ドラッカー先生が他界されてそろそろ1年になろうとしている。すでに生前から神様みたいな存在だったからか、その影響力は変わることはない。やはり、圧倒的にいろいろな会話の中によく出てくる。もちろん、僕もメルマガ等でも引き合いに出すことが多い。
さて、そういうタイミングを見計らったわけでもないと思うが、最近、ドラッカーファンには見逃せない本が2冊出版された。
一冊目はこれ
P.F. ドラッカー編著「P.F. ドラッカー経営論」、ダイヤモンド社(2006)
ドラッカーといえば50冊以上の著作(オリジナル)がある。各国で出されている編著などを入れると、500冊を超えるといわれている。日本でも50冊以上ある。
その原点になっているのが、ハーバードビジネスレビューへの投稿だ。1950年に初めて寄稿した「経営者の使命」から最後の寄稿となった2004年の「プロフェッショナル・マネジャーの行動原理」まで34本の論文の投稿がある。この数も半端ではない。
これをすべて採録した待望の本がこの本。ちょっと高いがファンなら絶対に持っておきたい一冊。ちなみに、ハーバードビジネスレビューというと堅い論文誌のようなイメージがあるかもしれないが、ドラッカーの著作に関して言えば、後で本になるものよりは理解しやすい。ハーバードビジネスレビューが「たね」でそこから相当な哲学的考察を加えて本を作っているのではないかと思わすような感じだ。
その意味で、まず、この本で論文を読み、その後、書籍を読むのがよいと思う。
さて、もう一冊は、ドラッカーとは切っても切れない関係にある、上田惇生さんの一冊。その名もドラッカー入門。ご存知の通り、日本語で出版されているドラッカーの本はほとんど、上田惇生さんの翻訳によるもの。日本でもっともドラッカーを知り尽くした人だといえる。
その上田惇生さんは、どきどき、訳者前書きや、あとがきでご自身のドラッカー観を披露されているが、これまであまり、まとまった形では書かれていない。やっと出てきたかという一冊。
上田惇生「ドラッカー入門―万人のための帝王学を求めて」、ダイヤモンド社(2006)
この本もドラッカーファンにとっては、非常にうれしい一冊だ。もちろん、ドラッカーの理論に含まれる含蓄を易しく上田さん自身の言葉で解説されており、その意味で、ドラッカーの教えを実戦で活用したいと思っている人には見逃せない一冊だ。
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