御立直資さんの視座に触れる【ほぼ日読書日記 2009年6月30日】
ボスコンの日本代表を務める御立直資さんのエッセイ。日経ビジネスオンラインの連載の書籍化。日経ビジネスオンラインの連載をずっと読んでいたので、こんな話があったなと思いながら読んだ。
御立 尚資「経営思考の「補助線」 」、日本経済新聞出版社(2006)
ある意味、御立直資さんの視座からものをみれるので貴重な一冊だと思うのだが、読んでおもしろいと感じる人は、限られているのではないかと思う。このエッセイを受け止めるには、かなりの経営リテラシー、それも戦略経営のリテラシーが必要なのだと思う。こういう文章をネタに会話ができるような社会になってほしいな。日本にこれだけの視座を持ったコンサルタントはどれだけいるんだろう。。。
それにしても、ビジネスエッセイを書くというのは難しいなあ。
昼間、必要に駆られて久しぶりに川喜田二郎先生の「発想法」を読んだ。ある会社で、社内のコンサルタントに「KJ法をきちんと教えてほしい。特にフィールドワークの部分を」という注文を受けた。この問題意識はよくわかる。
川喜田 二郎「発想法―創造性開発のために」、中央公論社(1976)
「発想法」は3章のKJ法以降の部分をみんなきちんと読もうとするが、実は1章と2章のフィールドワークを書いたところに意味があるのだと思う。
フィールドでの観察と仮説に基づく情報があってのKJ法であり、情報の意味づけをしないままでKJ法をやっても、「妄想」に過ぎない。これはロジカル思考ブームのもたらした弊害の一つだ。
KJ法を単なる情報整理の方法で、いくら整理してもそこからアイディアは出てこないと批判する人がいる。この批判はある意味で正しい。情報そのものが、人やチームの頭からひねり出されたものであれば、一旦フィルターがかかっているので、もうそれ以上のものは出てこない。
質的情報にしろ、量的情報にしろ、情報の源泉はフィールドにある。そこで得られた生の情報を整理すれば、アイディアはでてくる。先入観を捨てて、情報を収集すればの話であるが。
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