【コンセプチュアルスタイル考】第57話:コンセプチュアルリーダーのスキルと行動
◆コンセプチュアル思考、コンセプチュアルスキル、コンセプチュアルリーダー
PMstyleでは、2021年4月からコンセプチュアルリーダー塾を設立し、コンセプチュアルリーダーを育成する活動に取り組んでいます。コンセプチュアルリーダーは一言でいえば、
「コンセプチュアルスキルを活用して、センスのよい成果を上げる人材」
のことです。
コンセプチュアルスタイル考にコンセプチュアルリーダーについて本格的に書くのは初めてになりますので、最初に簡単に、コンセプチュアルという概念の整理をしておきたいと思います。
まず、コンセプチュアルスキルは、コンセプチュアル思考で実現されるスキルだと考えています。コンセプチュアル思考は、
・大局/分析
・抽象/具象
・直観/論理
・主観/客観
・長期/短期
の5つの軸を使いながら、概念の世界(大局、抽象など右側)と形象の世界(分析、具象など左側)を行き来する思考法です。もっとも普及しているのは、抽象と具象の軸の行き来で、例えば、抽象的に機能を考え、それを具体化し、さらに、その具体から抽象的な機能を見直すといった行き来で考えることによって、同じ(概念)アイデアから、全く異なる製品(形象)が生まれてイノベーションを起こすといったものです。
詳しく知りたい方は、好川哲人の「コンセプチュアル思考」という本を読んでみてください。
好川 哲人「コンセプチュアル思考」、 日本経済新聞出版社(2017)
https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4532320623/opc-22/ref=nosim
コンセプチュアルスキルは、一般には、
「周囲で起こっている事柄や状況を構造的、概念的に捉え、事柄や問題の本質を見極めるスキル」
という意味で使われます。具体的なスキルとしては、例えば、問題解決や意思決定のスキルがあります。
ポイントは本質を見極めて本質的な問題を解決することや、本質を押さえた適切な意思決定をすることです。問題解決や意思決定をしても本質からずれたものであれば、それがコンセプチュアルスキルとは言えません。
PMstyleでは、コンセプチュアルスキルを使ってこのような活動をした結果、成果に付与される要件をセンスだと考えています。つまり、コンセプチュアルスキルと呼べるクオリティの活動をすることによって、センスのよい成果が得られるわけです。
そして、本質を見極める際に役立つのが、コンセプチュアル思考です。
このように考えていくと、コンセプチュアルスキルを活用した活動をするということは、コンセプチュアル思考を使いこなし、本質を見極めた上で、本質を踏まえてさまざまな活動をしていくことに他なりません。このような活動をするのがコンセプチュアルリーダーです。
ちなみに、コンセプチュアルリーダーが集まって作るチームや組織をコンセプチュアルな組織と呼んでいますので、こちらも覚えておいて頂ければと思います。