はぐらかしの達人になろう
梅森 浩一「「はぐらかし」の技術」、日本経済新聞社(2006)
お奨め度:★★★★
小泉首相の答弁を見ていて、不思議なのは、明からの話をはぐらかしているのだが、後味が悪くないことだ。これがはぐらかしの天才といわれる所以だろう。
ところが一方で、誰とは言わないが、一回のはぐらかしに、それをどんどんと突っ込まれて、それが致命傷になった政治家もいる。
民主党が岡田党首だったころ、小泉首相との党首討論を見ていると、この「はぐらかし」が極めて重要だと感じさせる場面がよくあった。直球勝負だけでは身が持たない。
さて、この本は、いまや、ビジネス道のグルの一人になった雰囲気のある梅森 浩一氏が「はぐらかし」という一風変わったテーマで書いた本である。この本では、よいはぐらかしと、やってはならない悪いはぐらかしに分け、よいはぐらかしのテクニックを説いている。
なかなか、面白い。梅森氏がはぐらかしの基本テクニックとして進めているのは、大きくわけると「ずらす」ことと「力関係を利用すること」である。
ずらすテクニックとしては
1)目標をずらす
2)相手にずれてもらう
3)自分の気持ちをずらす
4)ずれたケースをあげる
5)言葉のイメージをずらす
6)キャライメージをずらす
の6つ、力関係を利用するテクニックとしては
7)説得力のありそうな人を出す
8)流行り言葉をちりばめる
9)具体的だけど本筋にあまり関係のない数字をあげる
10)経験の有無の差をつく
11)都合のいいようにまとめる
の5つ。これを読んで心当たりがあって、にやりと笑った人も少なくないだろう。よくぞ、ここまで体系化したという感じだ。
とりあえず、読んでみよう!
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目次
PartⅠ.やってはいけない!
相手を怒らせるダメなはぐらかし
PartⅡ.はぐらかしのテクニック(基礎編)
PartⅢ.はぐらかしの正しい利用法(応用編)
PartⅣ. はぐらかしへの「切り返し」法
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