キャリアマネジメント Feed

2013年12月30日 (月)

「イノベーションのジレンマ」以上のインパクト

4334929176楡 周平「象の墓場」、光文社(2013)

お奨め度:★★★★★+α

世界的なエクセレントカンパニーであるコダックをモデルにしたと思われるグローバル企業ソアラ社の日本法人を舞台にした小説。資本主義、企業文化、価値感、イノベーション、技術、組織と人などについて非常に深く考えさせられる一冊。

小説と調査に基づく学術書を比較すべきではないことは重々承知しているが、クレイトン・クリステンセン先生の「イノベーションのジレンマ」以上のインパクトがあった。

特に、小説(ストーリー)という形でしか書けないと思われる全体の構造が見事に書かれており、現場で起こる現象がなぜ起こっているかを、断片的なステレオタイプの指摘ではなく、コンセプチュアルに把握できる。イノベーションや変革に携わっている方すべてに強くお奨めしたい。


続きを読む »

2013年12月 2日 (月)

人には教えたくない本

4903212459ダン・ゼドラ(伊東奈美子訳)「5 (ファイブ) 5年後、あなたはどこにいるのだろう?」、海と月社(2013)

お奨め度:★★★★★

書籍ブログを書いていると、数年に一冊くらいの感じで、人にはおしえたくないなあと思う本に出会うことがある。そんな本。

見る、読む、書くで読者の可能性を刺激し、楽しみながら、想像に溢れたこれから5年間の姿を見せてくれる本。実に楽しくて、良い本だ。

続きを読む »

2013年11月19日 (火)

プロフェッショナルからアグリゲーターへ

4822274179柴沼俊一、瀬川明秀「アグリゲーター 知られざる職種 5年後に主役になる働き方」、日経BP社(2013)

お奨め度:★★★★★

アグリゲーターとはあまり耳にしない言葉だ。この本のあとがきにも触れられているように、いまどき、インターネットで検索してみてもほとんど出てこない言葉だが、組織の枠にとらわれず、才能ある人、技術、チャンスをどん欲に巻き込みプロジェクトを遂行する。そんな人材を「アグリゲーター」と呼ぶ。この本はアグリゲーターとはどんな人で、アグリゲーターを育成することで会社や社会がどう変わるかを議論した本。


続きを読む »

2013年11月 6日 (水)

BCGの叡智のおすそ分け

4492557369マイケル・ダイムラー、リチャード・レッサー、デビッド・ローデス、ジャンメジャヤ・シンハ(御立 尚資監修、 ボストン コンサルティング グループ訳)「BCG 未来をつくる戦略思考: 勝つための50のアイデア」、東洋経済新報社(2013)

お奨め度:★★★★★+α


プロダクトポートフォリオマネジメントで知られるボストン・コンサルティング・グループが50周年を迎えるらしい。50周年に刊行された本がこれ。

彼らの叡智を

・変化対応力
・グローバリゼーション
・コネクティビティ(接続性)
・サステナビリティ(持続可能性)
・顧客視点
・組織能力向上
・価値志向
・信頼
・大胆な挑戦
・組織の力を引き出す

の11のテーマに分けて、50の論文を採録している。羅針盤ともいえるような一冊。


続きを読む »

2013年8月15日 (木)

忙しいマネジャーのためのマネジメント手法

4761269332高木 晴夫「プロフェッショナルマネジャーの仕事はたった1つ」、かんき出版(2013)

お奨め度:★★★★★

マネジメントにはどんな組織や部署、部下に対しても通用する「根本的な知識」があるがあり、それを学んで実践すれば誰もが優れたマネジャーになるという前提で書かれた本。特にプレイングマネジャーで忙しく、とてもマネジメントなんて考えていられないという方には奨めの一冊。また、これからマネジャーになっていく人は準備のためにぜひ読んで欲しい。


続きを読む »

2013年7月29日 (月)

