PMstyle 2025年9月~12月Zoom公開セミナー(★:開催決定)

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2005年5月28日 (土)

コラム「プロジェクトマネジメントとは(1)」

プロジェクトマネージャー養成マガジンを発行しだして、3年になる。この前から時間を見て、過去の戦略ノートを読み返している。このメールマガジンでは戦略ノートがスタートであり、また、メインでもある。3年前の記事を読んでみて、論説の稚拙さを感じるものもあれば、大切なことを忘れていることに気づいてはっとするものもある。書いた本人がいうもの変だが、なかなか、興味深いものだ。

で、改めて気がついたのだが、プロジェクトマネジメントとは何かという議論を一度もしていないことに気がついた。昨日配信した戦略ノートもそのような気づきに基づいて書いたものである。

pm_learning_styleコラムとして何回かこの問題について考えてみたい。

プロジェクトは

 ・成果物とその品質

を定義し、その成果物を定められた

 ・スケジュール(納期)
 ・コスト(予算)

で生み出す活動である。いわゆるQCDSである。

これらに対しては、「管理」が行われる。つまり、計画(ベースライン)を作って、計画通りにプロジェクト作業を進めていく。これが「プロジェクト管理」である。

しかし、いくら計画を立てたところで、計画通りに成果物を実現できるという保証はない。
意外と認識されていないが、プロジェクトマネージャーには命令権がないのが普通である。平たく言えば、プロジェクトマネージャーはそれぞれの作業についてやってほしいとお願いはできても、やれと命令できない。基本的には指揮命令権はラインの権限であり、プロジェクトに命令権が必要だと考える組織はライン組織を使ってプロジェクトを実施するという形をとることが多い。

このように考えると、計画通りに実現できないと考える方が一般的である。ここが、プロジェクトマネジメントで現実を直視できていない部分であり、誤解でもある。

実現できない理由を考えてみるといろいろある。計画通りに要員が確保できない、プロジェクトを取り巻く環境が変わる、メンバーが自分の持つ力を最大限に発揮してくれない、予算が削られる、納期が前倒しになる、要求される成果物をはっきり決めれない、成果物の要求が変更になる、コミュニケーションに行き違いがある、調達先にちゃんとしたサービスや成果物を提供してもらえないなど、枚挙に暇がない。

このような要因を考えてみると、命令権をもって命令をしたところで、計画通りに実行できるものではないということはすぐにわかる。

そこで、さまざまな「計画」を達成できなくする要因がうごめく中で、なんとかして「計画」を実行し、成果物を達成するのが「マネジメント」である。したがって、QCDSが計画通りに達成できないケースが想定される場合には、管理だけではだめで、マネジメントが必要である。

by 好川哲人:Tetsuto Yoshikawa

◆関連セミナーURL

プロジェクトと成功させるリーダーのマインドとスキルを知る

http://www.pmos.jp/juku/regular/pmp-style.htm

プロジェクトを成功させる10のベストプラクティス

http://www.pmos.jp/juku/regular/pmp-practice.htm

◆関連コラム

・プロジェクトマネジメントとは(2)

https://mat.lekumo.biz/pmstyle/2005/05/post_7baf.html

コラム「型を持とう!」

最近、メルマガ読者の方や、クライアントさんから、よく聞かれるのが、なぜ、スタイルにこだわるのかということです。「pmstyle って何」とよく尋ねられるのです。

スタイルは日本語で言えば、「型」です。「型」といえば何を思い浮かべられるでしょうか?柔道、剣道などの武道には「型」があります。茶道や華道にも「型」があります。ビジネスにもこれらと同じ型があってよいだろうというのが、pmstyleの主張です。

「型があると何がよいのか」。ポイントはここです。

一言でいうと、

自分の型を持つことによって、その型にいろいろな自分の経験や気づきが信念となり、練りこまれていき、より強い型になっていく

これに尽きます。これは組織を見ているとよく分かります。トヨタ自動車がその代表ですが、成長、あるいは学習をしている組織は必ず自分たちの型があり、その型に新しい経験や英知を練りこんでいくことで成長や学習を繰り返しています。

個人においても全く同じことです。

ビジネス分野では、型という言葉からの連想は、「型にはまる」というのが強く、これは、限界的なイメージがあり、あまり良い印象がありません。ゆえに、「型破り」な人材が求められます。

しかし、型破りというのは型を持たないことを言っているわけではありません。型破りな人は、そのときに「自分を取り巻く社会や組織の型」と異なる「自分の型」を作っている人のことです。これは、最近、世の中をにぎわしているライブドアの堀江社長を見ているとよく分かります。非常に明確な「型」を持っている人です。

