょっとでもよいところを取り入れられるとよい」という発想をする。これはこれで、向上心が強く、ポジティブだという意味ですばらしいことである。ところが、これで大やけどをすることがある。たとえば、こんな話に身に覚えはないだろうか?どこかで顧客の声に耳を傾けようという話を聞いてきた。なるほど、これは大切だと思う。偉いのは、ここから、さらに独自に研究し、よりよい取り組みをしようとする。その結果、顧客絶対主義とも呼ぶべき風潮がはびこったことがある。心当たりのある企業もあるのではなかろうか。

なぜ、こんなことが起こるか。成功を部分的に切り出しているからだ。いわゆるいいところ取り。しかし、トレードオフのある問題でそんなうまい話はあるはずがない。

つまり、成功事例というのはシステムであり、思考法なのである。システムとして、思考法を伴って切り出さなくてはならない。

ベストプラクティスというのも成功事例であるが、単に事実としての知識ではない。それを思考法に昇華したものだ。昇華する思考法としては、やはり、システム思考法が適切だろうと思うのだ。このセミナーはそういう意味でのプロジェクト思考法のセミナーである。半日のプロジェクト思考法セミナーでは、ものの考え方を議論している。しかし、ベストプラクティスのセミナーでは、プロジェクトマネジメントとしてそのような考え方をどのように展開していくかを議論している。

つまり、僕にしてみれば、ベストプラクティスのセミナーもピーエムアタマの強化セミナーということになるのだ。幸い、Aさんはこの説明で納得してくれた。

みなさんは如何でしょうか?

by 好川哲人

◆関連セミナーURL

プロジェクトを成功させる10のベストプラクティス

http://www.pmos.jp/juku/regular/pmp-practice.htm

2005年5月30日 (月)

コラム「プロジェクトマネジメントにおけるベストプラクティスとは(1)」

ベストプラクティスというのはよく分かったような、分からないような言葉である。プロジェクトマネジメント実行のベストプラクティスというと

 画期的な成果をあげたプロジェクトマネジメントプロセス
 プロジェクト業務推進の方法
 プロジェクトマネジメントノウハウ

といったものが思い浮かぶ。

では、なぜ、ベストプラクティスということを考えるのだろうか?理由は簡単。「答えがないから」である。「経営はこのようにすれば絶対に成功する」、「プロジェクトはこのようにすれば絶対に成功する」というのは考えにくい。ある方法をとって成功するかどうかは、ケースバイケースである。もっといえば、「成功」の定義そのものがケースバイケースである。

このような状況で考えることは何か?自分たちのやりたいことをうまくやっている事例を探してきて、分析し、そのやり方に学ぶということを誰もが考えるだろう。

さて、話をプロジェクトに絞ってみよう。「こうすればプロジェクトは絶対にうまく行く」といううまい話はない。したがって、上に述べたように、事例を探してくる。そのためには、まず、自分たちにとって何がベスト(成功)なのかということを決める必要がある。これもさまざまである。プロジェクト期間の短縮が成功である場合もあれば、品質向上が成功である場合もある。いずれにしても、成功の評価の指標と数値目標を決め、その目標を達成している事例を探す必要がある。そして、その事例の中から本質的な成功要因を抽出する。この成功要因をベストプラクティスという。自分たちと同じ条件での成功事例だと思っておけばよい。

そして、ベストプラクティス決まれば、それに対して、自分たちがどのようなレベルにあるかを判断し、ベストプラクティスとの差異を分析し、その差異を小さくする方法を検討する。このような一連のオペレーションをベンチマーキングと呼ぶ。

ここで考えなくてはならないことは、プロジェクトマネジメントのベストプラクティスの対象は何かという点だ。まず、プロジェクトマネジメントそのもののやり方が対象になる。プロジェクトマネジメントのやり方には

 ・プロセス
 ・マネジメント行動

の2つがある。

しかし、プロジェクトマネジメントのベストプラクティスはこれだけではない。これ以外にも

 ・マネジメントによるプロジェクトのサポート
 ・PMOによるプロジェクトマネジメントのサポート
 ・人材育成
 ・組織文化

などが大きな影響を持っていると思われる。

今回は、言葉の説明だけになったが、とりあえず、ここまで。

by 好川哲人

◆関連セミナーURL

プロジェクトを成功させる10のベストプラクティス

http://www.pmos.jp/juku/regular/pmp-practice.htm

2005年5月28日 (土)

セミナー「プロジェクトを成功させる10のベストプラクティス」

プロジェクトの目標とするQCDを達成し、プロジェクトを成功させるには、さまざまな視点からのマネジメントが必要になります。スコープのマネジメント、QCDのマネジメント以外にも、リスクのマネジメント、人のマネジメント、チームのマネジメント、調達のマネジメントなどです。プロジェクトをマネジメントするには、メインのマネジメントの流れを組み立てるスキルが必要であることはいうまでもありませんが、それだけでは不十分です。これらのマネジメントに対するベストプラクティス(もっとも優れたプロジェクトマネジメントの実践方法)をどれだけ知っているかが成功と失敗の分かれ道になります。

