周囲の人の支援を引き出すリーダーシップ
サミュエル・ バカラック(坂東智子訳)「統率力。」、トランスワールドジャパン(2006)
お奨め度:★★★★
タイトルを見て手にとったが、手に取る前にイメージした「統率力」とはイメージが合わなかった。この本のキーワードが「政治的手腕」だったからだ。
読んでいくうちになるほどと思った。統率力というと、指導力と同じような響きがあり、人を上から引っ張っていくようなリーダーシップ論のイメージが強い。つまり、組織内の支持がポイントになっている。
しかし、この本は、組織外の支持、つまり、支援を引き出すことが同様に重要なポイントだと指摘しており、それゆえの政治的手腕の重要性を説いている。
確かに、戦国武将であれば、先頭に立ち、組織をまとめる能力が重視されるだろうが、ビジネス、特に最近のようなネットワーク経済下でのビジネスを考えると、自分の率いるチームを統率していく力としてより重要なことは外の支援をいかに引き出すことだというのは、なるほどと思うものがある。
これからのビジネスリーダー、プロジェクトリーダーにぜひ読んで頂きたい一冊である。
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目次
序論 アイデアだけでは成功できない!
第1部 まわりの人たちとの距離を測る(反論を予測する
まわりの人たちの目標と取り組み方を分析する
まわりの人たちの行動パターンを知る
同調者と抵抗者を見分ける)
第2部 まわりの人たちを味方につける(同盟をつくる
信頼を得る
初期のサポートを得る
自分の行為を正当化する)
第3部 事を起こす(同盟に引き入れる
アイデアを定着させる
同盟を率いる)
結論 政治的手腕のあるリーダー
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