現場主義のマネジメントの基本

447802409xエドワード・ライリー(渡部 典子訳)「アメリカの「管理職の基本」を学ぶ マネジメントの教科書―――成果を生み出す人間関係のスキル」、ダイヤモンド社(2013)

お奨め度:★★★★★

世界でもっとも大きく、歴史のあるマネジメント研修機関AMA(American Management Association)の公式テキスト「Business Boot Camp」の書籍化。AMAはドラッカーが支援したことで知られるが、ビジネススクールではなく、ドラッカーの教えを背景に持つ現場主義のマネジメントの研修を行っている。現場のマネジャーには是非とも読んで欲しい一冊だ。


続きを読む »

2012年11月30日 (金)

まずは、やらないことを決める

4532318270ピーター・ブレグマン(小川 敏子訳)「最高の人生と仕事をつかむ18分の法則」、日本経済新聞出版社(2012)

お奨め度:★★★★★

ピーター・ブレグマンはハーバード・ビジネス・レビューのサイトで最大の閲覧数を記録した人気のコラムニストである。彼のコラムをまとめた本がこれ。

46項目にわたる、少し、常識と異なることをさらっと述べている。内容は極めて濃い。

続きを読む »

2012年11月 9日 (金)

「なりたくなかった大人」にならないために

4861139716角大輔 「自由であり続けるために 20代で捨てるべき50のこと (Sanctuary books)」、サンクチュアリ出版(2012)

お奨め度:★★★★1/2

むかし、編集本としてやっていて、結構、好きだったシリーズ(?)。著者は、四角大輔さん。むかし、レコード会社のアーティストプロデューサーで、7枚のミリオンを出した人。今は、ニュージーランドの湖畔と東京を拠点として、ノマドライフを送りながら、日本やニュージーランドで企業のアドバイザーを務めているとのこと。

そんなキャリアを持つ著者が、自分の経験に基づき、自由に生きていくために20代で捨てるべきものを書いている。問題提起がすばらしい。多くの20代が、「なりたくなかった」大人になっていくのはなぜか。

続きを読む »

2012年5月27日 (日)

サーバントリーダーはメンバーの「ニーズ」に応える

4903212351ジェームズ・ハンター(高山祥子訳)「サーバント・リーダー 「権力」ではない。「権威」を求めよ」、海と月社(2012)

お奨め度:★★★★★

2004年にPHP研究所から「サーバント・リーダーシップ」のタイトルで出版されたジェームス・ハンダーの「The Servant」の新訳。原書は1998年の出版だが、ちょうど、勉強会で読む機会があり、すごく大切なことを学んだ本。

小説仕立ての本で、世界的なガラスメーカで例をみない若さで工場を任され、順調なキャリアを歩むジェネラルマネジャーが妻から警告され、教会の牧師に相談されることを提案され、牧師から修道院の修道会に参加することを提案される。気乗りはしなかったが、その修道院に伝説の経営者がいることに興味をひかれて、参加する。そして、その伝説の経営者から、リーダーシップを学ぶというストーリー。

続きを読む »

2011年7月 2日 (土)

仕事とは「やり直しの繰り返し」

416374150X 木村 俊介「仕事の話―日本のスペシャリスト32人が語る「やり直し、繰り返し」」、文藝春秋(2011)

お奨め度:★★★★★

インタビュアーという「仕事」を名乗り、当世きってのインタビューの名人が、週刊文春で連載していたインタビュー連載を本にまとめた一冊。非常に丁寧にインタビューされており、面白くまとめているので、読んでいると多くの気づきが得られると思う。「おわりに」も書かれていて、副題にもなっているが、仕事とは「やり直しの繰り返し」だという。これに共感できる人はぜひ読んでみよう!

続きを読む »

PMstyle 2024年4月~6月Zoom公開セミナー(★:開催決定)

アクセスランキング

カテゴリ

Powered by Six Apart

Powered by Google

  • スポンサーリンク
  • サイト内検索
    Google