【PMstyleコラム】3,000人が実施しているPMstyleコンセプチュアルスキル診断
PMstyleコンセプチュアルスキル診断について共有しておきたことがあり、コラムを書きました。
・主観的/客観的 のバランス
・直観的/論理的 のバランス
・大局的/分析的 のバランス
・長期的/短期的 のバランス
・計画
・問題解決
・意思決定
・対人
日経ビジネスオンラインにジャーナリストの林信夫さんがアップルのジョナサン・アイブのインタビューを元に、デザインについていろいろと想いを書かれている記事が掲載されている。
「なぜ日本メーカーはアップルになれないのか デザインを殺すシステム、もう捨て去る時だ」
その2月18日の記事に、深澤直人さんの指摘が紹介されている。深澤さんは、アイブと一緒に、「20th Anniversary Mac」のデザインを手がけた日本で数本の指に入るデザイナーだが、この指摘が非常に重要なので、意見を書いてみたい。
深澤さんの指摘とは、日本のインハウスデザイナーの仕事の仕方に対するもので、
「自ら何かを考え出さなくてもいい立場で、事業部が開発した技術などに対して最終的にデザインを『施す』ということが多い。つまり、プロジェクトを自ら作るのではなく、途中から参加するといった感じでしょうか。そこから発想できることは、非常に限られています」
だと指摘している。そして、
「そういうしがらみや決められたシステムがあるから、デザイナーにそんな力がなくても、システムに乗ってしまえば、ある程度の仕事ができる」
という。まさに、ここが大問題である。
ソフトウエアというと多くの人はコンピュータ上で動作するソフトウエアを思い浮かべると思う。ただ、ソフトウエアの現代的な定義はさまざまで、日経BP社の日経BPイノベーションICT研究所の谷島宣之上席研究員は
「ソフトウエア、それが問題だ ~ Software matters」
という記事の中で、ソフトウエアの定義について狭義にはコンピュータのソフトウエアだとした上で、
「ソフトウエアはハードウエア以外の何かに対しても使われるようになった。例えば政治体制、軍事、何らかの国際取引を利用するための規則、手順、方法、教育などがソフトウエアに該当する。政治体制、軍事、取引といった仕組みや組織、制度がハードウエアのような位置付けになり、それらを使いこなすために必要な諸々がソフトウエアということになる。」
と述べている。
もう一つ重要な例を挙げよう。最近のビジネスでは製品の機能や性能は訴求点にはならず、問題はその製品でユーザにどういう体験を与えることができるかだと認識されるようになってきた。
この場合、製品はハードウエア、体験がソフトウエアという位置づけになっている。たとえ、その製品がコンピューター上のソフトウエアであったとしてもだ。
このようにソフトウエアとハードウエアは相対的なものであるというところが現代においてソフトウエアを語る際の一つのポイントである。
このような認識は非常に大切である。谷島さんはソフトウエアには広義と狭義があり、狭義のソフトウエアは「コンピューターソフトウエア」と呼ぼうといっている。
12月12日の日経ビジネスオンラインの連載「フェルディナント・ヤマグチの走りながら考える」に台湾「LUXGEN」の責任者に就任した水野和敏さんへのインタビュー記事が取り上げられていました。
緊急速報!GT-R水野和敏氏が台湾自動車メーカーに!【番外編】水野和敏氏インタビュー・前編
水野氏、台湾「LUXGEN」の開発責任者に【番外編】水野和敏氏インタビュー・後編
このインタビューがとても興味深いものだったので、水野さんの発言を引用しながらコメントしたいと思います。
このところ、コンセプチュアルスキルという言葉が少しだけ浸透してきたような気がしています。
ロバーツ・カッツというハーバード大学の先生がマネジャーに必要なスキルとしてConceptual Skillを提唱したのが1955年です。
その後、日本でもこの概念は注目され、「概念化スキル」、「概念化能力」といった名で導入されるようになりました。僕が会社に入ったときには、概念化能力は将来に向けて身につけてほしいスキルの一つに入っていました。
とはいっても、日本は現場・現物の国で、かつ、時代的にはキャッチアップの時代だったため、物や仕組みをまねて改善すれば十分で、概念はあまり重視されず、能力開発も行われないままでした。
スマホの競争が面白くなってきました。ついにサムスンがフルメタルユニボディのスマホを発表。デザインもスタイリッシュですが、これを機能的にはスペックダウンさせたバージョンで価格帯はフラグシップモデルの半分くらいとのことです。
「サムスン、薄型スリムボディの「GALAXY A」シリーズ発表」
http://www.rbbtoday.com/article/2014/10/31/125015.html
ターゲットは、今では世界第3位のメーカーとなったXiaomiがトップシェアを持っている中国市場で、最初に中国に投入するそうです。
一方で、同じ日にソニーは中国向けのスマホの開発中止を発表しました。事業の赤字縮小のための措置だそうです。
「ソニー、中国向けスマホ開発を中止へ--最終赤字1091億円」
http://japan.cnet.com/news/business/35055991/
この2つのニュースを読んでサムスンとソニーの違いは開発力の違いではないかと思いました。
■技術力とは
技術力とは何でしょうか?
スキルとは何かと考えたとき、マネジメントは考えること、エンジニアリングはいろいろなことを知っていることが一般的な認識だと思います。
それゆえに、エンジニアがマネジャーになると、同じ流儀でやろうとして、いろいろな知識を集めようとしますが、エンジニアリングのようにこれが正解という知識がないので、なかなか行動できない。これが、エンジニアからマネジャーへの「キャリア・トランジション」の問題です。
ここで言いたいことは、トランジションの問題に関係しますが、トランジションの問題ではなく、そもそも、この問題の本質はエンジニアの時代にあるのではないかということです。特に技術力のとらえ方にあるように思えます。