ほぼ日 読書日記 Feed

2009年7月12日 (日)

お休みしてました【ほぼ日読書日記 2009年7月11日】

久しぶりの日記です。

この1週間、事業の企画のために、かなりの数の本を読んだのだが、ほとんど古い本。

ということで、紹介しなかった。

1週間更新しなかったので、何かあったんですかというご心配のメールを戴いた。僕は書評を書いたり、アフェリエイツのための本を読んでいるわけではなく、あくまでも仕事の一環として読んでいる本の中から専門書と洋書を除いた割と新しい本だけを紹介しているので、こういうこともある。ただ、、確かにほぼ日とか言いながら、かなりの頻度で書いているでの心配して頂いたようだ。

お詫びにまとめてタイトルだけ紹介しておく。ただ、業務上の理由で、すべては紹介できないので、ご容赦。下期には、事業としてプロモーションして行く予定なので、そのときのお楽しみとおいうことで。

まず、このブログで紹介したことのある本から。

マーティン・セリグマン(山村 宜子訳)「オプティミストはなぜ成功するか」、講談社(1994)

あとは、紹介したことがない。

マーティン セリグマン(小林 裕子訳)「世界でひとつだけの幸せ―ポジティブ心理学が教えてくれる満ち足りた人生」、アスペクト(2004)

スーザン・セガストローム(島井 哲志、荒井 まゆみ訳)「幸せをよぶ法則―楽観性のポジティブ心理学」、星和書店(2008)

タル・ベン シャハー(坂本 貢一訳)「HAPPIER―幸福も成功も手にするシークレット・メソッド」、幸福の科学出版(2007)

プライス・プリチェット(富永 和子訳)「楽観脳 最後に笑うオプティミストになるために」、東京書籍(2008)

シェリー・E. テイラー(宮崎 茂子訳)「それでも人は、楽天的な方がいい―ポジティブ・マインドと自己説得の心理学」、日本教文社(1998)

ここまでは、すべてポジティブ心理学の本。ちょっと違う系統の本。

新田次郎「富士山頂」、文芸春秋(1974)

プロジェティスタ研究会のために読んだ。20年以上前に読んだ本を読むというのはなかなか、ないことだ。ご存じの通り、NHKのプロジェクトXの第1話の原作と言われている。このご時世に読むと、「官僚的」であることの傲慢さが鼻につく。

もう一冊。ある講演のネタ仕込みで読む。すごい会社があるなあとひたすら感動。

チャールズ・ナイト、ディヴィス・ダイヤー(浪江 一公訳)「エマソン妥協なき経営―44年連続増収を可能にしたPDCAの徹底」、ダイヤモンド社(2008)

もう一冊。

川島 蓉子「虎屋ブランド物語」、東洋経済新報社(2008)

たいへん、よく書けたドキュメンタリーだと思う。読みやすいし、ブランド戦略を読み取る上で、きちんと必要なポイントがきちんとプロットされていると思う。ISDNを調べるためにアマゾンのページに言ったら、レビューが目に入った。東洋経済の出版物であるので、多少のバイアスはあるとしても、それを自分なりに考えるために読む本だと思うけど。

プロジェティスタ研究会向けには、こっちの方が参考になったかも。

この他に、新刊もあるが、それは別途。

2009年7月 7日 (火)

アドレナリンの分泌を促すプロマネ本【ほぼ日読書日記 2009年7月6日】

おっ、scrappy project management の翻訳がでているじゃないですか。

キンバリー・ウィーフリング(田中 健彦)「土壇場プロジェクト成功の方程式 回避可能な12の落とし穴」、日経BP社(2009)

早速、購入。東京に向かう新幹線で読破。っていっても、本は原書で読んでいたので、20分ほど眺めておしまい。訳はうまいかどうか分からないが、読みやすいし、原書の勢いがうまく出ているように思う。

プロジェクトマネジメントのレバレッジポイントを12取り上げて、非常に明快に、だめなことと、いいことを書いている。

scrappyというニュアンスが出ていて、とてもよい本だと思う。書いてあることは、結構、日本でプロジェクトマネジメントの考え方を書いた本で、ほかの人も言っているようなことなのだが、語り方がうまい。

この本を読むだけで、アドレナリンが分泌される!その意味で、土壇場プロジェクトを成功に導く本か!?

