リーダーシップ Feed

2006年3月19日 (日)

7つの習慣を具体的に実践する

490663841401lzzzzzzz_1 スティーブン・コヴィー(フランクリンコヴィージャパン訳)「ビジネスに活かす12のストーリー―「7つの習慣」実践ストーリー<1> 「7つの習慣」実践ストーリー-希望とインスピレーションあふれる- (1)」、キングベア出版(2006)

お奨め度:★★★

コヴィーの7つの習慣を12のストーリーで説明している本。7つの習慣は、

主体性を発揮する
目的を持って始める
重要事項を優先する
Win-Winを考える
理解してから理解される
相乗効果を発揮する
刃を研ぐ

というリストを見る分には、「お~、そうだ」と思う。

しかし、本を真剣に読んでみても、なかなか難しいものがある。書いてある内容が難しく、ぴんとこないという人が多いのだ。

490663801509lzzzzzzz_1
スティーブン・コヴィー、ジェームス・スキナー(川西茂訳)「7つの習慣―成功には原則があった!」、キングベアー出版(1996)

昨年、このツール集が出た。フランクリンコヴィージャパンでは、7つの習慣を実行するためのツールを開発して、販売しているが、これを書籍として一般公開したものだ。

4906638384_1 スティーブン・コヴィー「7つの習慣 演習ノート―ビジネス、プライベート、家庭で、効果的な人生を送るための 成功への原則がよくわかる!」、キングベア出版(2006)

これをいろいろな人に紹介してみたが、やはり、ファシリテータがいないとツールを使いこなすのは難しいようである。

そこで、今回の本ということになろう。

12のストーリーで説明しようとしているが、いずれもショートショートであるので、これで具体的なイメージを持つのは難しいだろう。

ただし、同じ境遇にあれば、ぴんとくる可能性は多い。タイトルからも分かるようにこれからもシリーズ化をしていくようなので、そのうち、自分の抱えている問題に一致するものがでてくるかもしれない。気楽に待つとよいだろう。

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2006年3月 7日 (火)

周囲の人の支援を引き出すリーダーシップ

492511269401lzzzzzzz_1 サミュエル・ バカラック(坂東智子訳)「統率力。」、トランスワールドジャパン(2006)

お奨め度:★★★★

タイトルを見て手にとったが、手に取る前にイメージした「統率力」とはイメージが合わなかった。この本のキーワードが「政治的手腕」だったからだ。

読んでいくうちになるほどと思った。統率力というと、指導力と同じような響きがあり、人を上から引っ張っていくようなリーダーシップ論のイメージが強い。つまり、組織内の支持がポイントになっている。

しかし、この本は、組織外の支持、つまり、支援を引き出すことが同様に重要なポイントだと指摘しており、それゆえの政治的手腕の重要性を説いている。

確かに、戦国武将であれば、先頭に立ち、組織をまとめる能力が重視されるだろうが、ビジネス、特に最近のようなネットワーク経済下でのビジネスを考えると、自分の率いるチームを統率していく力としてより重要なことは外の支援をいかに引き出すことだというのは、なるほどと思うものがある。

これからのビジネスリーダー、プロジェクトリーダーにぜひ読んで頂きたい一冊である。

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2006年3月 6日 (月)

サーバントリーダーシップに注目!

479663934909lzzzzzzz 高橋佳哉、村上力「サーバント リーダーシップ論」、宝島社(2004)

お奨め度:★★★

日本で初めてサーバントリーダーシップ論を本格的に論じた本。

リーダーシップはただでも、「おばけ概念」であり、いろいろな解釈が成立し、正体不明である。ましてや、そこにサーバントという概念が入ると、複雑を極める。この本の内容は好川の考えるサーバントリーダーシップとは異なる部分があるが、この本としては、きちんと論として整合が取れた書き方がされている。

サーバントリーダーシップの書籍としては、この他では、

456963774409lzzzzzzz ジェームズ・ハンター(石田量訳)「サーバント・リーダーシップ」、PHP研究所(2004)

こちらは小説仕立て。仕事と私生活で挫折した一人の男が、修道院で伝説的なリーダーに出会うところから話は始まる。この男が、リーダーに感化され、部下に生きがいを持たせ、やる気を引き出すリーダーになっていく話。

