ヒューマンソフトマネジメントスキル Feed

2006年6月13日 (火)

ハーバード流コミュニケーション作法

447849047301 Harvard Management Update編集部「対話力」(ハーバード・ビジネススキル講座)、ダイヤモンド社(2006)

お奨め度:★★★1/2

ハーバード・マネジメント・アップデートが作ったフェースツーフェースコミュニケーションに関するノウハウ本。論文というよりも、雑誌記事に近く、非常に分かりやすくコミュニケーションのノウハウを解説した記事を集めている。

ただし、視点の斬新さはさすがと思わせるものがあり、

1)話し言葉の使い方

2)非言語コミュニケーションの使い方

3)相手のシグナルを読む

4)プレッシャー下のコミュニケーション

など、かなり、高等なコミュニケーションスキルが並んでいる。多くの記事は読んですぐに実行するのは少し難しいように思う。しかし、頭に入れておくと、後で役に立つと思うようなものが多い。

ヒューマンスキルというよりも、ヒューマンスキル、思考スキル、ソフトマネジメントスキルなどの総合力としての対話力を探求しているような一冊である。

なお、同じシリーズでもう一冊、出版された。

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Harvard Management Update編集部「提案力」(ハーバード・ビジネススキル講座)、ダイヤモンド社(2006)

こちらは、プレゼンテーションに関して、同じテーストでまとめられている。

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2006年4月28日 (金)

現場を動かすマネジャーのノウハウ

475721227501lzzzzzzz デューク・コーポレート・エデュケーション(嶋田水子訳)「現場を動かすマネージャーのための『人を活用する技術』」、アスペクト(2006)

お奨め度:★★★★

MBA教育で有名なデューク・コーポレート・エデュケーションが作った戦略マネジメントの実践書シリーズ。この本は、「人間関係」に注目して、プロジェクトを如何に動かすかというテーマで書かれている。プロジェクトマネジメントは人のマネジメントであるとはよく言われるが、この本を読んでいるとまさにそれを実感できる。

ネットワーク地図としてステークホルダ分析をし、ステーク彫るだの関係マネジメントをしていることによってプロジェクトを進めていくための指南書となっている。章ごとにチェックリストもあり、自分がどれだけ実践できているかを確認しならが読み進めていける。

475721228301lzzzzzzz 併せて読んでほしいのが同じシリーズのこの本。

デューク・コーポレート・エデュケーション(嶋田水子訳)「現場を動かすマネージャーのための『強いチームをつくる技術』」、アスペクト(2006)

「チームの目的意識が低く、結果を達成できない」「チームの仕事量が多くて、部下がこなせない」「各メンバーがバラバラで、チームである意味がない」といったチームパフォーマンスの問題に対して、チーム内の整備、環境の整備などの視点から解決策を与えている。

チームマネジャーの必読書。

もう一冊ある。

475721226701lzzzzzzz デューク・コーポレート・エデュケーション(嶋田水子訳)「現場を動かすマネージャーのための『戦略を実行する技術』」、アスペクト(2006)

たぶん、この本が本丸だと思うが、この本は計画を実行する技術と置き換えてもよいだろう。「トップが考えた戦略に部下が反発して、動いてくれない」「仕事が多すぎて、何から手をつけていいのかわからない」「現場の声がトップに届かず、戦略にも反映されない」といった問題に対する解決策が提言されている。

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物語をビジネスで使う

483792179501lzzzzzzz 平野日出木「「物語力」で人を動かせ!―ビジネスを必ず成功に導く画期的な手法」、三笠書房(2006)

お奨め度:★★★★

物語の重要性というのは、認識されているし、事例という点ではその有効性を示す事例は枚挙に暇がないといってもよいだろう。

ただ、体系的な実践となると、たとえば、松岡正剛氏が京都の文化を物語で後世に伝えていくといった試みをされていたり、神戸大学の金井先生がマネジメントにおける語り部の役割と重要性を整理されているような事例はあるものの、なかなか、一般的なビジネスパーソンが使えるようなレベルのものはなかった。

その意味でこの本は画期的。物語の作り方を体系的に示している。その手順に従えば誰にでも物語が書けるとは言わないが、物語というキーワードだけで独自の発想でやることに較べると格段に品質の異なる物語が作れることは確かだ。

重要性などについて書いている部分はそんなに目新しさはないが、トータルでは画期的な一冊だと思うし、読んでいくうちに、自分もビジネスの中で使えるのではないかという気になる本である。

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2006年4月25日 (火)

風が吹けば桶屋が儲かる...か?

