天野 祐吉「成長から成熟へ さよなら経済大国 (集英社新書)」、集英社(2013)
お奨め度:★★★★★+α
10月に死去された天野祐吉さんの遺作となるエッセイ。計画的廃品化、差異化、生活大国の3つにキーワードで、戦後の文明を広告を通じて論評している。
相変わらず、軽やかで、本質をついたエッセイもこれで読み納めかと思うと、残念だ。
マイケル・ダイムラー、リチャード・レッサー、デビッド・ローデス、ジャンメジャヤ・シンハ(御立 尚資監修、 ボストン コンサルティング グループ訳)「BCG 未来をつくる戦略思考: 勝つための50のアイデア」、東洋経済新報社(2013)
お奨め度:★★★★★+α
プロダクトポートフォリオマネジメントで知られるボストン・コンサルティング・グループが50周年を迎えるらしい。50周年に刊行された本がこれ。
彼らの叡智を
・変化対応力
・グローバリゼーション
・コネクティビティ(接続性)
・サステナビリティ(持続可能性)
・顧客視点
・組織能力向上
・価値志向
・信頼
・大胆な挑戦
・組織の力を引き出す
の11のテーマに分けて、50の論文を採録している。羅針盤ともいえるような一冊。
遠藤功「言える化 ー「ガリガリ君」の赤城乳業が躍進する秘密」、潮出版社(2013)
お奨め度:★★★★★
「見える化」を広めた遠藤功先生がガリガリ君で躍進する赤城乳業を支える「言える化」の謎を解いた一冊。言える化というのは赤城乳業の造語で、文字通りなんでも言おうということで、赤城の製品開発力を支える一つの柱だが、口で言うほど簡単ではないことは「サラリーマン」ならよく分かるだろう。なぜ、赤城乳業は言える化ができたのかが分かり、とても参考になる。
水野和敏「非常識な本質――ヒト・モノ・カネ・時間がなくても最高の結果を創り出せる」、フォレスト出版(2013)
お奨め度:★★★★★
GT-Rの開発者で知られる水野和敏氏が書いた仕事術。キーワードは、非常識と本質。本質をどのように追及していくかについて自分のしてきた仕事を振り返り、まとめた本。
特に、マネジメントと本質論の間にどういう関係があるかを明確に示しており、クルマに興味がなくてもいいので、イノベーションを実践するリーダーにはぜひ読んで欲しい本。
リチャード・テドロー(土方 奈美訳)「なぜリーダーは「失敗」を認められないのか―現実に向き合うための8の教訓」、日本経済新聞出版社(2011)
お奨め度:★★★★★
ハーバードビジネススクールのベテラン教授が、輝かしい成功をおさめたのちに、衰退した企業を対象に、トップリーダーの意思決定を調査し、そうならないための教訓をまとめた一冊。調査が詳細で、ストーリーがたいへん面白い一冊。
古我 知史「もう終わっている会社」、ディスカヴァー・トゥエンティワン(2012)
お奨め度:★★★★★
経営の論客、古我 知史さんの新刊。前作の「戦略の断層――その選択が企業の未来を変える」も示唆に富む本だが、この本はさらに視点を広げ、戦略、経営計画、顧客という3つの大きな問題を論じている。方向性は、日本はアングロサクソン化をやめろ。
三宅 秀道「新しい市場のつくりかた」、東洋経済新報社(2012)
お奨め度:★★★★★
<紙版><Kindle版>
新しい商品や市場を作る際に、技術から決める技術神話から卒業し、文化を開発するという発想で取り組むことの重要性を説いた一冊。非常に多くの事例(ストーリー)や薀蓄を使って、言いたいことを説明をしているので、ストーリーを楽しみながら読める。
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