プロジェクトマネジメントオフィス(PMO) Feed

2008年2月29日 (金)

プロジェクトを救済する体系的方法

4320097505 E.M.Bennatan(富野壽、荒木貞雄)「ソフトウェアプロジェクトの救済入門―危機的状況に陥ったプロジェクトを救う実践的アプローチ」、共立出版(2008)

お薦め度:★★★★1/2

ソフトウエアプロジェクトのレスキューについて、そのプロセスとポイントをまとめた一冊。本書で紹介しているプロセスは

段階1:プロジェクトの中断
段階2:評価者の人選
段階3:プロジェクトの評価
段階4:チームの評価
段階5:最小ゴールの定義
段階6:最小ゴールは達成可能か?
段階7:チーム再構築
段階8:リスク分析
段階9:計画の改訂
段階10:早期警告システム
の10段階からなるプロセス。

ポイントは早期警告システム(EWS)と呼んでいるシステムにある。このシステムのツールは
「開発データの収集」
「定期的なプロジェクトステータスのレビュー」
「警告の発動」
「是正行動の開始」
「フォローアップ活動」
で、これらのツールより、早期のプロジェクトトラブルの発見、迅速な対応、および、再発防止が可能になるというストーリーである。そして、これらのツールを使って、以下の段階を踏んだ体系的なアプローチによりレスキューを実行することがプロジェクトの確実な救済につながっていくというのが本書の趣旨だ。

リカバリーやレスキューというのはややもすると特効薬があるように思いがちだが、どんな本を読んでも特効薬はないと書かれている。唯一できることは、トラブルにおいて、体系的に丁寧に対応をすることで、それによってのみ、レスキューが可能になると言ってもよいだろう。そのための体系的アプローチとして極めてわかりやすく、実践的な体系が示されているので、実務的に非常に役立つ本だといえる。

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2007年12月17日 (月)

右脳プロジェクトマネジメント

1567262066_2 B. Michael Aucoin「Right-Brain Project Management: A Complementary Approach」、Management Concepts(2007)

お薦め度:★★★★1/2

久しぶりの原書。これは英語に苦労しても損はない!(たぶん、この出版社の本は翻訳されない)

合理的な判断、論理的思考、分析的思考、数学的分析、事実に基づく思考や判断などはいずれも、左脳によるものであるといわれる。このような思考法だけでは、対応が難しいプロジェクトがある。スコープがあいまい、スコープが変化する、プロジェクト目標が大きくストレッチされているといったプロジェクトである。

この本は、このようなプロジェクトに対して、左脳プロジェクトマネジメントに加えて、右脳プロジェクトマネジメントの有用性を説き、ツールを解説した本である。

この本では、7つのツールを提唱している。

1. 人を引き付ける目的を見つける
2. プロジェクトを理解する
3. スコープや開発方法など、さまざまなことを試し、採用していく
4. 新たな現実を生み出す
5. 行動し、信用を作り上げていく
6. スイートスポットにヒットする
7. 実施したプロジェクトを「遺産」として残す

この考え方が面白いのは、最初にステークホルダがもつ動機(感覚)を探ることによって、プロジェクトを始めていくという考え方だ。左脳のプロジェクトマネジメントは、プロジェクトを実施することとありきで、ステークホルダの動機ではなく、ニーズを探し、目的とする。そのようなやり方は、曖昧性が少ない場合は有効だが、曖昧性があると、その対処が難しい。

これに対して、右脳プロジェクトマネジメントは、計画を立てる前に、感覚を意識的に扱うため、早めにプロジェクトのあいまいさを受け入れ、プロジェクトの早期の時間を計画を作ることに費やすのではなく、動機を高めたり、意味づけをすることに費やす。これにより、プロジェクトの後期において、画期的な成果とパフォーマンスを生み出すことを可能にするという考え方である。