2009年7月 5日 (日)

経営にとって大切なことを学ぶ【ほぼ日読書日記 2009年7月4日】

先週の水曜から、アクセス25%くらい増えている。参照元のURLで、目立ったのが、「kazuyomugi.cocolog-nifty.com」(笑)。勝間さんの「まねる力」について日記で触れたところ、書評リストの中に入っていたためと思われる。

過去にも何回か同じような事件があったが、だいたい、10%前後で、25%アップは素直にすごい。勝間本ならぬ、勝間力だなあ。

はい、この話題はここまで。今日は経営にとって大切なものを学ぶ上でとてもよい本を2冊読んだ。

源明 典子「現場の「知恵」が働く チームイノベーション (スコラ式風土改革)」、日本経済新聞出版社(2009)

言ってしまえば、スコラの宣伝本である。3つの事例とその事例に関連の深い彼らの理論が簡潔に解説されている。

ところが、読んでいておもしろいし、興味深いので引き込まれるように読んだ。もちろん、著者の方の筆力もあるのだと思うが、やっぱり、スコラコンサルティングの取り組んでいる活動は的を得ているというのが何よりの理由だろう。

たいへん、参考になった。

もう一冊。一方で、こういう価値観もある。

ジェームズ・キルツ、ロバート・ローバー、ジョン・マンフレーディ(高遠 裕子訳)「大事なことだけ、ちゃんとやれ!―ゼロ成長企業を変えた経営の鉄則」、日本経済新聞出版社(2009)

ジェームズ・キルツは、ナビスコ、ジレットなどのCEOとして有名な名経営者。経営の基本だけを忠実にやれば成功することを主張した本。まさに、原理を貫く経営である。

いろいろな価値観の企業があり、その価値観を大切にした経営をする。だからマネジメントはおもしろい。

ただ、一つ言えることはいいとこ取りをしないことだろう。というと、ベストプラクティスというのを否定しているのかとよく言われるが、ベンチマーキングをするからベストプラクティスが意味がある。ベストプラクティスを「お話」として聞いてきて、とりあえずやってみようというのは、日本人の好むマネジメントスタイルだが、そんなやり方でなんとかなるほど、あまい状況ではない。

この両方の本で書かれていることで共通しているのは、部分的にでも書かれていることをやってみようかと思わせるようなインパクトのある内容だということだ。

同時に、徹底することによって初めて成果が生まれるということだ。

2009年7月 3日 (金)

アインシュタインの頭の中を覗く【ほぼ日読書日記 2009年7月2日】

やっと「アインシュタイン・ファクター」を読み終えた。第1章を読んだのは、発売直後だったと思うので、1ヶ月以上かかったことになる。

リチャード・ポー、ウィン・ウェンガー(田中孝顕訳)「アインシュタイン・ファクター」、きこ書房(2009)

この本、「頭脳の果て」というタイトルで2回出ていて、3回目なので、同じ出版社が3回出すからには、何かいいことがあるのだろうと思ってついに読んだ。本来は、あまり、僕の読書ジャンルには入らない本。昨今の脳ブームにはまったく乗り遅れている。っていうか乗っていない。

でも、この本、1冊読んで、だいたい、全体像がわかったような気がするので、その意味では大変、よかった。内容もそれなりにおもしろかった。特に、第6章の「イメージを解釈する」はたいへん、参考になった。

全然、関係ないが、田中孝顕さんの訳本に、神田さん、勝間さんの推薦をつけて出すというのは、グッドアイディアだと思う。ほかにも何冊かそうしてほしい本がある。

2009年7月 2日 (木)

勝間本【ほぼ日読書日記 2009年7月1日】

ある方から戴いたので、ぱらぱらとみた。インタビューは結構、おもしろかったが、どういうコンセプトの本なのだろうか?とふと思った。インタビューイの人たちをまねてみてはという勝間さんからの提案なのか、それとも自分がまねたい人なのか、それともそういう編集をしておいて実は私をまねなさいっていうことなのか(笑)、はたまた、全然違うのか。

勝間 和代「AERA MOOK 勝間和代「まねる力」」、朝日新聞出版(2009)

まあ、それはともかく、なんとも贅沢にインタビューを使った構成はすごいとしか言いようがない。ライターではなく、プロデューサですね。っていうか、ディレクターか。この本以外にも、最近、何冊か出ているし。

日経MJ 2009年上期ヒット商品番付東前頭に「勝間本」っていうのが入っている。今回も、「1Q84」が入っているように書籍が入るのは時々見かけるが、書籍を超える「勝間本」ってコンセプトなんだから、これは。すごい!

