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2021年5月 6日 (木)

【マネジメントスタイル:雑談13】障害物を取り除き、ハードルを下げることで、人々の行動を促す~カタリストのすすめ

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Catalyst1

◆カタリストが変化を加速する

この5年くらい、組織変革が注目されるようになり、取り組みの報告などを目にする機会が増えてきました。多くの人や組織が変わりたいと語る中で、もっとも感じるのは、うまく行くかどうかは別にして、成果が見られるには時間がかかることです。

人の変化にも時間がかかりますが、組織が変わるのはその時間が指数関数的に増えていくので、当然といえば当然です。

この変化のスピードの問題に対して、面白い考え方があります。それは、

「触媒(カタリスト)」

が必要だというものです。

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2021年3月22日 (月)

【マネジメントスタイル:雑談12】リーダーシップか、マネジメントか

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Leadership5

◆はじめに

日本企業は改善活動が得意であり、競争優位の理由の一つであると多くの人が考えています。一方で、欧米、中国といった先進国が成長している中で、日本だけは成長が停滞しているという現実があります。

この問題について、目に見える問題現象を解決していく改善という活動に焦点を当てて、その利害を考えるとともに、VUCAの時代に対応するポイント点としてリーダーシップとマネジメントという視点から考えてみたいと思います。


◆「目に見える問題」だけに対処する限界

日本のコロナ対応をみていて改めて認識させられるのは、「目に見えている」問題の解決を繰り返していけば、いつかは真の原因にたどり着き、問題全体を解決できるという信念があることです。

直近で言えば、夜の飲食が感染源になっていることを発見し、飲食施設の営業時間に制限を加え、感染者数を一桁減らしました。しかし、現時点では下げ止まりをしており、リバウンドが始まったという状況です。

感染者の減少が止まったのは、よく言われるように飲食の制限だけでは効果に限界があるということなのでしょうが、飲食施設を応対のターゲットにしたのは。見えている範囲でもっとも大きな問題だと認識しているためでしょう。考えてみればこれまでもクラスターが生まれた高齢者施設、夜の街、劇場などに的を絞り、検査をして、感染者を減らすということを繰り返してきました。

このように「目に見える」範囲で類似施設を対策するだけでは、なかなか、根本的に感染を無くすのは難しいというのが現状だと思われます。

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2020年12月28日 (月)

【マネジメントスタイル:雑談11】ミドルアップダウンで組織文化を構築する

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◆ミドルトップダウンとは

著者がミドルアップダウンという言葉は初めて耳にしたのは、1994年くらいでした。情報源は金井壽宏先生、米倉誠一郎先生、沼上 幹先生という日本の経営学を作られた3人の先生の書かれた「創造するミドル」(有斐閣、1994)という本だったように思います。

この本は、バブル崩壊で疲れたミドルマネジャーに励ましのメッセージを送るために書かれた本で、創造的な活動をしているミドルへのインタビューが詳細に紹介されています。

この中で、創造するミドルに共通しているのは、

・会社の今に「主体的な危機感」を持っている
・動機に重なる「原体験」を持っている
・想いや行動に共感した「仲間(時に上司)」ができる

の3つだとしています。こういうスタイルのマネジメントがミドルトップダウンだとも言えますし、もう少し一般的に言えば、ミドルトップダウンとは、

トップと一般社員の中間に位置するミドルが主体的に動き、第一線で働く現場の声を吸い上げて経営に提言したり、経営者が発信しているメッセージをわかりやすく一般社員に伝えたりする役割を担うことによって経営成果を高めていこうとするマネジメント方式

だということができます。

当時は、日本ではボトムアップスタイルが主流で、経営より現場の方が強く、その中で業績のよい組織はボトムアップにミドルが巧みに絡んでいたので当たり前のような気がしていましたが、その後、特にグローバル化と、企業ガバナンスの強化とともに日本の経営もトップダウン経営になっていきました。