これは、トム・ピーターズが提唱しているWOW!プロジェクトマネジメントに通じるものがある。WOW!もはやり、右脳プロジェクトマネジメントなのだ。

エンジニアリングプロジェクト、IT系のプロジェクトなど、管理対象の大きなプロジェクトにはこのような手法は向かないとされている。この本を読んでみるとこれは誤解であることがわかる。右脳か左脳かという議論であれば、確かに、左脳が重要である。しかし、そのようなプロジェクトにおいても、右脳プロジェクトマネジメントによって、左脳プロジェクトマネジメントで得られる成果を大きくするというのが基本的な発想である。

その意味で、特にPMBOKのプロジェクトマネジメントを実施しているプロジェクトマネジャーやPMOに読んでみてほしい一冊だ。

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2007年12月 8日 (土)

プロジェクトマネジメントオフィスに対する基本認識

4820117408 トーマス・ブロック、デビッドソン・フレーム(仲村 薫)「プロジェクトマネジメントオフィス―すべてのプロジェクトを成功に導く司令塔プロジェクトオフィスの機能と役割」、生産性出版(2002)

お薦め度:★★★1/2

※ PMstyle.jp書籍プレゼントのために書き直し

プロジェクトマネジメントオフィスの基本事項についてまとめた本。マネジメント支援、組織へのコンサルティング、標準化と手法開発、研修などについて、書かれている。

出版は5年前。原書の出版は10年前。出版当時(2002年)には当り前のことしか書いていないという印象があったのが、今、改めて読んでみると、基本的であるが、重要なことがたくさん書かれているという印象が強い。

当時は、プロジェクトマネジメントオフィスを作っている企業はプロジェクトマネジメントに関して、先進的な企業であり、この本に書かれているようなことはやっているようなところが多かったように思う。ところが、現在、PMOの数は当時と比較のしようがないくらい増えてきたが、どうも、このあたりのこと、特に「組織」という視点が弱くなってきたように感じる。

結果として、プロジェクトマネジメントオフィスは、プロジェクトの便利屋さんのような位置づけになってしまった企業が少なくない。

プロジェクトマネジメントオフィスとは何か、何のために作るのか、そして、経営にとってどのような意味があるのかを再度認識するには、この本はうってつけだ。

最近、この本の訳者である仲村薫さんがPMOのプラクティスをまとめた本「PMO構築事例・実践法―プロジェクト・マネジメント・オフィス」を出版されたが、プラクティスを知る前にまずこの本を読んで、基本的な認識をもたれることをお勧めする。

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2007年12月 5日 (水)

プロジェクトXの経営学

462304873x 佐々木 利廣「チャレンジ精神の源流―プロジェクトXの経営学」、ミネルヴャ書房(2007)

お薦め度:★★★★1/2

プロジェクトXにはまっています。なぜから、こういう連載を始めたからです。

プロジェクトXにみるスポンサーシップ

プロジェクトXというと、そのネーミングからか、プロジェクトマネジメントの視点から取り上げられることが多い。しかし、プロジェクトXというのはプロジェクトマネジメントについて問われるべきものではなく、「プロジェクトのマネジメント」について問われるべきものである。つまり、経営組織がプロジェクトをどのように行っていったかをテーマにしているものは極めて多い(もちろん、純粋なプロジェクトものもあるが)。

ということで、八重洲ブックセンターにいきプロジェクトXの本を探していたら、面白い本があった。これがこれ。

まとめ方も面白く、NHKのプロジェクトXはなぜ、面白いかという視点からまとめている。まとめたのは、京都産業大学の先生たち。分析視点は
・新規事業創造
・製品開発と企業間協調
・イノベーションと産業発展
・新市場の開拓とマーケティング戦略
・経営の国際化と組織学習
・組織間の異種協働
・リーダーシップとリーダー・フォロワーの関係
の関係。この視点の設定はたいへん、面白いし、参考になった。NHKのストーリーがプロジェクトにフォーカスしているので、その背後や環境をうまく抽出する視点だからだ。

ただし、分析は、教科書のような分析なので、経営学の教科書かと突っ込みたくなるような内容。もう少し、突っ込んでほしかった(実際に教科書として使っているようなので、そのためかもしれない)。