今をときめく勝間さんだからできる本なんだろうな。

2009年7月 1日 (水)

御立直資さんの視座に触れる【ほぼ日読書日記 2009年6月30日】

ボスコンの日本代表を務める御立直資さんのエッセイ。日経ビジネスオンラインの連載の書籍化。日経ビジネスオンラインの連載をずっと読んでいたので、こんな話があったなと思いながら読んだ。

御立 尚資「経営思考の「補助線」 」、日本経済新聞出版社(2006)

ある意味、御立直資さんの視座からものをみれるので貴重な一冊だと思うのだが、読んでおもしろいと感じる人は、限られているのではないかと思う。このエッセイを受け止めるには、かなりの経営リテラシー、それも戦略経営のリテラシーが必要なのだと思う。こういう文章をネタに会話ができるような社会になってほしいな。日本にこれだけの視座を持ったコンサルタントはどれだけいるんだろう。。。

それにしても、ビジネスエッセイを書くというのは難しいなあ。

昼間、必要に駆られて久しぶりに川喜田二郎先生の「発想法」を読んだ。ある会社で、社内のコンサルタントに「KJ法をきちんと教えてほしい。特にフィールドワークの部分を」という注文を受けた。この問題意識はよくわかる。

川喜田 二郎「発想法―創造性開発のために」、中央公論社(1976)

「発想法」は3章のKJ法以降の部分をみんなきちんと読もうとするが、実は1章と2章のフィールドワークを書いたところに意味があるのだと思う。

フィールドでの観察と仮説に基づく情報があってのKJ法であり、情報の意味づけをしないままでKJ法をやっても、「妄想」に過ぎない。これはロジカル思考ブームのもたらした弊害の一つだ。

KJ法を単なる情報整理の方法で、いくら整理してもそこからアイディアは出てこないと批判する人がいる。この批判はある意味で正しい。情報そのものが、人やチームの頭からひねり出されたものであれば、一旦フィルターがかかっているので、もうそれ以上のものは出てこない。

質的情報にしろ、量的情報にしろ、情報の源泉はフィールドにある。そこで得られた生の情報を整理すれば、アイディアはでてくる。先入観を捨てて、情報を収集すればの話であるが。

2009年6月30日 (火)

行動を中心にした問題解決のフレームワーク【ほぼ日読書日記 2009年6月29日】

僕はグローバル化信奉者ではない。経済のグローバル化は必須であるが、それと、チームだとか、組織がどうあるべきかは別の問題だ。

目的と目標の議論でいえば、グローバル化は目標であって、目的ではない。目標だけで突き進もうとするから、達成手段もあわすような議論になってしまう。

ダイバーシティを重視しろと強要するというのはパラドックスだ。何のためにダイバーシティを重視しなくてはならないのか?そこが問題。

比較ビジネス文化論としては秀作だと思うが、読み進んでいるうちに、そんな気持ちになってきた。

篠崎 正芳「世界で成功するビジネスセンス~日本企業は仕組みをチェンジ!日本人は思考・行動をアップグレード!」、日本経済新聞出版社(2009)

ただ、思考様式も変えたいと思っている人には、非常に現実的なたくさんのアドバイスが書いてある本なので、役立つと思う。

価値観の議論をしない、いいかえれば、アングロサクソンの資本主義の価値観を前提にした、グローバル化の本は、もう僕的なおなかいっぱいだけど。

もう一冊、この本を読んだ。

池上 孝一、小島 美佳「ハイパフォーマーの問題解決力」を極める」、ファーストプレス(2009)

問題解決力のフレームワークとしては画期的な本だ。基本スキルと、応用スキルに分け、思考スキルだけでなく、行動スキルなども盛り込んでいる。

今までの問題解決本は、思考スキルありきで、考えたことを如何に行動に移すかという観点で書かれているのとは根本的に異なる。ただし、基本スキル(ファンダメンタルスキル)の難易度が高い。

1 色々な立場に身を置いた「視点」を持って行動している
2 「目的意識」を踏まえて行動している
3 的確な「判断基準と優先順位」を使って行動している
4 やりきろうとする「アスピレーション」を抱いて行動している

