物語をビジネスで使う
平野日出木「「物語力」で人を動かせ!―ビジネスを必ず成功に導く画期的な手法」、三笠書房(2006)
お奨め度:★★★★
物語の重要性というのは、認識されているし、事例という点ではその有効性を示す事例は枚挙に暇がないといってもよいだろう。
ただ、体系的な実践となると、たとえば、松岡正剛氏が京都の文化を物語で後世に伝えていくといった試みをされていたり、神戸大学の金井先生がマネジメントにおける語り部の役割と重要性を整理されているような事例はあるものの、なかなか、一般的なビジネスパーソンが使えるようなレベルのものはなかった。
その意味でこの本は画期的。物語の作り方を体系的に示している。その手順に従えば誰にでも物語が書けるとは言わないが、物語というキーワードだけで独自の発想でやることに較べると格段に品質の異なる物語が作れることは確かだ。
重要性などについて書いている部分はそんなに目新しさはないが、トータルでは画期的な一冊だと思うし、読んでいくうちに、自分もビジネスの中で使えるのではないかという気になる本である。
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目次
1章 これが論理を超える「物語」の説得力!―なぜ、いま「物語力」が必要なのか
2章 「言いたいこと」を「物語形式」にするテクニック―ストーリーの「基本要素」をつかむ
3章 こんな「ストーリー展開」が、人の心をつかむ!―新聞・雑誌の「物語記事」に学ぶ
4章 実践 「物語法」をプレゼンに生かす!―「ビジネス物語」の作り方
5章 ビジネスリーダーのための「物語」活用法―自分自身を「物語」の中に埋め込む
6章 企画、営業、マネジメント 「物語」はこう生かせ!―達人に学ぶ「ビジョン」の伝え方
7章 「物語的な仕事」ができる人の共通点―仕事が面白くなる!成果も上がる!
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