どうも、宗教的イメージが付きまとってしまう。サーバントリーダーシップが日本でイマイチ理解されないのはこの点にあるのだろう。

同じく小説形式で、

482011691609lzzzzzzz ケン・ブランチャード、フィル・ホッジス、ビル・ハイベルス(小林薫訳)「新・リーダーシップ教本―信頼と真心のマネジメント」、生産性出版(2000)

という本もある。こちらは、上の本よりも、もっと宗教色がある。ただし、もし、その部分をうまく処理氏ながら読めるのであれば、この本が圧倒的にお奨め!1分間マネージャーのケン・ブランチャードの作だというのも、楽しめる。

もうひとつだけ紹介しておこう。

489361341309lzzzzzzz アレグザンダー・ベラルディ(広岡結子訳)「「いい人」だけがビジネスで成功する―得るためにはまず与える サーバント・リーダーシップという考え方」、はまの出版(2002)

という本がある。この本はさまざまなサーバントリーダーについて書かれている本である。必ずしも理論的な背景は明確ではないが、タイトルにあるとおり、得るために、まず与えるという行動の実践者の成功について紹介している。面白い本である。

ただし、若干、道徳くさい。

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2006年3月 1日 (水)

Energy, Energize, Edge, Execution

447836087109lzzzzzzz_1 ジェフリー・クレイムズ(沢崎冬日訳)「ジャック・ウェルチ リーダーシップ4つの条件」、ダイヤモンド社(2005)

お奨め度:★★★★

ジャック・ウェルチのリーダーシップ論について詳細に解説するととにに、そのようなリーダーシップのチェックや、習得方法について議論している。

ウェルチのリーダーシップ論は4Eといわれており

Energy

Energize

Edge

Execute

の4つである。この本ではこれを4つの条件を読んでいるが、これらを含みつつ、ウェルチの考えるリーダーのコンピテンシーを明確にしている。たとえが

・強力なリーダーは誠実な人格者である

・強力なリーダーはビジネスの能力と洞察力を持っている

・強力なリーダーはグローバルに考える

・強力なリーダーは顧客中心主義である

・変化を歓迎し、官僚主義を軽蔑する

・優れたリーダーはコミュニケーション能力が高く、相手に共感できる

・真のリーダーは効果的なチームを構築する

・最も優れたリーダーは組織の目標の実現に集中する

・最も優れたリーダーは大きなエネルギーを持ち、他人の行動を刺激する

・協力なリーダーは「伝染性の情熱」を持っている

・偉大なリーダーは実現し、結果を出す

・最も優れたリーダーは自分のやることを愛している

予断だが、楽天の三木谷社長のリーダーシップ論は、自分が元気であり、社員を元気にすることだそうだ。つまり、Energy&Energize である。

2006年2月18日 (土)

キャリアとリーダーシップ開発の具体的方法

456964863001lzzzzzzz 野口吉昭編、HRインスティテュート著「リーダーシップのノウハウ・ドゥハウ」、PHP研究所(2006)

お奨め度:★★★1/2

野口さんとHRインスティチュートのノウハウ・ドゥハウのシリーズは結構すきなのだが、この本は正直びっくりした。リーダーシップでこういう本が書けるのかという感じの一冊。

アマゾンでリーダーシップで和書を検索すると1670件出てきた。この中の1冊なのだが、類書がないのではないかと思う。

リーダーシップ本というと、

(1)理論的な解説を中心にした本

(2)エクセレントなリーダーを取り上げ、リーダーシップの解説をした

(3)特定のタイプのリーダーシップを取り上げ、リーダーの行動レベルに落とし込み、リーダーのとるべき行動を解説した本(いわゆるリーダーシップ本)

の3つの大別される。点数として圧倒的に多いのは、(3)と(2)であるが、どうしても、つまみ食い的になる感があるのは否めない。(1)は難しい。ちなみに(1)だと、金井先生が日経文庫に書かれた