日常的にこんな行動ができれば、そもそも、問題など生じないだろう。っていうか、そういう問題があったときに何かするのではなく、継続的に問題を解消しながら仕事を進めていくためのフレームワークだとみるべきだろう。

2009年6月28日 (日)

知的好奇心を満たされた休日【ほぼ日読書日記 2009年6月28日】

休日のほぼ1日を書けて読了。

ゲイリー・レイサム、(金井 壽宏監訳、依田 卓巳訳)「ワーク・モティベーション」、エヌティティ出版(2009)

学術書なので、おもしろいとかいうものでもないが、知的好奇心は満たされた。こういう休日の過ごし方も悪くない。

ざっくりした感想としては、モチベーション理論は、そんなに直感とかけ離れたものはないということだ。経営学、あるいは人文科学とはそういうものかもしれないが。

で、箸休めに読んだ本。

金子 英之「遺言書で鍛える6つのビジネススキル―エグゼクティブは遺言書で人生設計する」、冬舎メディアコンサルティング(2009)

本屋でタイトルを見て、直感的におもしろいと思って買ったのだが、期待外れ。っていうか、このタイトルであれば、もっとおもしろい本を作れるだろうと思った。

この編集ではあまりビジネスの参考にはならないように思う。ただ、僕ももう50なので、人生を考える上で参考にはなった。

2009年6月27日 (土)

プロデュースの極意【ほぼ日読書日記 2009年6月26日】

今日は1日セミナーの講師。終わった後で本屋に行き、10冊くらい本を買ってきた中から、仕事術系の本を3冊ほど、読んだ。

一冊目。古田マリさんの新刊。

古田 マリ「絶対「間に合う」仕事術―突発事態も切り抜ける4つのツール」、東洋経済新報社(2009)

ガントチャート、クリティカルパスに加えて、オリジナルのツール、「敷地図」、「目標管理透視図」を組み合わせて、デッドラインを死守する仕事の方法を解説している。

この前の空間思考の本

古田 マリ「仕事の設計図を描く―「空間」思考でできる人になる」、成美堂出版(2007)

が結構、インパクトあったのに、新刊は普通。次作に期待。

二冊目。高橋浩一さんという方の「人を巻き込む仕事のやり方」。

高橋 浩一「人を巻き込む仕事のやり方」、ファーストプレス(2009)

まず、目立ったのが帯。金井先生の推薦だが、著者より遙かに大きなフォントで名前が出ている。少なくとも僕はこの帯で、また、金井先生の新刊かと思って手にとったのだから、出版社の作戦大成功。

内容はよかった。っていうか、金井先生の品質保証なので当たり前か。

三冊目。

小山 登美夫「小山登美夫の何もしないプロデュース術」、東洋経済新報社(2009)

この本が3冊の中では最もおもしろかった。

著者の小山 登美夫さんはギャラリスト。キャリーという仕事そのものも興味深いし、その中で、非常に人間観察眼に優れた著者の見識は読むに値する。人をプロデュースするというのはどういうことかを考えるに当たって非常に参考になった。

アーティストというのがどのくらいの割引要素になるか、よくわからないが、結構、ビジネスプロデュースにも通用しそうだ。

失敗をマネジメントする【ほぼ日読書日記 2009年6月25日】

今日は久しぶりのナイトセミナー。「プロジェクトマネジャーの秘密」というシリーズセミナーの第1回で、多少、ぎこちない感じもあったが、なかなか、楽しかった。

終わったあと、さすがに本を読む気にならなかったが、寝る前に1冊。

中尾 政之「創造はシステムである 「失敗学」から「創造学」へ」、角川グループパブリッシング(2009)

僕が大学院を出て入ったのは、三菱重工長崎研究所の制御研究室というところだったのだが、こういうことをよく言われていたなと懐かしかった。失敗を恐れるな、小さな創造を積み重ねよ。この考えは当時の研究開発マネジメントの基本だったような気がする。

日本の企業ってこれで結構イノベーションを起こしてきたんだよなあ。千三つを嫌う文化である組織が多いのは間違いない。ただ、それが、失敗しないようにするというのとはちょっと違う。失敗をマネジメントできるというのは、結局のところ、創造しているってことなんだと思う。失敗をマネジメントするシステムは、創造をするシステムでもある。

TRIZがまさにそうであるように、「創造はシステムである」という考え方は世界的なのではなだろうか。

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