リーダーシップ Feed

2007年11月21日 (水)

人間力を鍛える本

4569694446 岡本呻也「 「超」人間力」、PHP(2007)

お薦め度:★★★★

人間力を認識レベル、行動レベル、自己とのかかわり、他者とのかかわりの4つに分け、それぞれについて、エピソードを示すことによって、人間力を学ぶことをコンセプトにした一冊。

エピソードは、ビジネス界のエピソードから、歴史上の著名人、フィクションの主人公など幅広く、できるだけよいエピソードを取り上げる工夫がされている。

エピソードから学ぶべきことの解説も簡潔で分かりやすく、気楽に読みながら、人間力強化に役立つのは非常によい。一冊買っておいて、繰り返し、眺めるとよいだろう。

取り上げているエピソードは以下のようなものだ。

落語「岸流島」戦わずして勝つ方法を考えよ
自動車トップセールスマンの「心をつかむワザ」
新規開業医院が狙う看板の意外な効果
四面楚歌 史上最大の心理戦
相手の懐に飛び込むアイデア営業術/ナポレオンの演説術
営業現場で起きている会社崩壊
意表をつく一言で不安を鎮めた大山巌
松下幸之助の腰の低さ
キスカ撤退作戦で5000人以上の命を救った木村少将
シャーロック・ホームズの観察眼
美人を口説く凄腕スカウトの目線
田中角栄  知より情の人心掌握術
戦闘機パイロットの「クロスチェック」
曹操「梅を望んで渇きを止む」
『米百俵』常在戦場

4408395501同じ著者のこの本もよい。同じようなテーストだが、こちらはインタビューなどを中心に人間力の抽出をしている。その意味で、「超」人間力の原点はこの本にあるのかもしれない。

岡本呻也「 「人間力」のプロになる―誰もここまで教えてくれなかった仕事ができる人の基本メソッド」、実業之日本社(2004)

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2007年11月20日 (火)

プロジェクトマネジャーの人間術

4872686721 Steven W. Flannes、Ginger Levin(PMI東京支部/吉沢 正文監訳)「プロジェクト・マネジャーの人間術」、アイテック(2007)

2005年に米国で発刊された「Essentail People Skills for Project Management」の翻訳。PMI東京支部の有志が翻訳している。

プロジェクトマネジャーの役割を
 ・リーダー
 ・マネジャー
 ・ファシリテータ
 ・メンター
の4つとし、これらの役割を果たすのに必要なピープルスキル(人間術と訳している)を
 ・対人コミュニケーション
 ・動機付け
 ・コンフリクトマネジメント
 ・ストレスマネジメント
 ・トラブル
の視点から、ツールとして解説している。また、最後にキャリアとそれに伴う人間観という視点でどういう心構えでキャリア形成していくべきかを論じている。
本書の特徴は
(1)プロジェクトマネジメントプロセスに人間術を対応させている
(2)キャリアステージを強く意識した手法を提案している
の2つだろう。書かれている内容は、簡潔ではあるが、独自性が強く、非常に本質をついているように思える。その意味で、ハウツーものというよりも、教科書としてプロジェクトマネジャーが内省のインプットとして使うとか、あるいは、組織でプロジェクトマネジャーの教育やワークショップの教材として使うといった使い方が適しているように思える。

また、明確に書かれていないが、この本に書かれていることはプロジェクトマネジメントのスキルがあることを前提にしているように見える。その点でも、初心者がハウツーものとして読む本ではないように思う。典型的な対象読者を一つ上げると、「PMPを取って、実践しようとしてもなかなかうまくいかなくて困っている人」だ。日本ではPMPホルダーのマジョリティだと言われてるが、米国でこのような本が出版されていることは興味深い。

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2007年11月14日 (水)

現場中心のマネジメントに必要なリーダーシップ

476126473x 金井 壽宏、池田 守男「サーバントリーダーシップ入門」、かんき出版(2007)