リーダーシップ入門

がよい。

さて、この本だが、この3つのいずれにも当てはまらない。

金井先生が言われているように、リーダーシップの話はキャリアとの関連性が強い。これはもともとは、金井先生のお師匠さんである、MITのエド・シャインが言い出したことだが、例えば、金井先生が訳された本で、

決定的瞬間の思考法

などを読んでみると、そのよくイメージがわかる。

最近、リーダーシップをヒューマンスキルだと捉える傾向が強くなってきているが、リーダーシップはヒューマンスキルだけでは収まらないことは、例えば、GEの偉大なリーダーであるジャックウェルチの本を一冊読んで見ただけですぐに分かる。

447836087109lzzzzzzz ジェフリー・クレイムズ「ジャック・ウェルチ リーダーシップ4つの条件

野口さんの本は、キャリアとリーダーシップに対して、ノウハウ・ドゥハウらしい、具体的な方法論・ツールを提案している。どこまで方法論として成熟しているかは微妙であるが、結構、画期的な試みではないかと思う。

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2006年2月15日 (水)

リーダーの悪習慣

489346944409lzzzzzzz 山中英嗣「なぜか思考停止するリーダー―MBAホルダーに見るリーダーの落とし穴」、総合法令出版(2006)

お奨め度:★★★1/2

リーダーの陥りやすい落とし穴を

・場当たり

・想像力ゼロ

・お山の大将

・うすっぺら人間型

・暴走機関車型

の5つに分類し、それぞれに対して以下のような気づきを示している。

・言っていることと逆のことをやっていないかをチェック(場当たり)

・定義の違いを理解できていないのではないかチェック(想像力ゼロ)

・器が小さく、謙虚不在になっていないかチェック(お山の大将)

・仕事はできるが信頼ゼロになっていないかチェック(薄っぺら人間)

・相手のニーズを認識不能に陥っていないかチェック(暴走機関車)

なかなか、よくまとまっている。リーダーシップというのは具体的なイメージがつかめないと思っている人はこのような本を読んで、いわゆる悪習慣を知って、それを反面教師にしながら、自分の行動規範を作っていくのもよいだろう。

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2006年1月30日 (月)

リーダーがいつも考えていること

453231263901lzzzzzzz マーカス・バッキンガム(加賀山卓朗訳)「最高のリーダー、マネジャーがいつも考えているたったひとつのこと」、日本経済新聞社(2006)

お奨め度:★★★★

著者のマーカス・バッキンガムは80万部以上のベストセラーになった

マーカス・バッキンガム、カート・コフマン(宮本喜一訳)「まず、ルールを破れ―すぐれたマネジャーはここが違う」、日本経済新聞社(2000)

の著者である。

453214867709lzzzzzzz_1 この本では、著者が世論調査で有名なアメリカの調査機関ギャラップで17年間に行った、8万人のマネジャーと100万人の従業員に行ったインタビュー調査をもとに、すぐれたマネジャーは何をし、何をしないのかを解明している。

   調査は、まず「すぐれたマネジャー」かどうかを見極めるため、各職場の従業員に一連の質問を投げかける。質問は調査の過程で抽出した12の項目からなり、従業員が最高のパフォーマンスを発揮し、高い生産性を上げているかを問っている。

しかし、12項目にはマネジャーが一見、矛盾する責任をまっとうしなければならないものが含まれている。すべてに高得点を出すのは、常識では不可能になるという非常にユニークなものである。マーカス・バッキンガムはこれから、すぐれたマネジャーは常識では考えられないアプローチをとっていることを結論している。

この本は、この調査を踏まえて、独特のマネジャー論を展開している。タイトルにあるたったひとつ考えていることとは

バランスをとろうとするな、アンバランスをめざせ!