ということで、試みは評価したいし、この本を読んでプロジェクトXを見ると、見方が変わると思う(実際にやってみたらそうだった)。その意味でも意味があると思う。本当は★3つ半くらいにしたいのだが、★1個はその点でのおまけ。

また、プロジェクトマネジャーが、自分の置かれている立場を確認するためにも読んでほしい1冊である。

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2007年12月 3日 (月)

P2Mガイドブック

4820744690 日本プロジェクトマネジメント協会「新版 P2Mプロジェクト&プログラムマネジメント標準ガイドブック」、日本能率協会マネジメント出版情報事業(2007)

お薦め度:★★★★1/2

P2M(プロジェクト&プログラムマネジメント)は日本プロジェクトマネジメント協会(PMAJ)が推進しているプロジェクトマネジメント方法論であり、PMBOKと同じ個別プロジェクトのマネジメントに加えて、プログラムマネジメントとポートフォリオマネジメントを統合した(広義での)プログラムマネジメントのフレークワークである。

本書はP2Mのガイドブックの新版(第2版)。内容的に第1版と比較すると、
・フレームが明確になり、しっかりとしてきた
・プロファイルなどの独自概念がこなれてきた
などの改良点が見受けられる。

ガイドブックとしては第1版は読むのに苦労するくらい、読みにくい部分が多々あったが、これがすっきりとしてきて、読みやすくなっている。その意味で、第1版はPMC、PMSなどの資格試験を受験する人以外には薦めにくかったが、今回のバージョンはプログラムマネジメントを必要とする実務家に薦めることができる内容だといえよう。

PMBOK(R)を推進しているPMIでも昨年プログラムマネジメント&ポートフォリオマネジメントの標準を発表し、この3つを合わせるとちょうど、P2Mと同じ位置づけになる。内容的には、P2Mに一日の長がある。また、PMIのこのドキュメントは現在のところ、ガイドラインというよりはホワイトペーパーに近い(来年の改定でどこまで変わるか!?)

P2Mも第1版はホワイトペーパーだったと思うが、やっとガイドラインと言えるものになってきた。この点でもPMIと比較すると一日の長がある。この進化がどれだけ普及に役立つかは見ものだ!興味ある人は、とりあえず、本書を読むところから始めよう!

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なお、今回の改定の中で、実務に適用しようとすると改善された理由に含蓄のありそうな部分が少なくない。その意味で、実務適用を考えるに当たっては、第1版との併用をお勧めしたい。今回、新版が出たことでいずれは廃番されるのだろうから、買っておくなら今のうちだ!

45696283894569628370  P2Mプロジェクト&プログラムマネジメント標準ガイドブック〈上巻〉プログラムマネジメント編

P2Mプロジェクト&プログラムマネジメント標準ガイドブック〈下巻〉個別マネジメント編

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2007年10月22日 (月)

CCPM+Lean+PMBOK=?

4947627794 ラリー・リーチ(小林英三(監訳)、岡野智加、酒井昌昭、津曲公二、平鍋伸忠、藤川博巳(訳))「リーンプロジェクトマネジメント―リーン・クリティカルチェーン・PMBOK Guideを統合した、プロジェクトマネジメントのバイブル」、ラッセル社(2007)

お奨め度:★★★1/2

クリティカルチェーンプロジェクトマネジメントの名づけの親といわれているラリー・リーチの新しいプロジェクトマネジメント論。

現在、プロジェクトマネジメントの流れとしては、

・プロアクティブに計画を作り、計画実行によりプロジェクトを進めていくことを目指すPMBOK

・プロジェクトの目標を設定し、目標達成のための問題解決とプロセス改善を中心にプロジェクトを進めていくCCPM

・チームとプロトタイピングにより、創造性を追及するアジャイルプロジェクトマネジメント(リーンプロジェクトマネジメント)

