しびれるマネジメント論
天外伺朗「マネジメント革命 「燃える集団」を実現する「長老型」のススメ」、講談社(2006)
お奨め度:★★★★★
この本の第4章はフロー理論について書かれている。「燃える集団」を作る方法をフロー理論で説明しようとしているのだが、その方法を「長老型マネジメント」と読んでいる。
文字通り、長老のようなマネジメントを行うことによってフローを作る。キーワードは包容力、やりすごし、空気のような上司など、管理型のマネジメントとは大きく異なる。また、管理型のマネジメントが形を変えたエンパワーメントとも違う。ガバナンスということをマネジメントの中心課題としない、まさに、日本で古くから行われているマネジメントだ。これをソニーの出身の著者が、井深大のマネジメントを引き合いに出して語っている。
読んでいて、こういう上司のいる職場で仕事をしたいと思う人は多いと思う。しびれる一冊だ。
やり過ごしの効用については、東京大学の
高橋伸夫「できる社員は「やり過ごす」、日本経済新聞社(2002)
で非常に面白い説明をされている。この本と併せて読んでみるとよいだろう。
この本、文庫本は2002年だが、単行本の初版は1996年。MBAに関心が高まり、戦略経営、成果主義に注目が集まっていたこのような本を書いた慧眼には本当に感服だ。高橋先生は、加護野、野中といったグルとは違った視点から日本型経営のよさを研究している研究者で、実務家としては注目した一人だ。
もうひとつ。フローについては、この本。
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