コラム「プロジェクトマネジメントにおけるベストプラクティスとは(1)」
ベストプラクティスというのはよく分かったような、分からないような言葉である。プロジェクトマネジメント実行のベストプラクティスというと
画期的な成果をあげたプロジェクトマネジメントプロセス
プロジェクト業務推進の方法
プロジェクトマネジメントノウハウ
といったものが思い浮かぶ。
では、なぜ、ベストプラクティスということを考えるのだろうか?理由は簡単。「答えがないから」である。「経営はこのようにすれば絶対に成功する」、「プロジェクトはこのようにすれば絶対に成功する」というのは考えにくい。ある方法をとって成功するかどうかは、ケースバイケースである。もっといえば、「成功」の定義そのものがケースバイケースである。
このような状況で考えることは何か?自分たちのやりたいことをうまくやっている事例を探してきて、分析し、そのやり方に学ぶということを誰もが考えるだろう。
さて、話をプロジェクトに絞ってみよう。「こうすればプロジェクトは絶対にうまく行く」といううまい話はない。したがって、上に述べたように、事例を探してくる。そのためには、まず、自分たちにとって何がベスト(成功)なのかということを決める必要がある。これもさまざまである。プロジェクト期間の短縮が成功である場合もあれば、品質向上が成功である場合もある。いずれにしても、成功の評価の指標と数値目標を決め、その目標を達成している事例を探す必要がある。そして、その事例の中から本質的な成功要因を抽出する。この成功要因をベストプラクティスという。自分たちと同じ条件での成功事例だと思っておけばよい。
そして、ベストプラクティス決まれば、それに対して、自分たちがどのようなレベルにあるかを判断し、ベストプラクティスとの差異を分析し、その差異を小さくする方法を検討する。このような一連のオペレーションをベンチマーキングと呼ぶ。
ここで考えなくてはならないことは、プロジェクトマネジメントのベストプラクティスの対象は何かという点だ。まず、プロジェクトマネジメントそのもののやり方が対象になる。プロジェクトマネジメントのやり方には
・プロセス
・マネジメント行動
の2つがある。
しかし、プロジェクトマネジメントのベストプラクティスはこれだけではない。これ以外にも
・マネジメントによるプロジェクトのサポート
・PMOによるプロジェクトマネジメントのサポート
・人材育成
・組織文化
などが大きな影響を持っていると思われる。
今回は、言葉の説明だけになったが、とりあえず、ここまで。
(by 好川哲人)
◆関連セミナーURL
プロジェクトを成功させる10のベストプラクティス
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