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2007年11月 7日 (水)

寓話で読む変革型リーダーシップ

4478000344 ジョン・コッター(藤原和博訳)「カモメになったペンギン」、ダイヤモンド社(2007)

変革リーダーシップのグル、ジョン・コッターが自らの説くチェンジマネジメントを寓話として描いた一冊。

ペンギンたちの住むコロニーが氷山の内部の融解により、崩壊の危機にあることを1人のペンギンが発見する。相手にされないままに何人かに伝えるが、やっと聞いてくれる人に出会う。そのペンギンはボスに窮状を訴える。ボスは抵抗勢力の抵抗をかわしながらも、問題解決に取り組む。

最初はみんな真剣だったが、よいアイディアが出てこず、だんだん、士気が低くなる。そうしたある日、カモメが飛んでいるのを発見する。何をしているのかと尋ねたところ、次に住む場所を偵察しているのだという。

これに刺激され、遊牧構想が生まれてくる。そこで、カモメにならい、次に住む場所を探す偵察を出すことにするのだが、大きな問題に直面する。ペンギンは自分の子供以外に餌をとってやらない。これでは偵察に出たペンギンの子供は飢えてしまう。

このような問題に対して、ほかの子供ペンギンが、偵察にいくペンギンをたたえるイベントを企画する。イベントにはみんなが餌を持ってくることになった。

こうして偵察隊を出すことができ、安全な住処を見つけ、難を逃れる。その後、ペンギンたちは、この制度をどんどん、改善していく。偵察への報償は大きくなり、その分、より条件のよい住処を探してくるようになる。

ざっとまとめるとこんな話だが、8つのプロセスのチェンジマネジメントで出てくるかなり多くのポイントが寓話の形で盛り込まれており、たいへん、役に立つ。

変革をする際の大きな問題に、多くの人が変革プロセスそのもののイメージができないという問題がある。このため、抵抗勢力とならなくても、変革の足を引っ張ることが多い。この問題に対して、寓話の形で変革ストーリーを共有するというのはよいアイディアではないだろうか?

コッターの考え方で変革に取り組む企業は多い。そんな企業のすべての人にお薦めしたい一冊である。

目次

日本の読者へ ~ジョン・コッター
序文 ~スペンサー・ジョンソン
ようこそ
カモメになったペンギン
自分を変えて、成功を収めよう
変革を成功させる八段階のプロセス
考え方と感じ方の役割
訳者あとがき ~藤原和博

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藤原和博さんは公立学校でも変えていける言い、とても 信念の強い方です。 [続きを読む]

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