議論を見える化する
堀 公俊、加藤 彰「ファシリテーション・グラフィック―議論を「見える化」する技法」、日本経済新聞社(2006)
お奨め度:★★★★
ファシリテーションの本を何冊も読んで、話は分かるのだが、どうも腑に落ちないと思われた方はすくなくないのではなかろうか。この本はこの答えを与えてくれる。
この本では、議論の見える化をテーマにしている。この本で言っている見える化とは、
議論を如何に図に要約するか
という技術である。この技術を、ファシリテータのあまたの中の動きから、具体的に、ホワイトボードや模造紙に書くときの文字の大きさや書き方、色の使い方、挿絵の使い方など至るまで具体的に説明している。特に第4章は、ファシリテータのあまたの中を解剖するということで、何を考えて何を書くかを時系列で説明しているので、非常に面白いし、有益である。
4章にかぎらず、本の中ではテーマに相応しくふんだんにビジュアルが使われており、たいへんよくイメージがつかめるので、読んだことをそのまま応用できるだろう。また、実際に作例がたくさん掲載されているので、それをじっくりと見ていくのもスキルアップに大いに役立つだろう。
ただし、誰でもがすぐにできるものではない。イメージを掴んだら、ひたすら実践してみることに尽きるだろう。その際、自分のアウトプットを持って、この本を読み直してみるのもよい。この本に書かれている(おそらくベテランファシリテータの)図と自分の図を比較してみることは非常に有効だと思われる。
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