の3つがあると考えてよい。現在のところ、プロジェクトマネジメントを適用したい目的としてはプロジェクトを失敗しないというのが多く、このため、PMBOKが圧倒的に進んでいるが、これらは本来、補完的に機能することが望まれるものだろう。

その中で、現在の普及の度合いもさることながら、この3つの中では最もフレーミングがしっかりしているPMBOKを中心にどのように他のプロジェクトマネジメントのよさを取り込んでいくかというのがポイントになる。

この問題に対して、ラリー・リーチ博士が書いた書籍がこれ。

人々を統率する
→プロジェクト憲章
→適切なソリューションの選択
→変動性を管理する
→プロジェクトのリスクの管理
→プロジェクト計画
→実行

というフレームの中で、3つの方法のツールをどう使っていくかを示している。これをPMBOKのフレームだというと、CCPM派からはクレームがつくかもしれないが、はやり、基本的にはPMBOKに見える。

ゆえに、PMBOKプロジェクトマネジメントをやっている人たちにもお奨めした1冊である。

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2007年10月 1日 (月)

プロジェクトマネジメントの取り扱い説明書

4534042876 西村克己「世界一やさしい プロジェクトマネジメントのトリセツ」、日本実業出版社(2007)

お奨め度:★★★★

以前、この本の出版社の方から日本で一番売れている本は、西村克己先生の

よくわかるプロジェクトマネジメント (入門マネジメント&ストラテジー)

だと聞いたことがある。日経BP社の人に、伊藤健太郎さんの

プロジェクトはなぜ失敗するのか―知っておきたいITプロジェクト成功の鍵

が一番売れているという話を聞いた後だったので、推理すると西村先生の本がもっとも売れている本かもしれない。

なぜ、唐突にこのようなことを書き始めたかというと、本の流通のしくみはよく知らないが、それぞれが1位というのは両方とも正しいのかもしれないと思ったからだ。この2冊の本は、プロジェクトマネジメントの本であるが、ジャンルが違うのではないかと思ったのだ。伊藤氏の本は現場マネジメントとしてのプロジェクトマネジメントの本であり、西村先生の本は経営管理の一環としてのプロジェクトマネジメントの本である。つまりはドメインが違う。

さて、この記事で紹介する西村先生の新刊は、同じ出版社から「トリセツ」シリーズで出版された書籍であり、経営管理としてのプロジェクトマネジメントというのがより、色濃く出た一冊である。その意味で、あまり、なかったタイプの本である。「よくわかるプロジェクトマネジメント」よりできは明らかによいし、だいぶ、進化している。

プロジェクトマネジャーのプロフェッショナルを目指す人ではなく、マネジメントの一分野としてプロジェクトマネジメントのスキルを身につけておきたいというビジネスマンの人に、やっと薦めることのできる本が出てきた。

マネジャーの方、必読の一冊。

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2007年9月 7日 (金)

赤字プロジェクトを立て直すコツ

4883732452 香村求「IT赤字プロジェクトの立て直し・火消し対策」ソフトリサーチセンター(2007)

お奨め度:★★★

プロジェクトマネジャー、品質管理マネジャーとして多くの経験を持つ著者が、ITの赤字プロジェクトのリカバリーマネジメントについて解説した一冊。

独特のものの見方により、かなり、抽象的なレベルでリカバリーの方針決定、考え方、体制作り、管理などについて述べている。ただし、プロセス的な部分は具体的に書かれており、また、事例が相当に紹介されている。

よいことがたくさん書いてあるので、講演を聴くつもりで読むのであれば、お奨めだ。解説の抽象度が高いので、特に経験の浅いプロジェクトマネジャーは腑に落ちるまでに何度か繰り返して読む必要があると思われるが、書いてあることの質は極めて高い。

特に、比喩的な表現が随所に出てくるが、著者がなぜ、そのような比喩を使っているのかを考えながら読むとよいだろう。おそらく、もう少し、簡単に書こうと思えばかけるのだろうが、あえて書いていないところにインプリケーションがあると思われる。

