プロジェクトマネジメントオフィスに対する基本認識
トーマス・ブロック、デビッドソン・フレーム(仲村 薫)「プロジェクトマネジメントオフィス―すべてのプロジェクトを成功に導く司令塔プロジェクトオフィスの機能と役割」、生産性出版(2002)
お薦め度:★★★1/2
※ PMstyle.jp書籍プレゼントのために書き直し
プロジェクトマネジメントオフィスの基本事項についてまとめた本。マネジメント支援、組織へのコンサルティング、標準化と手法開発、研修などについて、書かれている。
出版は5年前。原書の出版は10年前。出版当時(2002年)には当り前のことしか書いていないという印象があったのが、今、改めて読んでみると、基本的であるが、重要なことがたくさん書かれているという印象が強い。
当時は、プロジェクトマネジメントオフィスを作っている企業はプロジェクトマネジメントに関して、先進的な企業であり、この本に書かれているようなことはやっているようなところが多かったように思う。ところが、現在、PMOの数は当時と比較のしようがないくらい増えてきたが、どうも、このあたりのこと、特に「組織」という視点が弱くなってきたように感じる。
結果として、プロジェクトマネジメントオフィスは、プロジェクトの便利屋さんのような位置づけになってしまった企業が少なくない。
プロジェクトマネジメントオフィスとは何か、何のために作るのか、そして、経営にとってどのような意味があるのかを再度認識するには、この本はうってつけだ。
最近、この本の訳者である仲村薫さんがPMOのプラクティスをまとめた本「PMO構築事例・実践法―プロジェクト・マネジメント・オフィス」を出版されたが、プラクティスを知る前にまずこの本を読んで、基本的な認識をもたれることをお勧めする。
【アマゾンで買う】プロジェクトマネジメントオフィス―すべてのプロジェクトを成功に導く司令塔プロジェクトオフィスの機能と役割
目次
第1章 プロジェクトオフィスの発展
第2章 プロジェクトのアドミ業務サポート
第3章 プロジェクトマネジメントのコンサルティングとメンタリング
第4章 プロジェクトマネジメントの基準と手法の開発
第5章 プロジェクトマネジメントトレーニングの実施
第6章 プロジェクトマネジメント組織
第7章 バーチャルチームとプロジェクトオフィス
第8章 プロジェクトオフィスの設置
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