402250084001lzzzzzzz ロバート・グーラ(山形浩生訳)「論理で人をだます法」、朝日新聞社(2006)

お奨め度:★★★1/2

過激なタイトルがつけられているが、交渉術の本だと考えてよい。

日本では、「風が吹けば桶屋が儲かる」という論理があるが、この手の論理を集めた本。読んでいて大変面白い。山形浩生氏による翻訳というのもいい。非常に日本語がウィットに富んでいる。

この本の主張は「論理的な正しさ」と「内容の正しさ」は違うということ。政治家、セールスマン、コンサルタント、宗教家などの腕はこの差で決まるという。確かにそうである。他の商売はよくわからないが、コンサルタントは、論理的な正しさが必須で、ある意味でこの本に書いてあるように論理を悪用しないと成功しない。

目からうろこの一冊。

現場リーダーの技術

479733350201lzzzzzzz 岡島幸男「プロジェクトを成功させる 現場リーダーの「技術」」、ソフトバンククリエイティブ(2006)

お奨め度:★★★★

最近、アジャイル開発を中心に注目されているプロジェクトファシリテーション、見える化の技術の集大成。

アクションかんばん、キャラクターマップ、3Pフレームワーク、議事録ドリブン会議、朝会、KRT、タイムライン

ソフトウエア開発の現場で使われているツールであるが、体系的に整理し、行動モデルの中で位置づけているので、やり方だけではなく、意義がよく分かる。

プロジェクトファシリテーションという考え方は地に足がついていないと成立しない方法であるが、いいとこどりをして、少しずつ、定着させていくガイドブックとしては最適の一冊である。

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2006年3月20日 (月)

パワー交渉術

492511258901lzzzzzzz ジム・トーマス(安達かをり訳)「パワー交渉術―絶対に成功する21のルール」、トランスワールドジャパン(2006)

お奨め度:★★★★

ジム・トーマスは弁護士や実業家であるとともに、世界的に著名なネゴシエータである。そのトーマスの交渉術をまとめた一冊。彼のノウハウのすべてが、

21のルールと、50の金言として整理されている。ルールは「7つの決定的なルール」、「4つの重要だが、当たり前のルール」、「10のちょっとしたコツのルール」の3つのカテゴリに分けられている。7つの決定的なルールとは

 ルール1:タダで物をあげない

 ルール2:高い要求から始める

 ルール3:劇的な最初の譲歩の後には、極端に少ない譲歩をする

 ルール4:早めにそして、マメに粘る

 ルール5:個別に問題を解決してはいけない。最終的には、抱き合わせ案としてのみすべての問題を解決しよう

 ルール6:「もうひと押し」して交渉をまとめる

 ルール7:創造的な譲歩(価値が高く、低コストな)を追求する

の7つである。これに対して、ルール1では、トーマスの金言として

 ・代わりに何かを得ることなく譲歩をするな

 ・相手に「ノー」と拒否するのは避けるべし。「いいですよ、もし」の方がよい

などである。役に立つ一冊。

蛇足だが、この本の冒頭に、彼のお国柄による交渉術の巧拙に関する評論がある。彼によると日本人は世界でも屈指の交渉術を持つ国だそうである。これについては、こちら。

2006年2月18日 (土)

ビジネス人間学

453231265501lzzzzzzz ハーヴィ・マッケイ(栗原百代)「ビジネス人間学―「超」のつく成功者になる94の法則」、日本経済新聞社(2006)

お奨め度:★★★★

サブタイトルの方をみて、最近、多い成功本かと思って手にとってみたら、深い。ビジネスにおける人間関係の構築や維持に非常に役に立つTips集である。全世界で400万部売れているというのも納得の一冊だ。

キャッチテーマは帯にあるように

 人生の大草原をサメに食われずに泳ぎ切れ!

である。ビジネスにおける人間(相手)をサメだと比喩しているのはやはりすごい知見である。どんなビジネスにおいても、人間は一つ間違えれば危険極まりない存在になる。それをうまく乗り切っていくのは、確かに成功者の条件である。

第1章は「今夜の試合のチケット、一万5000枚ください」と風変わりなタイトルになっているが、この本の言いたいことはここに集約されているというか、このような状況を乗り切るためのTipsが書かれている。

この本はすばらしいと思うが、反面、この分野というのはカーネギーという古典に尽きるという442210051309lzzzzzzz 気がしないでもない。

デール・カーネギー「人を動かす 新装版」、創元社(1999)

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2006年2月 5日 (日)

ケースで鍛えるリーダーシップ

447836088x09lzzzzzzz 保田健治「ケースで鍛える 人間力リーダーシップ」、ダイヤモンド社(2006)

