フロー体験は偉大である
チャーリーン・ベリッツ、メグ・ランドストロム(菅靖彦訳)「パワー・オブ・フロー」、
河出書房新社(1999)
お奨め度:★★★★
最近、フロー体験に関する本を何冊か読んだが、チクセンチミハイルのフロー体験という概念を提唱した本は別格とすると、この本が秀作。
まず、フロー体験とは何かという話だが、これについては、こちらを参照してほしい。
この本は、ユングの提唱したシンクロニシティをフローと結び付けている。シンクロニシティは「共時性」とも訳され、複数の出来事が非因果的に意味的関連を呈して同時に起きる(共起する)ことをさしている。シンクロニシティの厳密な理解は難しいが、例えば、病院の窓から見える最後の一枚のはっぱが落ちたときに、患者が死んだとしよう。この2つの事象はまったく因果性はなく、単なる偶然なのだが、そこに意味づけをすることができる。これがシンクロニシティである。
このようなシンクロニシティの概念はフローをつくる上で不可欠なものである。如何に意味づけをできるかで、フロー体験をできるかどうかが、変わってくる。この意味づけの方法を、この本では、そのための9つの心の法則ということで紹介している。
後半は、フローで人生が変わるという内容。そんな例は結構見ているつもりだが、改めてこの本を読んでいると、そうだなあと思う。
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目次
第1章 フローとはなにか?
第2章 シンクロニシティとはなにか?
第3章 シンクロニシティがフローを招く
第4章 フローの力を生み出す九つの心の法則
第5章 フローによって変わる人生
第6章 レッスンをはじめるにあたって
第7章 自分自身を知るためのレッスン
第8章 心の環境を整えるためのレッスン
第9章 行動の指針となるレッスン
第10章 自分や他人とつながるためのレッスン
第11章 宇宙的視点を獲得する
第12章 フローの力が弱まったとき
あとがき シンクロニシティを超えて
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