ということで、これは、前作の主張にも通じている。

この本を通じて主張されていることは、すぐれたマネジャーは

・部下一人ひとりの個性に注目する

・部下たちに共通の不安に注目する

・何をしないかに注目する

という3つである。

ちなみに、「まず、ルールを破れ」と同じ調査でもう一冊の本を書いている。それは、

453214947909lzzzzzzz マーカス・バッキンガム、ドナルド・クリフトン(田口俊樹訳)「さあ、才能(じぶん)に目覚めよう―あなたの5つの強みを見出し、活かす」、日本経済新聞社(2001)

で、併せて読んでみることをお奨めする。

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2005年10月 9日 (日)

トリプルAのリーダーシップ論

B000bkf3zg01 Harvard Business Review (ハーバード・ビジネス・レビュー)2005年11月号

特集 トリプルAのリーダーシップ論

詳細目次はこちら(アマゾンではありません。ダイヤモンド社のサイトですので、ご注意ください)。

好川が参考になった記事ベスト3

(1)ラム・チャラン「CEOの「発掘・育成・選抜」のプロセス」

CEOの発掘・育成・選抜のプロセスは体系的なものではなく、概して場当たり的である。GEやP&G、J&J、コルゲートなど、好業績を持続している企業には、優れた後継者育成プログラムがある。この重要課題こそ、ベスト・プラクティスに学ぶべきだ。

(2)マーカス・バッキンガム「エクセレント・マネジャーの資質」

凡庸なマネジャーとエクセレント・マネジャーを分ける資質について、8万人に及ぶデータとインタビューから分析すると、「人々の個性を尊重する」能力に優れていることが判明した。このような能力を構成するスキルについて議論している。

(3)ハーミニア・イバーラ、ケント・ラインバック「キャリア転換を成功させるコミュニケーション術」

だれもがキャリアの転機に不安を感じるものだ。「ストーリー・テリング」の技術を使って、キャリアの転換期の不安を解放する方法を論じている。実在のケースをひもときながら、説得あふれる自分史づくりのコツを紹介している。

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2005年10月 7日 (金)

羊の群れのようにチームを動かす

479421437509 ケヴィン・レーマン、ウィリアム・ペンタック「頑固な羊の動かし方―1人でも部下を持ったら読む本」、草思社(2005)

お奨め度:★★★★

3年くらい前に、「成功するオフィス・ポリティクス」というちょっと変わった本が出版されている。社内政治を積極的に活用しようという趣旨の本だが、とても気に入っている本の1冊である。

この本と同じ川村透さんの訳の本だったので、手にとってみたら、面白かった。羊のメタファでどこまで実感がわくか微妙であろうが、テーマパークとかで羊の群れを操る光景を見たことがある人には、この本に書かれていることは、行間も含めて、とてもよくわかるだろうし、その意味ではよい本である。

例えば、羊の群れを追うときには、全体を見るのではなく、個々の羊の性格を知ってコントロールしないとうまく行かないなどは、非常によくわかる。マネジメントでも基本中の基本である。

イメージ的に、管理術を想像されるかもしれないが、基本的には自律型チームのマネジメントに関する本である。この本に書かれているリーダーの心得を見ると

 ・相手を信頼して、目標を高く設定すること

 ・こちらから信頼しないかぎり、相手に信頼されることはない

 ・自分の価値、ビジョンを伝え続ける

 ・マイナス思考の人間を排除する

といったことが書いてある。

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2005年9月20日 (火)

あなたはプロジェクトリーダーになれるか?

489684144109 梅森浩一「成果主義時代のリーダーになれる人なれない人」、IBCパブリッシング(2005)

お奨め度:★★★★

梅森浩一さんの本は何冊か読んだが、結構、刺さる本が多い。その中でもこの本はいい本だ。

梅森さんがこの本で言おうとしているのは

より少ない人数でより多くの仕事をこなすリーダーシップとはどんなものか

ということである。

第1章が梅森さんの真骨頂かもしれない。「リーダーシップの値段」。成果主義であれば、リーダーシップも値段がつく。階層型組織の末端までリーダーシップがあるかどうかによって、その企業の業績は大きな差がつく。では、リーダーシップは株価の何%の影響を持っているのか?答えは本を読んで戴くとして、この章がこの本では一番面白い。

2章以降は、そのようなリーダーシップの分析と構築方法。一応、第1章で述べたことに対して、向き/不向き、および、リーダーシップ行動がロジカルに述べられている。

議論そのものは、一般的な企業を対象にしているが、この本、実はプロジェクトリーダーにぴったりとはまっている。

プロジェクトリーダーの手前にいる人、ぜひ、読んでみよう。

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