こういう人は、失敗しても動じません。変化があっても動じません。いといろなものが練りこまれた自分の型というのは強いものです。自分の型が確立されていると、その型で成功する方法、成功する分野を探していくという戦略が取れます。

私は仕事柄、多くのプロジェクトマネージャーとお会いしていますが、組織の中で評価されているプロジェクトマネージャーは必ずといってよいくらい「自分の型」を持っています。その型が組織の型と違っても日本の企業は許容するようです。この辺りが日本企業の強さ、日本人の強さかもしれません。欧米系の企業だと間違いなく、他へ言ってくれといわれるでしょう。だから、エントリーのところでお互いのスタイルをぶつけ合います。

型とは「規範」です。もし、プロジェクトマネージャーとしての自己実現を目指すキャリアを歩んでいこうと思うなら、必ず、自分の型(スタイル)を作り、そこに新たしく得た経験、知識、知見を練りこんでいくようにしたいものです。

by 好川哲人:Tetsuto Yoshikawa

◆関連セミナーURL

プロジェクトと成功させるリーダーのマインドとスキルを知る

http://www.pmos.jp/juku/regular/pmp-style.htm

2005年5月27日 (金)

ワークショップ「プロジェクトを成功させるリーダーのマインドとスキルを知る」

本講座は、pm_learning_styleのエントリーになる講座です。

pm_learning_styleでは、まず、本講座を受講し、自分自身のキャリアに対するスタンスを決定し、その上で、スキルアップを図っていくという流れになっています。

pm_learning_styleでは、プロジェクトマネージャーには、マインド、ハードスキル(テクニカルスキル)、ソフトスキル(ソフトマネジメントスキル)の3つの柱が必要だと考えています。

ハードスキルはPMBOKに代表されるプロジェクトマネジメントの手法やプロセスに関する知識です。ソフトスキルは、その知識の適用をスムーズに行えるためのヒューマンスキルや、ノウハウです。そして、マインドは、プロジェクトの目的を達成するための心構え、言い換えると目的意識です。

この3つは自転車に例えると

 ハードスキル=後輪
 ソフトスキル=前輪
 マインド=自転車に乗る人

という関係になります。どれが欠けても、自転車は前に進むことができません。

 プロジェクトマネジメントも同じで、単にKKD(勘・経験・度胸)だけではだめです。しっかりとした目的意識のもとで、体系化された知識を使って、経験に裏打ちされた判断や、ヒューマンソフトスキルを駆使して、初めてプロジェクトは成功します。

このセミナーでは、まず、皆様の現状のレベルを知って戴くためにスキルとコンピテンシーのアセスメントを行います。

そして、それを念頭におき、

  プロジェクトマネージャーが成功する法則―プロジェクトを牽引できるリーダーの心得とスキル

の著者である好川哲人が、この本をテキストに、プロジェクトマネジメントに必要なマインドやスキルを概観し、いかにプロジェクトや日常業務に取り組んでいけば、それらを身につくかをお話します。

その上で、皆様に自身のプロジェクトマネージャーとしてのビジョンを作っていただき、そのビジョンを実現するためのプランを作成していただきます。

◆セミナーURL

プロジェクトを成功させるリーダーのスキルとマインドを知る

http://www.pmos.jp/juku/regular/pmp-style.htm

(by:プロジェクトマネジメントオフィス

コラム「メンバーに役立つWBS入門(1)」

◆WBS(Work Breakdown Sructures)って何??

今回から3回連載でプロジェクト計画の中で中心的な役割を果たすWBSを取りあげ、プロジェクトマネジメントではなく、各メンバーがプロジェクトの中で、自分の作業管理にどのように使っていくかを考えてみたいと思います。

まず、今回は、WBSとは何かをもう一度、復習してみましよう。

WBSは、一言でいうと、プロジェクトの目的達成に必要な作業を定義するためのツール、作成は、次の4ステップです。

1.プロジェクトの目的を決める

2.プロジェクトで作成するプロダクト、サービス、結果などの成果物を具体的に決
める

3.要素成果物や中間成果物、全成果物に共通する横断的な作業項目をモレなく特定
する

4.2.と3.の項目を分解し、計画やコントロールに適切な大きさになるまで分解
を続ける

4.の分解された最後の項目をワークパッケージと呼びます。

そしてここでのポイントは、WBSの各要素は名詞と修飾語で表現するということです。
ワークパッケージまで分解しましたら、その後にそのワークパッケージをアクティビティと呼ばれる作業レベルに分解します。アクティビティは「~を行う」というように動詞を使用します。

例えば、ソフトウェアプロジェクトのWBSは次のようになります。

ソフトウェア--プロジェクトマネジメント
プロジェクト |-システム分析
       |-ソフトウェアシステム--モジュール1-コーディング
       |            |       |-テスト
       |            |-モジュール2-コーディング
       |            |       |-テスト
       |            |-システムテスト
       |-ユーザマニュアル
       |-トレーニング教材