お薦め度:★★★★★

神戸大学の金井先生が近年ずっと重要性を主張されているサーバントリーダーシップを、その実践者としての資生堂前会長の池田守男相談役とコラボレーションをした一冊。

第1章で最初に金井先生がサーバントリーダーシップの基本的な解説をされている。次に、第2章で池田さんがご自身の社長時代の店頭起点、逆ピラミッド型組織の施策について述べられ、それを支えてきたのが、サーバントリーダーシップであることを述べられている。

これを基調にて、第3章では金井先生と池田さんのサーバントリーダーシップをテーマにした対談が掲載されている。内容はビジネスはもちろんだが、社会におけるサーバントリーダーシップの議論までに及んでいる。

そして、最後に、4章で再び金井先生がサーバントリーダーシップの実践へのアプローチについてご自身の意見をまとめられている。

第1章のサーバントリーダーシップの体系的な解説については、まず、リーダーシップとは何かという問題から、金井先生の主張を述べた上で、提唱者といわれるロバート・グリーンリーフの理論を紹介されている。そして、従来のリーダーシップとサーバントリーダーシップがどう異なるかを解説するととにも、サーバントリーダーシップに関するよくある誤解に触れ、誤解の内容に理解することを求めている。

もっと、そこで書かれている誤解は、第2章の池田さんの話を読めばほとんど陥ることはないと思われる。池田さんはご自身が社長の時に、逆ピラミッド型の組織を提唱され、組織全体が前線で顧客に対応するBC(ビューティコンサルタント)を支えていく。そのためにミドルマネジャーは何をすればよいか、シニアマネジャーは何をすればよいか、そしてエグゼクティブや社長は何をすればよいかを明確にし、実践していくという施策を紹介されている。まさに、サーバントリーダーシップの実践である。

そこで疑問に思ったことは、第3章の対談で解決する。ここまでが、サーバントリーダーシップの理解であり、そのあと、サーバントリーダーを目指したいと思った人のために、アドバイスやガイドを4章で与えているので、盛り上がって読了できるだろう。

ビジネスの中でサーバントリーダーシップが効果的な局面は実に多いと思う。特に、金井先生や、金井先生の話を聞いた人が感じているように、変革型リーダーシップとしてサーバントリーダーシップは重要だ。その意味で、変革をプロジェクトで遂行していくことを考えると、プロジェクトスポンサーやプロジェクトマネジャーが身につけるべきリーダーシップの一つだと言えよう。

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2007年11月 7日 (水)

寓話で読む変革型リーダーシップ

4478000344 ジョン・コッター(藤原和博訳)「カモメになったペンギン」、ダイヤモンド社(2007)

変革リーダーシップのグル、ジョン・コッターが自らの説くチェンジマネジメントを寓話として描いた一冊。

ペンギンたちの住むコロニーが氷山の内部の融解により、崩壊の危機にあることを1人のペンギンが発見する。相手にされないままに何人かに伝えるが、やっと聞いてくれる人に出会う。そのペンギンはボスに窮状を訴える。ボスは抵抗勢力の抵抗をかわしながらも、問題解決に取り組む。

最初はみんな真剣だったが、よいアイディアが出てこず、だんだん、士気が低くなる。そうしたある日、カモメが飛んでいるのを発見する。何をしているのかと尋ねたところ、次に住む場所を偵察しているのだという。

これに刺激され、遊牧構想が生まれてくる。そこで、カモメにならい、次に住む場所を探す偵察を出すことにするのだが、大きな問題に直面する。ペンギンは自分の子供以外に餌をとってやらない。これでは偵察に出たペンギンの子供は飢えてしまう。

このような問題に対して、ほかの子供ペンギンが、偵察にいくペンギンをたたえるイベントを企画する。イベントにはみんなが餌を持ってくることになった。

こうして偵察隊を出すことができ、安全な住処を見つけ、難を逃れる。その後、ペンギンたちは、この制度をどんどん、改善していく。偵察への報償は大きくなり、その分、より条件のよい住処を探してくるようになる。

ざっとまとめるとこんな話だが、8つのプロセスのチェンジマネジメントで出てくるかなり多くのポイントが寓話の形で盛り込まれており、たいへん、役に立つ。

変革をする際の大きな問題に、多くの人が変革プロセスそのもののイメージができないという問題がある。このため、抵抗勢力とならなくても、変革の足を引っ張ることが多い。この問題に対して、寓話の形で変革ストーリーを共有するというのはよいアイディアではないだろうか?