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2020年12月16日 (水)

【マネジメントスタイル:雑談10】組織文化変革のエンジンとしての「組織学習」

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Learning2

◆組織文化を変えるエンジン「組織学習」

これまで3回にわたって、組織文化について書いてきましたが、

「で、結局、どうすれば組織文化は変わるの?」

という疑問を持たれた方も多いと思います。これについては、エドガー・シャイン先生の

「組織文化は、リーダーによって創造され、そしてリーダーシップの最も決定的な機能の一つが文化の創造であり、文化の管理であり、文化の破壊である」

という指摘に従い、noteで

「組織文化とリーダーシップ」
https://note.com/ppf/m/m82cad02a69a0

という連載を始め、リーダーを中心にしてどのように取り組んでいくかをじっくりとお話していく予定です。すでに第1回は公開していますので、是非お読みください。

「第1回 ルールから組織文化へ」
https://note.com/ppf/n/n2d88f0756554

今回は組織文化の変革の背後にある一つの概念を紹介しておきたいと思います。それは、

「組織学習」

という概念です。簡単にいえば、組織文化の構築や変革は、組織学習を経て実現されると考えられるからです。いわば、組織文化を変えるエンジンになるのが組織学習です。

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2020年11月25日 (水)

【マネジメントスタイル:雑談9】組織文化について考える(3)~組織文化を変革する

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「組織文化について考える」のバックナンバーはこちら
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◆はじめに

前回は、シャインの3レベルの組織文化のモデルを説明して、シャインが行ったDEC社のケーススタディの例を紹介しました。シャインの組織文化のポイントが、人工の産物(レベル1)と信奉されている価値観(レベル2)のベースにある基本的仮定(レベル3)であることは理解いただけたかと思います。

シャインはこの基本的仮定(前提認識)について、

・外的適用に関する前提認識
・内部的統合のマネジメントに関する前提認識
・深いところの文化の前提認識

の3つに分け、それぞれについて詳細に分析しています。これらについては、この記事では深掘りせず、基本的仮定として一括りに考えますが、、新しく始めた連載

「組織文化とリーダーシップ」
https://note.com/ppf/m/m82cad02a69a0

で紹介したいと思います。

ここでは、組織文化の話題の最後として、どのように組織文化を変革していくのかを簡単に説明し、新連載につないでいきたいと思います。

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2020年11月11日 (水)

【マネジメントスタイル:雑談8】組織文化について考える(2)~組織文化の3つのレベル

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Culture3◆組織文化の本質は基本的仮定

前回、シャインの組織文化論の入り口として、3つのレベル、すなわち

レベル1:人工的に創造されたもの(artifact)
レベル2:信条と価値観(espoused belief and values)
レベル3:基本的仮定(assumption)

を紹介しました。前回は英語は紹介していませんが、「組織文化とリーダーシップ」(ダイヤモンド社、白桃書房)の翻訳とは少し表現が異なりますので、念のために英語も併記しておきます。

assumtionを基本的仮定としているのは違和感がある人がいるかもしれませんが、違和感があれば「前提条件」と読み替えてください。ただし、シャインの言うassumptionとは、一般的な意味での前提条件ではなく、組織の中で基本的な深いところに保たれている前提条件であることには注意しておいてください。

さて、この3つのレベルは相互関係があるというのは前回説明した通りですが、シャインの組織文化の本質は三番目の基本的仮定にあります。違う言い方をすると、意識されることなく当然のものとして抱いている信条や価値観です。

基本的仮定は、組織において、問題に対する解決策が繰り返し成功を収め、それが当然のこととして認められるようになってきたものです。これは、直感や価値観によってのみ支持されていた仮説が次第に現実のものとして認められるようになったことを意味しています。

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2020年10月12日 (月)