お奨め度:★★★★

リーダーシップを中心に、他人に影響を与えるヒューマンスキルを29のケースで学べるようになっている、ありそうでなかった本。

扱われているケースは

ケース1「リーダーは俺だ! 俺についてこい!」
ケース2「教えるより、自分でやったほうが早いよ」
ケース3「『いつでも相談に来い』と言ったって・・・」
ケース4「メンバーが未熟で、何も任せることができない!」
ケース6「チームリーダーとして一所懸命やっているのに……」
ケース7「現状維持だけを続けても将来はない」
ケース8「本当に、言ったとおりにやらないんだからな!」
ケース9「悪い報告こそ、早く報告してほしいのに……」
ケース10「あいつ、携帯電話にも出ないよ!」
ケース11「マニュアルどおりでも問題は解決しない」
ケース12「リーダーの指示に年上のメンバーが従わない」
ケース13「すべてに消極的な年上のメンバーをどう扱う?」
ケース14「チーム活動に非協力的なメンバーを、いかに協力させる?」
ケース15「どうすればメンバーのコミットメントを引き出せるのか?」
ケース16「そうして改革が必要なのか」
ケース17「業績が悪いのはビジネス環境の変化のせい?」
ケース18「やるべきことはやっている。でも・・・」
ケース19「部門間の不協和音はなぜ起こるか」
ケース20「だれがチェックを怠ったのか?」
ケース21「メンバーにノウハウを開示するのは損ですか?」
ケース22「急がば回れは、組織のパワーを高める」
ケース23「形だけのチームミーティングに意味はあるか」
ケース24「一方通行のミーティングでは人はついてこない」
ケース25「そんなことをしても、僕の成績にならないし……」
ケース26「リーダーに求められているのは実行なのに」
ケース27「顧客重視の姿勢と現実対応は相容れないのか」
ケース28「どの部門も自部門の最適しか考えないのだろうか?」
ケース29「現場の反発で立ち消えになった会社の方針」
ケース30「部門間の連携がうまく行かない最大の理由」

の30である。ひとつでも、あなたのかかえている問題に該当するものがあれば、読んでみる価値はあるだろう。これらのケースはアンケートに基づいて作られているようで、そこから、チームビルディングに対する理論構築を行っている。もう少し、具体性がほしいような気がするが、まあ、その辺りはケースでカバーしてくれということだろう。

多くのケースはきわめてよくできている。

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モチベーションマネジメントの決定版

490123480309lzzzzzzz デビッド・シロタ(スカイライトコンサルティング訳)「熱狂する社員 企業競争力を決定するモチベーションの3要素」、英治出版(2006)

お奨め度:★★★★

モチベーションの源泉を体系的に分析した本。非常に面白いし、参考になる。何よりもすばらしいのは、膨大な調査を元に書かれていること。本書は、世界各国、総計250万人もにおよぶビジネスパーソンへの取材に基づいて書かれている。

取材の対象には、IT企業のエンジニア、大手製造業の社員、大好きだった職を失ったビジネスマン、パートタイム労働者、経営管理に日々頭を悩ます管理職、ボタン工場の職人など、本当にさまざまな職業の人、さまざまな立場の人が含まれている。

このためか、えっと思うような指摘も多い。マネジャーの方の頭をやわらかくするにももってこいの一冊だと思う。

この本の結論はタイトルにあるように、企業の競争力の源泉になるモチベーションの要素が、公平感・達成感・連帯感の3つであるという、聞けば当たり前の結論である。しかし、その結論(理論)に含まれる要素は非常に説得力があり、モチベーションマネジメントの決定版と言ってよい1冊だ。

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2006年1月27日 (金)

はぐらかしの達人になろう

453231259001lzzzzzzz 梅森 浩一「「はぐらかし」の技術」、日本経済新聞社(2006)

お奨め度:★★★★

小泉首相の答弁を見ていて、不思議なのは、明からの話をはぐらかしているのだが、後味が悪くないことだ。これがはぐらかしの天才といわれる所以だろう。

ところが一方で、誰とは言わないが、一回のはぐらかしに、それをどんどんと突っ込まれて、それが致命傷になった政治家もいる。

民主党が岡田党首だったころ、小泉首相との党首討論を見ていると、この「はぐらかし」が極めて重要だと感じさせる場面がよくあった。直球勝負だけでは身が持たない。

さて、この本は、いまや、ビジネス道のグルの一人になった雰囲気のある梅森 浩一氏が「はぐらかし」という一風変わったテーマで書いた本である。この本では、よいはぐらかしと、やってはならない悪いはぐらかしに分け、よいはぐらかしのテクニックを説いている。

なかなか、面白い。梅森氏がはぐらかしの基本テクニックとして進めているのは、大きくわけると「ずらす」ことと「力関係を利用すること」である。

ずらすテクニックとしては

1)目標をずらす

2)相手にずれてもらう

3)自分の気持ちをずらす

4)ずれたケースをあげる

5)言葉のイメージをずらす

6)キャライメージをずらす

の6つ、力関係を利用するテクニックとしては

7)説得力のありそうな人を出す

8)流行り言葉をちりばめる

9)具体的だけど本筋にあまり関係のない数字をあげる

10)経験の有無の差をつく

11)都合のいいようにまとめる

の5つ。これを読んで心当たりがあって、にやりと笑った人も少なくないだろう。よくぞ、ここまで体系化したという感じだ。

とりあえず、読んでみよう!

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