このセミナーでは、プロジェクトマネジメントオフィスが、エンジニアリング、製造業、IT、製薬などのさまざまな業種、商品開発、受託開発、研究開発、イベント、新規事業、ビジネスプロセス改革、コンサルティングなどさまざまな業務で蓄積してきたベストプラクティスの中から、重要だと考えるものを10個チョイスし、適用事例を紹介しながら、解説していきます。
ベストプラクティスの説明は、プロジェクトの立ち上げから、計画、コントロールといった時間の流れに従って、各局面でのベストプラクティスとして紹介していくため、自然に把握でき、また、セミナー終了後の適用もスムーズに行うことが期待できます。

さらに、演習として、いくつかのベストプラクティスに対してベンチマーキングをしてみます(注)。これにより、紹介されたベストプラクティスをセミナー終了後により適用するヒントを得ることができます。

注)ベンチマーキングとは、ひとことで言えば「ベストに学ぶ」ということです。ベスト・プラクティス(経営や業務において、もっとも優れた実践方法)を探し出して、自社のやり方とのギャップを分析してそのギャップを埋めていくためにプロセス変革を進める、という手法です。現行の業務を測定し、それをベスト企業の業務と比較する継続的プロセスであり、数値評価を行うことで、判断に客観性をもたせ、社員に具体的な目標を与えることができます。

◆セミナーURL

プロジェクトを成功させる10のベストプラクティス

http://www.pmos.jp/juku/regular/pmp-practice.htm

◆セミナー関連コラム

・プロジェクトマネジメントにおけるベストプラクティスとは(1)

https://mat.lekumo.biz/pmstyle/2005/05/post_3e71.html

・プロジェクトマネジメントとは(1)

https://mat.lekumo.biz/pmstyle/2005/05/post_6854.html

(by:プロジェクトマネジメントオフィス

セミナー「WBSを使ったメンバーのセルフマネジメント」

プロジェクトを計画するのはプロジェクトマネージャーやチームリーダーのプロジェクトマネジメントチームですが、その計画を実行するのはメンバーです。

プロジェクト成功には、メンバーがプロジェクト計画を理解し、確実に実行する力「メンバーシップ力」が必要です。

本セミナーでは、プロジェクトマネジメントの要であるWBSの有効利用によりメンバーシップ力の向上を目指します。

まず、担当分のWBSをプロジェクト全体のWBSと整合性を取りながら、メンバーがいかに作成するかを解説し、次に、WBSを使ってメンバーがすべきことを取り上げています。

それは、作業を実行するための、時間の使い方、作業の効率化、進捗報告、リスクに対する考え方です。メンバーのセルフマネジメントをこの4つの観点から行うことを提示します。

メンバーシップ力を向上させたい方のご参加をお待ちしています!!

◆セミナーURL

WBSを使ったメンバーのセルフマネジメント

http://www.pmos.jp/juku/membership/pmm-wbs.htm


上記セミナーは終了していますが、新しいパラダイムで次のセミナーを開催しています。

自己リーダシップによるプロジェクトマネジメント

セミナー「ITプロジェクトのリカバリーマネジメント」

プロジェクトの中でもとりわけリカバリーマネジメントの必要性が高いのが、SIプロジェクトに代表される、受注型のプロジェクトです。受注型のプロジェクトでは、プロジェクトの失敗は単に社内の問題にとどまらず、顧客との取引の中での「信用問題」になるという現実があります。一方で、トラブルが顧客に起因することも多く、トラブルの防止が難しい面があることも現実です。

このような現実の中で、最近、急速に注目を浴びるようになってきたのが、「リカバリーマネジメント」です。リカバリーマネジメントは、あまり、耳になじまない言葉ですが、要するにトラブルが発生した際に、仕切り直しをして、プロジェクトの納期、コストのダメージを最小にとどめるというマネジメントのことです。

一般的に、トラブルの際には、いくつか守るべき鉄則があります。しかし、何よりも大切なことは、トラブル対応であるということを明確に意識し、対処していくことです。プロジェクトを進めていくと、是正では対応できず、計画変更を余儀なくされる場合があります。そして、計画を変更しただけでは、プロジェクトの当初目標を達成できないケースがでてきます。これがトラブルです。

トラブルには、損失が伴います。したがって、いかにプロジェクトを完了まで持っていくかよりは、如何に損失の少ないゴールを設定し、そのゴールに向かって如何にプロジェクトを安定させるかに専心する必要があります。これがリカバリーマネジメントです。

これを通常のプロジェクトとして、単に計画変更だけで乗り切ろうとすると、傷をどんどん深くする場合が多く見受けられます。その意味で、プロジェクトを安定させる、つまり、傷を深めないようにすることが重要なのです。

今回のセミナーでは、IT系のプロジェクトに的と絞り、プロジェクトのリカバリーマネジメントについて、ポイント、事例、プロセス、計画について解説します。さらに、SIプロジェクトのリカバリーにおける状況評価、リカバリー計画の策定、リカバリーモードの完了評価について、演習を通じて学びます。

トラブルで手痛い経験のある方、ぜひ、ご参加ください!

