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2005年5月28日 (土)

コラム「プロジェクトマネジメントとは(3)」

ひとつは、どのような場面でどのようなマネジメント手法を繰り出すかをよく考える必要がある。この選別がうまくできないと、逆効果になることもある。例えば、どう考えても設定されている予算内で完了させるのが難しいプロジェクトの計画を作っている。このときに、安く調達するために綿密な調達マネジメントをするというのは、不適切だ。調達マネジメントにマネジメントコストをかけるのであれば、チームマネジメントに力を入れてチームの生産性を上げる方が筋である。こんな話だ。

さらに考えたいことは、そうは言いながらも、自分はどのようなマネジメント手法が得意かということをよく考える必要がある。例えば、上の例で交渉力に自身があれば、ステークホルダを口説き落とし、予算の増額を認めてもらうという選択もないわけではない。

それは極端な例だとしても、例えば、リスクマネジメントを重視し、リスクの発生を極力抑え、無駄なコスト発生を防止し、結果として予算を守るという考え方もあるだろう。

要するにこれが「スタイル」であるが、二つ目は特に前提条件、制約条件が厳しいプロジェクトに取り組むときには、自分のスタイルを確立し、自分の武器として磨き上げていくことが重要である。プロジェクトマネジメントの達人という人たちは、やはり、自分のスタイルを持っている。スタイルは磨き上げることによって、必殺技になるのだ。

スタイルを作り、磨き上げ、必殺技にするにはどうするか?まず、自分のスタイルをイメージする必要がある。その上で、そのスタイルを実行するには

 ・どのようなアビリティ(知識)
 ・どのようなコンピテンシー
 ・どのような行動規範

が必要かをよく考え、それを習得する必要がある。

ここでアビリティと言っているのは、主に知識で、WBSを作るとか、見積もりをするとか、PERTを使ってスケジュールを作るとかである。ところが、これだけでは実際のプロジェクトマネジメントには歯が立たない。自分のアビリティをどのように使うかを判断できないからだ。これがコンピテンシーである。コンピテンシーとは、状況を把握し、相手の期待にこたえる行動をする能力である。さらには、自分のプロジェクトマネージャーとしてのポリシーとしての行動規範を持つ必要がある。

この中で、アビリティは本を読んだり、研修を受けたりすることによって習得できる。しかし、コンピテンシーや行動規範を身に付けるには行動が必要だ。これについては次回。

by 好川哲人:Tetsuto Yoshikawa

◆関連セミナーURL

プロジェクトと成功させるリーダーのマインドとスキルを知る

http://www.pmos.jp/juku/regular/pmp-style.htm

プロジェクトを成功させる10のベストプラクティス

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◆関連コラム

・プロジェクトマネジメントとは(2)

https://mat.lekumo.biz/pmstyle/2005/05/post_7baf.html

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