【マネジメントスタイル:雑談7】組織文化について考える(1)~なぜ組織文化が重要か

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Culture2

◆組織文化の歴史
 
米国で組織文化が注目されるようになったのは、トム・ピーターズの「エクセレント・カンパニー」とテレンス・ディールとアラン・ケネディの共著「シンボリック・マネージャー」の2冊の書籍の影響が大きいと言われています。

トム・ピーターズは、「エクセレント・カンパニー」において、持続的成功の推進力は強い組織文化だとし、組織文化の強い企業をピックアップし、文化の構築の方法を整理しました。

また、テレンス・ディールとアラン・ケネディは「シンボリックマネジャー」において、「企業文化とは、職務分掌や業務規定、就業規則などのように必ずしも明文化されたものではないが、企業の行動の価値観を支配し、従業員の行動指針となっている」とし、企業文化は、社是、社訓、社長方針などではなく、誰を出世させ、誰をマネジャーにするかで決まると指摘したうえで、このようなマネジャーをシンボリックマネジャーと名付けました。

その後、組織文化研究の第一人者であるエドガー・シャインが、長年の研究をまとめた

「Organizational Culture and Leadership
                 (邦訳:組織文化とリーダーシップ)」

を発表し、米国では組織文化は多くの企業やマネジャーが取り組むテーマになってきました。また、経営学の中でも組織文化は一つのテーマとして扱われるようになりました。

ところが日本では、ちょっと事情が違いました。神戸大学の金井壽宏先生のように1990年代からこのテーマに取り組む先進的な研究者はいましたが、全体的にはあまり関心がもたれませんでした。エドガー・シャインの知見である、組織文化とリーダーシップの相互関係の中で、リーダーシップは一般的な概念になってきたのに較べるとある意味不思議です。

その原因はやはり、日本の組織の一様性にあるのではないかと思います。組織が一様であれば、行動のレベルで協調がとれ、リーダーは必要だが、組織文化はあまり意識する必要がないからです。あとでも述べますが、むしろ、組織文化は行動の結果としてついてくるような感じだったように思います。つまり、経験論であり、マネジメントの対象ではなかったわけです。

しかし、日本でも多様性のある組織が意識されるようになり、さらにこれからのVUCAの時代には組織の一様性は崩れ去ります。そのため、マネジメントの中心の一つとして組織文化の構築について考えざるを得ないような時代が来たといえます。

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2020年9月24日 (木)

【マネジメントスタイル:雑談6】全員がリーダーシップを持つ~VUCA時代のリーダーシップ

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◆全員リーダーシップという考え方

Leadership


リーダーシップといえばチームの1人のリーダーが突出し、チームを引っ張っていくというスタイルを思い浮べる人が多いと思います。また特にチームが大きい場合や組織の場合、1人ではなく、2~3人の人がリーダーシップを持つことが望ましいという考え方もあります。

これに対して、チームの中の特定の人がリーダーシップを持つのではなく、全員が持つ必要があるものだという考え方があります。この記事では、このような考え方を全員リーダーシップと呼ぶことにします。

著者が最初にこういう考え方を知ったのはジョン・R・ カッツェンバックの著書

「「高業績チーム」の知恵―企業を革新する自己実現型組織」、ダイヤモンド社(1994)
https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4478430098/opc-22/ref=nosim

を読んだときでした。

この本は、リーダーシップ分野のグルの一人であるジョン・R・ カッツェンバック死が、マッキンゼーにおける経験をまとめたもので、グループとチームは異なり、高業績チームを作るには、すべてのメンバーがリーダーシップを持つことが重要だというポイントがあります。

この本を読んだのは1995年でしたので、日本ではリーダーシップという言葉があまり知られておらず、また、世界的に見てもリーダーシップはカリスマリーダーが持つものだというイメージがありました。この中でカッツェンバックの主張に非常に刺激を受けた覚えがあります。その後、プロジェクトマネジメントに関わるようになって、少なくともプロジェクトにおけるリーダーシップは全員リーダーシップでなくてはだめだと思うようになりました。

