日本初のリカバリーマネジメント本
長尾清一「問題プロジェクトの火消し術―究極のプロジェクト・コントロール」、日経BP社(2007)
お奨め度:★★★★
長尾清一さんの書かれた
「先制型プロジェクト・マネジメント―なぜ、あなたのプロジェクトは失敗するのか」
は今でも、このブログで最も支持されているプロジェクトマネジメント本である。その長尾さんの待望の新著が出版された。リカバリーマネジメントをテーマに書かれたこの本だ。
全般的には、リカバリーマネジメントを問題解決だと捉え、単に思考するだけではなく、問題解決を実行するためにどのような行動が必要かを具体的に、かつ体系的に書かれた本で、前著に劣らず、非常によい本である。
ただ、前著もそうだったが、書かれていることを理解できたとしても、実践するのは大変に難しいと思う。本としての書き方が悪いのではない。ましてや、内容がまずいわけではない。書き方は非常に丁寧であり、これでもかと思うくらい実践的に書かれている。
難しいのだ。それでも前著は、プロジェクトマネジャーとして一定の資質を持つ人であればかなりの部分は訓練や経験をつめばできると思う。その意味でも非常によい内容だと思った。プロジェクトマネジメントは難しいのだ。安直にできるものではない。
今回の本に書かれていることは半分できればよいのではないかと思う内容だ。そのくらい、リカバリーマネジメントというのは難しい。この本を読んで、何ができればトラブルに対処できるようになるかを知り、精進をして欲しい。
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