頑張って読んでみよう!ただ、機会があれば、講演を聴かれることがよりお奨め。

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2007年8月13日 (月)

日本のプロジェクトマネジメントオフィス

4883732460_2 仲村薫編著「PMO構築事例・実践法―プロジェクト・マネジメント・オフィス」、ソフトリサーチセンター(2007)

お奨め度:★★★★

日本では初のプロジェクトマネジメントオフィスに関する実践的な解説書。

アルテミスの仲村薫さんの編著で、仲村さんがまず、PMOの基本事項の解説をし、事例を各事例企業の人が書くというスタイルをとっている。取り上げられている事例は

・オムロン パスネットプロジェクト
・日立製作所 情報通信グループ
・三菱電機インフォメーションシステムズ
・NEC
・A社(失敗事例)
・自動車メーカ(マルチプロジェクトマネジメント)
・医薬品企業(開発管理)
・日本IBM研究開発部門

である。

次に、PMOの重点活動ということで

・プロジェクトマネジャーの育成
・ポートフォリオマネジメント

の2項目について、詳細な解説を事例を交えて行っている。解説はわかりやすく、また、事例が入っているので明確なイメージができる。

やっと日本人の書いたPMOの本が出てきた。それも、日本らしく、事例という形。

これまで、訳本では、仲村さんの翻訳された

4820117408_2 トーマス・ブロック、デビッドソン・フレーム(仲村 薫訳)「プロジェクトマネジメントオフィス―すべてのプロジェクトを成功に導く司令塔プロジェクトオフィスの機能と役割」、生産性出版(2002)

や、PMI東京の永谷事務局長がプロジェクトマネジャーを勤める翻訳チームが翻訳した

4885387086 ジョリオン・ハローズ(PMI東京訳)「プロジェクトマネジメント・オフィス・ツールキット」、テクノ(2005)

などの良書があったが、やはり、日本の組織に米国のPMOの流儀をそのまま持ち込むことは難しい。

その意味で、この仲村さんのまとめられた本は特別な意味があるのではないかと思う。

半年くらい前に、米国で出版事業をやっている知人から、プロジェクトマネジメントに関する出版点数に対してPMOの本がないのはどういうことだと聞かれたことがある。異様に感じるといっていた。ちなみに、米国ではプロジェクトマネジメントの本が500冊、PMOの本が50冊程度出版されており、このくらいの割合が普通ではないかといっていた。

これを契機に、日本でもPMOの本がどんどん、出てくることが望まれる。

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2007年8月 6日 (月)

日本初のリカバリーマネジメント本

4822262111 長尾清一「問題プロジェクトの火消し術―究極のプロジェクト・コントロール」、日経BP社(2007)

お奨め度:★★★★

長尾清一さんの書かれた

447837449x09lzzzzzzz先制型プロジェクト・マネジメント―なぜ、あなたのプロジェクトは失敗するのか

は今でも、このブログで最も支持されているプロジェクトマネジメント本である。その長尾さんの待望の新著が出版された。リカバリーマネジメントをテーマに書かれたこの本だ。

全般的には、リカバリーマネジメントを問題解決だと捉え、単に思考するだけではなく、問題解決を実行するためにどのような行動が必要かを具体的に、かつ体系的に書かれた本で、前著に劣らず、非常によい本である。

ただ、前著もそうだったが、書かれていることを理解できたとしても、実践するのは大変に難しいと思う。本としての書き方が悪いのではない。ましてや、内容がまずいわけではない。書き方は非常に丁寧であり、これでもかと思うくらい実践的に書かれている。

難しいのだ。それでも前著は、プロジェクトマネジャーとして一定の資質を持つ人であればかなりの部分は訓練や経験をつめばできると思う。その意味でも非常によい内容だと思った。プロジェクトマネジメントは難しいのだ。安直にできるものではない。

今回の本に書かれていることは半分できればよいのではないかと思う内容だ。そのくらい、リカバリーマネジメントというのは難しい。この本を読んで、何ができればトラブルに対処できるようになるかを知り、精進をして欲しい。

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