リーダーがいつも考えていること
マーカス・バッキンガム(加賀山卓朗訳)「最高のリーダー、マネジャーがいつも考えているたったひとつのこと」、日本経済新聞社(2006)
お奨め度:★★★★
著者のマーカス・バッキンガムは80万部以上のベストセラーになった
マーカス・バッキンガム、カート・コフマン(宮本喜一訳)「まず、ルールを破れ―すぐれたマネジャーはここが違う」、日本経済新聞社(2000)
の著者である。
この本では、著者が世論調査で有名なアメリカの調査機関ギャラップで17年間に行った、8万人のマネジャーと100万人の従業員に行ったインタビュー調査をもとに、すぐれたマネジャーは何をし、何をしないのかを解明している。
調査は、まず「すぐれたマネジャー」かどうかを見極めるため、各職場の従業員に一連の質問を投げかける。質問は調査の過程で抽出した12の項目からなり、従業員が最高のパフォーマンスを発揮し、高い生産性を上げているかを問っている。
しかし、12項目にはマネジャーが一見、矛盾する責任をまっとうしなければならないものが含まれている。すべてに高得点を出すのは、常識では不可能になるという非常にユニークなものである。マーカス・バッキンガムはこれから、すぐれたマネジャーは常識では考えられないアプローチをとっていることを結論している。
この本は、この調査を踏まえて、独特のマネジャー論を展開している。タイトルにあるたったひとつ考えていることとは
バランスをとろうとするな、アンバランスをめざせ!
ということで、これは、前作の主張にも通じている。
この本を通じて主張されていることは、すぐれたマネジャーは
・部下一人ひとりの個性に注目する
・部下たちに共通の不安に注目する
・何をしないかに注目する
という3つである。
ちなみに、「まず、ルールを破れ」と同じ調査でもう一冊の本を書いている。それは、
マーカス・バッキンガム、ドナルド・クリフトン(田口俊樹訳)「さあ、才能(じぶん)に目覚めよう―あなたの5つの強みを見出し、活かす」、日本経済新聞社(2001)
で、併せて読んでみることをお奨めする。
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目次
第1章 「たったひとつのこと」について知る必要のある、いくつかのこと
第2章 マネジャーとリーダー――どうちがうのか?
第3章 すぐれたマネジャーはチェスをする
第4章 すぐれたリーダーは未来を描く
第5章 何をするかではなく、何をしないか
第6章 三つの主張
第7章 これで成功は継続しない
エピローグ アンバランスであることをめざして
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