コッターの考え方で変革に取り組む企業は多い。そんな企業のすべての人にお薦めしたい一冊である。

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2007年10月28日 (日)

一体感をめぐる冒険

4862760120 ジョセフ・ジャウォースキー(金井壽宏監修、野津智子訳)「シンクロニシティ 未来をつくるリーダーシップ」、英治出版(2007)

お奨め度:★★★★1/2

この記事で500エントリーになる。500エントリー目に残しておいた本を紹介しよう。「シンクロニシティ 未来をつくるリーダーシップ」。

ジョセフ・ジャウォースキーという「アメリカンリーダーシップフォーラム(ALF)」というリーダーシップ開発の団体を立ち上げた人物が、自叙伝の形で述べているリーダーシップの旅についてかいた本。

もともと、弁護士で、若くして法律事務所を立上げ、成功した著者は、リーダーシップの状況に問題意識を持ち、社会的起業家としてALFの立上げを決意する。それに集中していく中で、どんどん、離婚をし、ALFを立ち上げるまで、シンクロニシティに身を任せ、紆余曲折の中を進んでいく。その中で、自身、リーダーシップをめぐる旅をし、いろいろな人と出会い、いろいろなことを学び、仲間に巻き込んでいく。その中に、この本と一緒に英治出版が翻訳を出版したデヴィッド・ボームがいる。

デヴィッド・ボーム(金井真弓訳)「ダイアローグ 対立から共生へ、議論から対話へ」、英治出版(2007)

ALFが軌道に乗ったころ、シナリオプラニングと出会い、請われて、シェルグループのシナリオプラニングのリーダーとなる。その後、この本には出てこないが、金井先生の解説によるとMITの組織学習でコアメンバーとしての役割を果たし、現在はジェネロンコンサルティングを率いて、U理論を世に知らしめることに尽くしているとのこと。

この本の後の活動は、こちらの本を読めばよいだろう(超・難解!)

ピーター・センゲ、オットー・シャーマー、ジョセフ・ジャウォースキー、ベティ・フラワーズ(野中郁次郎, 高遠 裕子訳)「出現する未来」、講談社(2006)

非常に不思議な読後感の残る本である。僕は、この本は金井先生が話題にされているのを何度かお聞きしたし、ジョセフ・ジャウォースキー氏のリーダーシップの旅の根幹を成している、サーバントリーダーシップ、ダイアローグ、U理論という概念を齧っていたので、リーダーシップの本として読んだ。難しい本なので、どれだけ、ジョセフ・ジャウォースキー氏がこの本に託したメッセージが読めているかはよくわからないが、感じるものは多々あった。

ただ、これを前提なしに読めば、副題にある「未来を作るリーダーシップ」というのはきっとピンと来ないのではないかと思う(もちろん、僕なんかに較べるとはるかに洞察力に優れた人はそんなことはないだろうが)。そんなときに、リーダーになりたいと思うあなたが、偶然、このブログ記事を読んだことの意味をかんがえてみて欲しい。ここにも、この本でいうところのシンクロニシティ(共時性;因果関係では説明できない、偶然にもほぼ、時を同じくして生じる事象があること)があるのかもしれない。

併せて、お奨めした本が2冊ある。1冊は、この本で金井先生が紹介されているが、野田さんという方がリーダーシップの旅について書かれた本。

野田 智義、金井 壽宏「リーダーシップの旅 見えないものを見る」、光文社(2007)

もう1冊は、表現の手法は違うが、同じような視点から大規模な調査をした結果をまとめたこの本。

ビル・ジョージ、ピーター・シムズ(梅津祐良訳)「リーダーへの旅路―本当の自分、キャリア、価値観の探求」、社会経済生産性本部(2007)

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2007年10月15日 (月)

