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2005年6月 7日 (火)

コラム「メンバーに役立つWBS入門(3)」

◆WBSによるセルフマネジメント

 今回は、成果を達成するために必要なメンバーのセルフマネジメントについて記述します。

プロジェクトにおいてメンバーが成果を達成するということは、担当する作業について求められる成果を時間通りに確実に達成することです。そのためには、次のようなことを考えながら、作業をする必要があります。

1.時間の使い方
2.作業の効率化
3.現状を正確に報告する
4.確実に達成するために自分の作業の中のリスクを管理する

WBS辞書には作成する成果物、必要な作業、見積り工数、開始予定日と完了予定日が記載されています。そこから、上記の1.2.3.を考えながら、自分の行うべき作業をブレークダウンしていきます。

それはまず作業の優先順位を考えるということで、しなくていい作業は行わないということです。そこで、通常は重要な作業は何かということを考え、優先順位をつけて作業に着手します。その重要な作業という判断の中に、今までずっと行っていたからとか、その後の流れが便利だからなど、慣習的に行っていることが含まれてしまうことが多々あるようです。

「劣後順位」という言葉をご存知でしょうか?

私は知人に薦められて「プロフェッショナルの条件(ドラッガー)」を読んで、初めて知り、大変、感銘を受けた言葉です。
まず自らがあげるべき成果を考えて、そのために、この作業は必要かどうかを自問します。

今まで重要な作業と思っていたことも、成果を達成するために必要な作業かどうかの自らの判断を行って、必要でなければ行わないという勇気が必要だとも書いてありました。

これからは、WBS辞書の内容から自分の行うべき作業をブレークダウンする際に、習慣的に行っている作業について、必要かどうかを自問してみましょう。

また、作業を効率よく行うためには、時間をまとめて集中することが第一です。ここで、まとまった時間とは、集中できる時間のことを意味し、1時間~2時間です。この時間で行う作業を決め、この時間で作業が終わったかどうかで「小さな成功、達成感を得る」ところから作業の効率化をはじめてみましょう。

このまとまった時間で行うべき作業ができたかどうかを積み重ねて、現状報告とします。

そして、WBS辞書に記載されています「予想されるリスク」については、そのリスクについて常に考えることで、リスクに対して敏感になり、リスクの発生をなるべく早く察知し、チームリーダーまたはプロジェクト・マネージャーに報告をし、相談をしながら対処することで、3.4.を実現していきます。

報告をする際には、メンバーは、必ずリスクに対する対処方法を考えておきます。
また、リスク計画があり、リスクの対処方法が決まっているのであれば、その対処方法によるリスクの解消度または影響度を担当するメンバーとして推察しておきます。
メンバーがリスク発生の現場に最も近いポイントにいるわけですから、リスクに対する情報を一番多く得ることができるはずです。
その情報と現場の人間としての判断を報告し、そして相談をすることで、より良い、より早いリスクに対する対処ができます。

そのためには、担当する作業において、どのようなリスクが予想されるか、それを早く察知するために何に注意すべきを理解しておく必要があります。

これらのことは作業を担当するメンバーにとって、今後の作業を進めるうえで、リスクの発生率が減少しないことはあっても増加することはありませんので、心がけておきましょう。「情けは人のためならず」ですね。

上記の点について、メンバーが考えることで作業はより良い成果を達成できると言えます。

◆関連セミナー
 WBSを使ったメンバーのセルフマネジメント
   ~プロジェクト計画を実行するメンバーシップ力の向上~
  http://www.pmos.jp/juku/membership/pmm-wbs.htm


上記セミナーは終了していますが、新しいパラダイムで次のセミナーを開催しています。

自己リーダシップによるプロジェクトマネジメント

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