作成したWBSは、要員調達、予算作成、スコープの説明などプロジェクトのあらゆ
る場面で使用され、メンバの役割と責任はワークパッケージもしくは、アクティビテ
ィ単位に割り振られます。

このように、WBSはプロジェクトの全体像を示す地図の役割を果たしますが、具体
的な内容については次回に行います。

最後に、この短期連載の内容について詳細に解説し、演習を行うセミナーをご紹介し
ます。メンバー力アップにはうってつけのセミナーです。ふるってご参加ください。

◆関連セミナー

 WBSを使ったメンバーのセルフマネジメント
   ~プロジェクト計画を実行するメンバーシップ力の向上~

 http://www.pmos.jp/juku/membership/pmm-wbs.htm


上記セミナーは終了していますが、新しいパラダイムで次のセミナーを開催しています。

自己リーダシップによるプロジェクトマネジメント

2005年5月25日 (水)

ワークショップ「PMコンピテンシー強化術~プロジェクトマネジメントを成功させる7つの習慣」

プロジェクトマネジメントの成功は、PMコンピテンシーにかかっています。

いくら、手法やツールに対する知識を身につけたとしても、それをプロジェクトの困難に直面する中で、それらを使いこなしていくPMコンピテンシーがないと、宝の持ち腐れになります。

このセミナーでは、PMコンピテンシーを高めて、プロジェクトマネジメントを成功させるために身につけたい7つの習慣について述べ、それらを習慣化するためのコツを伝授します。

7つの習慣とは

 1.目的を意識する
 2.リスクを楽しむ
 3.改善を心がける
 4.顧客の立場で考える
 5.主体性を発揮する
 6.分類を意識する
 7.自分の行動を客観的に見る

の7つです。

このセミナーでは、プロジェクトマネジメントの成功という観点から、これらの習慣がなぜ必要か、そして、これらを習慣として自然に実行ようになるにはどうすればよいかを解説します。また、短時間のワークショップでセルフコーチングのツールを作成し、セミナーが終わったのちにそのツールを使って習慣化に取り組めるようにします。その取り組みは単に習慣化というだけなく、そのときに行っているプロジェクトのマネジメントを成功させるでしょう!

また、PMコンピテンシーはプロジェクトマネジメントの中で身につけていくものとは限りません。むしろ、プロジェクトマネージャーとなる前に身につけておきたいもので、それはプロジェクトメンバーとしての活動の中でも工夫次第でいくらでも身につけることができるものです。将来プロジェクトマネジメントに携わる人にも、ぜひ、将来のために、PMコンピテンシーの獲得に取り組むきっかけとして、セミナーへの参加をお待ちしています。

◆セミナー詳細URL

PMコンピテンシー強化術~プロジェクトマネジメントを成功させる7つの習慣

http://www.pmos.jp/juku/regular/pmp-comptency.html

(by:プロジェクトマネジメントオフィス

2005年5月24日 (火)

セミナー「プロジェクト思考を極める!」

プロジェクト思考とは、プロジェクトマネジメントを進めていくために必須の作法です。魅力のあるビジョニングをする、競争力のあるコンセプトを作る、コンセプトを創造的に実現する、実行しやすい計画を作る、デッドラインを死守する、リスクを管理をする、創発的なチームを作る、などさまざまな要素があります。

ITやプラントエンジニアリング、建設プロジェクトなどでは、比較的PMBOKなどの手法が大切な役割を果たします。これはものづくりが絡んでくるために、プロジェクトとしての自由度が小さく、プロセスをきちんとすれば、何とかなるといった一面があるためです。

これに対して、これに対して、イベントプロモーション、商品開発、マネジメント革新、コンサルティング、新規事業、企業、研究開発といったソフトプロジェクトでは、プロセスを決めること自体が難しく、局面ごとでプロジェクトマネージャーを中心として、プロジェクトとしてどのような判断をできるかに成果が決まってくるという傾向があります。その局面で、中核になるものの考え方、あるいは、思考法がプロジェクト思考です。

さらに、個人の仕事術という面から考えると、個人がプロフェッショナルとしてより高い成果を上げていくためには、プロジェクト思考により、成果を上げるために最適な意思決定をしていくというのが不可欠です。

今回のセミナーでは、プロジェクト思考とは何かを概観するとともに、その中の主要な要素を取り上げ、その思考法について例を使いながら説明して行きます。

◆セミナーURL

プロジェクト思考を極める!

http://www.pmos.jp/juku/regular/pmp-pmthinking.htm

(by:プロジェクトマネジメントオフィス