トヨタの奇跡

4478000794 高木 晴夫「トヨタはどうやってレクサスを創ったのか―“日本発世界へ”を実現したトヨタの組織能力」、ダイヤモンド社(2007)

お奨め度:★★★★1/2

トヨタものは多いが、この高木先生の一冊は分析の切り口(仮説)が見事で、非常に読み応えのある一冊である。

この本では、レクサスの成功要因を分析している。レクサスについては、これまでのトヨタスタイルで本当にできるのだろうかと懐疑的だった人が多い。現に、LSが出てくるまでに出たレクサスに関する本は、どうして失敗したのかとか、挫折とかそんなテーマだった。

この背景にいくつかの理由があるようだが、何よりも、トヨタとブランド確立、それも、高級ブランドの確立というのはイメージが分からないという人が多いのではないだろうか?

この一冊はトヨタの成功をいずれも人がベースになる5つの組織能力に整理している。以下の5つである。

(1)人のつながりによって仕事を成し遂げる能力
(2)創造の革新を人々のつながりを行き来させる活動の中から形成する能力
(3)リーダーの洞察を情熱で人々のつながりのエネルギーレベルを上げる能力
(4)誰と誰がつながると仕事が成し遂げられるかを誰もが考える能力
(5)誰がつながっても仕事が成し遂げられるような問題解決の共通基盤を持つ能力

この本はこの5つをケースストーリーで説明されており、最後に、それぞれの論理的な分析を解説するという形態をとっている。そのケースストーリーを読めば分かるのだが、当事者もやはりためらっていた。ところが、カローラをどんどん進化させるのと同じ流儀でやり遂げてしまうのだ。

その背景にあるのが、上の5つの組織能力というわけだが、何よりも人の持つ可能性を強く感じさせる。それはトヨタマン独特のものかもしれないし、日本人全般に通じるものかもしれない。

トヨタというのは成功要因が非常に分かりにくい企業である。ホンダなどと比べると、なぜ、成功しているのかまったく分からないといってもよい。しいてあげるのであれば、「やれることはすべてしている」といえよう。日産やホンダの特色のある部分と比べても、決して遜色を取らない。ある意味で、マネジメントとはこうやるという鏡だともいえる。

その中で、人と組織能力に注目して見事に成功要因を整理した本書は一読の価値があろう。

もちろん、高木先生の専門分野の組織行動論のテキストとしても一級品である。

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2007年10月 3日 (水)

上司とは理不尽な存在か?

4594054676 菊澤 研宗「なぜ上司とは、かくも理不尽なものなのか (扶桑社新書 16)」、扶桑社新書(2007)

お奨め度:★★★★1/2

著者は経済学(経済合理性)の視点から組織論を研究している学者である。2000年に

組織の不条理―なぜ企業は日本陸軍の轍を踏みつづけるのか

という本が出版されて、さらっと読んで面白いことを考える人だという印象を持っていたが、同じように、軍組織ねたで、最近、出版された

4334034136 「命令違反」が組織を伸ばす

はすごく大切なことのエッセンスが書かれているので、いずれ、ブログで紹介しようと思っていた。ただ、この本、事例が詳しすぎるので、ためらっていたのだが、ちょうどよい本が出た。今回紹介する本がそれ。今回の本は、ビジネスねたで書かれていて、上の2冊と同じように、人間が如何に合理的な判断ができないかというのをわかりやすく解説している。

すぐに読めて、読んだ後で、「う~ん」と考えさせられる一冊だ。日本の組織で、部下は文句は言うし、批判するが、最後の行動では上司に従うことが多い。このため、組織変革が至難の業になっている。そんなマインドを一掃するのに、最適な本でないかと思う。

この本に併せて、以前、何かの記事で紹介した記憶があるが、この問題を文化的な側面から論じた橋本治氏の

4087202402 橋本 治「上司は思いつきでものを言う (集英社新書) 」、集英社(2004)

と併せて読んでみると面白いだろう。

2007年9月12日 (水)