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2020年9月 8日 (火)

【マネジメントスタイル:雑談5】VUCAの時代の「新・現場主義」~自律分散型組織をつくる

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◆はじめに

現場主義は戦後の日本の高度成長の源泉だったということに異議がある人は少ないでしょう。一方で、今、日本の成長が止まっている原因になっているのが現場主義だと考えている人も少なくないと思います。

今回は、なぜこうなったのか、そしてVUCAというパラダイムシフトの中で、これからどうすべきなのかを考えてみたいと思います。

結論だけ書いておきますと、VUCAの時代に必要なのは今では私語になりつつある、現場主義です。ただし、従来の現場主義ではなく、新しい現場主義だというのがこの記事で言いたいことです。


◆日本の現場主義

戦後の大量生産の時代の競争力の源泉は事業による利益でした。そして、それを実現していたのは、経営(者)でした。

単純にいえば、企業は新しい製品を考え、生産のための設備投資し、製品を生産し、販売して利益を出し、それを活用して設備を拡充し、生産量を増やすことによってコストを下げ、製品価格を下げることによって売り上げを増やし、利益を増やすというモデルでした。このサイクルを繰り返し、企業は競争力を高め、成長していきます。

またこの延長線上で、利益を全く新規の製品の開発に活用し、新しいコンセプトの製品を作りました。これにより、製品ラインナップを充実させるとともにブランドができ、競争力を高めてきました。

この世界的な流れに楔を打ったのが、日本の現場でした。

日本の現場は製品の新規性ではなく、コストを下げることと品質を向上させることの両立で競争力を持つことを考えました。簡単にいえば、製品コンセプトとのもはいわゆる先進国で開発されたものを真似て、生産方法に工夫を加えることによって、より安いコストでより高い品質の製品をで作るというチャレンジに成功し、高度成長を成し遂げました。

ここで注目すべきは、加工方法やプロセスの工夫をしたのは経営スタッフではなく、現場で働く人だったことです。現場を徹底的に教育し、育て、コストを下げ、品質を高めるための工夫をする意識づけをしました。いわゆる改善活動と呼ばれるものです。

最大の日本企業であるトヨタが改善の繰り返しによって成長してきたことは注目に値します。一方で、もともと改善は新しいコンセプトの製品を生み出そうという活動ではなかったことに注意をしておく必要があります。

従来の現場はこのような活動をしていたわけですが、その背景には欧米ではできなかった現場への権限移譲があります。生産方法を現場で工夫するために、現場がある程度自律的に活動できるように現場の監督者に大きな権限を委譲し、現場を動かしていました。これが日本企業の現場主義です。

余談になりますが、日本は海外進出するときにこのような権限移譲を現地に導入しようとしますが、欧米ではほとんど失敗しています。欧米では経営と現場の立場の違いを明確にしているため、思った以上に現場への権限移譲という壁が大きかったためです。

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2020年8月25日 (火)

【マネジメントスタイル:雑談4】VUCAの時代には問題解決より問題発見が重要である

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◆VUCAにおけるAIと人間の役割分担

Mondaihakkenこの1年間くらい、ずいぶんVUCAの中での思考や意思決定、行動についていろいろと書いてきました。

VUCAの議論を熱心にしている背景にはAIの普及があります。VUCAとAIになんの関係があるのかと思う人もいると思いますが、要するにVUCAの時代には今のところAIではできず、人間がすべきことが活動の中心になると思われます。VUCAの時代に生き延びるには、AIの得意とする領域で活動を守るのではなく、AIに任せることは任せて、人間にしかできないことを人間が行う形で協調することが必要だと考えています。

これは問題解決の視点から見れば分かりやすいと思います。

ビジネスの基本は広い意味での問題解決です。何をつくって、どう売っていくかはすべて広い意味での問題解決です。では問題解決とは何か。まず、イノベーションを考えることによってこの問題を考えてみたいと思います。

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