◆セミナーURL

ITプロジェクトのリカバリーマネジメント

http://pmos.jp/pmstyle/seminar/it_project_recovery.html

by:プロジェクトマネジメントオフィス

コラム「プロジェクトマネジメントとは(3)」

ひとつは、どのような場面でどのようなマネジメント手法を繰り出すかをよく考える必要がある。この選別がうまくできないと、逆効果になることもある。例えば、どう考えても設定されている予算内で完了させるのが難しいプロジェクトの計画を作っている。このときに、安く調達するために綿密な調達マネジメントをするというのは、不適切だ。調達マネジメントにマネジメントコストをかけるのであれば、チームマネジメントに力を入れてチームの生産性を上げる方が筋である。こんな話だ。

さらに考えたいことは、そうは言いながらも、自分はどのようなマネジメント手法が得意かということをよく考える必要がある。例えば、上の例で交渉力に自身があれば、ステークホルダを口説き落とし、予算の増額を認めてもらうという選択もないわけではない。

それは極端な例だとしても、例えば、リスクマネジメントを重視し、リスクの発生を極力抑え、無駄なコスト発生を防止し、結果として予算を守るという考え方もあるだろう。

要するにこれが「スタイル」であるが、二つ目は特に前提条件、制約条件が厳しいプロジェクトに取り組むときには、自分のスタイルを確立し、自分の武器として磨き上げていくことが重要である。プロジェクトマネジメントの達人という人たちは、やはり、自分のスタイルを持っている。スタイルは磨き上げることによって、必殺技になるのだ。

スタイルを作り、磨き上げ、必殺技にするにはどうするか?まず、自分のスタイルをイメージする必要がある。その上で、そのスタイルを実行するには

 ・どのようなアビリティ(知識)
 ・どのようなコンピテンシー
 ・どのような行動規範

が必要かをよく考え、それを習得する必要がある。

ここでアビリティと言っているのは、主に知識で、WBSを作るとか、見積もりをするとか、PERTを使ってスケジュールを作るとかである。ところが、これだけでは実際のプロジェクトマネジメントには歯が立たない。自分のアビリティをどのように使うかを判断できないからだ。これがコンピテンシーである。コンピテンシーとは、状況を把握し、相手の期待にこたえる行動をする能力である。さらには、自分のプロジェクトマネージャーとしてのポリシーとしての行動規範を持つ必要がある。

この中で、アビリティは本を読んだり、研修を受けたりすることによって習得できる。しかし、コンピテンシーや行動規範を身に付けるには行動が必要だ。これについては次回。

by 好川哲人:Tetsuto Yoshikawa

◆関連セミナーURL

プロジェクトと成功させるリーダーのマインドとスキルを知る

http://www.pmos.jp/juku/regular/pmp-style.htm

プロジェクトを成功させる10のベストプラクティス

http://www.pmos.jp/juku/regular/pmp-practice.htm

◆関連コラム

・プロジェクトマネジメントとは(2)

https://mat.lekumo.biz/pmstyle/2005/05/post_7baf.html

コラム「プロジェクトマネジメントとは(2)」

前回、さまざまな問題が動く中で、QCDSの目標を達成するために管理だけではだめで、プロジェクトマネジメントが必要であるという話をした。今回はマネジメントとは何かという話から入りたい。

マネジメントの誤ったイメージとして、何か(課題)を実現したい時に魔法の杖のような手法があり、それをすればうまくいくというイメージがある。ボクシングでいえば、幻の右ストレートで一撃といったイメージである。これは誤解だ。

むしろ、課題を実現するために、手を変え、品を変え、何とかして課題を解決していくというイメージが適切だ。ボクシングでいえば、ジャブやストレートなどのいろいろなパンチを繰り出し、最後に相手を倒すというイメージである。

さて、マネジメントとは、さまざまなパンチで、QCDSを計画通りに持っていくことだと例えると、パンチに当たるのは何だろうか?

これがリスクマネジメントであり、調達マネジメントであり、コミュニケーションマネジメントなどのマネジメント手法である。また、チームマネジメントやステークホルダマネジメントも役立つだろう。

このようなハードなマネジメント手法だけではない。リーダーシップ、ネゴシエーション、メンタリングといったいわゆるヒューマンソフトマネジメントも大いに役立つ。

つまり、このようなさまざまなマネジメント手法、ソフトマネジメントを駆使して、いろいろな併せ技で目標とするQCDSを達成するのがプロジェクトマネジメントなのだ。つまり、パンチの種類を増やせば増やすほど、プロジェクトの成功の確率は高くなる。

ただし、ここで気に留めておきたいことが2つある。

◆関連セミナーURL

プロジェクトと成功させるリーダーのマインドとスキルを知る

http://www.pmos.jp/juku/regular/pmp-style.htm

プロジェクトを成功させる10のベストプラクティス

http://www.pmos.jp/juku/regular/pmp-practice.htm

◆関連コラム

・プロジェクトマネジメントとは(1)

https://mat.lekumo.biz/pmstyle/2005/05/post_6854.html

・プロジェクトマネジメントとは(3)

https://mat.lekumo.biz/pmstyle/2005/05/post_600f.html