ヒトデかクモか

4822246078 オリ・ブラフマン、ロッド・A・ベックストローム(糸井恵訳)「ヒトデはクモよりなぜ強い 21世紀はリーダーなき組織が勝つ」、日経BP社(2007)

お奨め度:★★★★

「本当に責任者のいない組織」が、どれだけ創造的で、従来の秩序を破壊し、経済的なインパクトを与えるのかについて述べた組織論。

著者は、このような組織をヒトデになぞらえ、その強さを事例としてeBayやSkypeなどのネット企業を通じて分析すると同時に、トヨタのマネジメントをその枠組みで分析し、日本型経営が目指す組織経営ではないかとしている。

日本型組織が責任のいない組織であり、ある意味でイノベーティブであるというのは経験的に正しいと思う。米国流の組織マネジメントのように、明確なガバナンスのもとに経営者から新入社員まで責任を分担するクモ的な組織運営は、実力のあるビジネスマンが集まる組織であれば合理性がある。それゆえに、自己責任による能力開発とセットになっている。

経営者は株主に対する短期のコミットメントが必要であり、社員も短期の業績評価が求められ、全ては経済的成果にベクトルが向けられる。しかし、これでは本当にイノベーティブなことはできない。もし、仮にこの本でいう「本当に責任者のいない組織」が存在可能であれば、イノベーションが生まれる可能性は多いだろう。一方で、この本で事例に書かれているトヨタを見ても、ガバナンスがないわけではない。どちらかというと、社員から見えない、あるいは意識しないようにされているだけだ。その意味で、この本に書かれているような単純な話でもないように思う。

その点も含めて示唆に富んだ一冊である。

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2007年8月10日 (金)

本物のリーダーを目指す人必読

4820118684 ビル・ジョージ、ピーター・シムズ(梅津祐良訳)「リーダーへの旅路―本当の自分、キャリア、価値観の探求」、社会経済生産性本部(2007)

お奨め度:★★★★1/2

ハーバード・ビジネススクール教授が125人のリーダーたちに行った詳細な面接調査をした結果から、キャリア、ライフ・ストーリーから、自分の価値観、プライオリティという視点から、リーダーシップとは何かを考えている。

リーダーシップに対しては、ステレオタイプの議論より、フィールドワークによるあぶり出しから、いろいろなことがわかることを改めて実感させてくれる。追求しているのは、本物のリーダシップとは何かという問題。そして、それをどのように探求していくかという問題。

これらの問題に対して、125人のインタービュー結果が非常に多くのことを雄弁に語ってくれる。どれを読んでも、トレーニングだけでリーダーシップが身につくという幻想を打ち破ってくれる。文字通り、リーダーシップの開発は旅であることを痛感させられる。

ちょっと高い本ですが、本物のリーダーになりたいと願う人、ぜひ、読んでください!値段以上に多くのものが得られるでしょう。

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2007年8月 3日 (金)

日本型組織をコーチングで動かす

4532111471 本間 正人「グループ・コーチング入門」、日本経済新聞社(2007)

お奨め度:★★★★

コーチングを組織文化として定着させることを前提に、そのためのコーチング手法としてのグループコーチングを解説した一冊。

コーチングの有効性は徐々に認識されるようになってきたが、あくまでも個人に対する働きかけであり、経営に対しては、個人を介して効果があるというところに留まっている。その中にはエグゼクティブコーチングという、より、経営に強い影響を持つ人に対する手法もあるが、本質的にこの構図が変わっているわけではない。

これが、コーチングに関心を持ちながら、今一歩、取り組みをためらる理由になっている。

本間さんがいうように、コーチングが組織文化として定着すれば、経営に対して直接的な効果がある。もっと、本質的には、個々に対するコーチングよりも、グループに対するコーチングの方が日本型の経営には適しているのではないかと思われる。

この手法は、特にプロジェクトマネジャーがプロジェクトチームを指導していく方法として適しているように思う。この本は、グループコーチングを大変わかりやすく、ポイントを指摘しながら書かれている。また、最後にわかりよいケーススタディが示されており、読めばある程度のことはできると思う。

プロジェクトマネジャーの方は必読の一冊だ。

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