2005年7月17日 (日)

リーダーシップエンジン

4492530541 ノール・ティシー、イーライ・コーエン(一條和生訳)「リーダーシップ・エンジン―持続する企業成長の秘密」、東洋経済新報社(1999)

お奨め度:★★★1/2

企業(組織)にとって持続的発展することは重要なミッションである。さまざまな議論はあるが、この点は普遍性があるだろう。

では、どうすれば企業は持続的発展できるか?これにはいろいろな視点があるだろう。ノール・ティシーの主張の興味深い点は、リーダーの育成にこの視点を置いていることにある。

つまり、持続的な発展が可能な企業とは、現世代のリーダーが次世代のリーダーを生み出すことのできる企業であるという主張である。これはきわめて興味深い。これはむしろ、逆の現象を見るとよく分かる。飛躍的に発展した企業には、大抵、優れたリーダーがいる。ところが、そのリーダーが次の世代にリーダーを生み出せないと、尻すぼみになる。

優れたリーダーたちが創り出した商品や技術がそのライフサイクルを終えると、組織そのものも縮退してしまう。

そのような組織を作らないためには、リーダーシップがエンジンとして引き継がれていくことが重要である。そのような指摘をしている本だ。

なお、本書の続編で、教育する組織を作る具体的な方法論を述べた本がある。こちらも併せて読まれることをお奨めしたい。

4492521526 ノール・ティシー、ナンシー・カードウェル(一条和生訳)「リーダーシップ・サイクル―教育する組織をつくるリーダー」東洋経済新報社(2004)

ザ・カイゼン

4542701484 今里健一郎「改善力を高めるツールブック―7つのアプローチと47の手法」、日本規格協会(2004)

お奨め度:★★★1/2

「改善」という活動をかなり抽象的に捉え、一般的な進め方を議論するとともに、そのような進め方をするために必要なツール(手法)を47とりあげ、簡単に解説をしている。

さらに、進め方では、抽象的な進め方を、生産だけではなく、営業、事務など、いくつかの分野に当てはめ、具体的なイメージが持てるように工夫して書かれている。

よく工夫された良書であり、組織の改善、プロジェクトマネジメントの改善などに取り組む人は一冊持っておきたい。

2005年7月11日 (月)

なぜ、スターバックスに行くと気持ちよいのか

4785502703 毛利英昭「勝ち組の人材マネジメント―スターバックス急成長を支える自律型組織に学ぶ」、商業界(2005)

お奨め度:★★★★

スターバックスの人材マネジメントについて、非常に詳細に説明すると同時に、そのような人材マネジメントが、戦略実行の中で果たしている役割を説明している。

読んでいるとなぜ、こんなことができるのだろういう疑問を持つが、現実にスターバックの店舗に言ってみると、確かに、スタッフは人材システムが望むような行動をしていることが分かる。つまり、空絵ごとではなく、現実にできているのだ。

キーワードはコミットメントにあるようだ。ぜひ、一度、読んでみてほしい。

2005年7月 3日 (日)

一度は孫子を!

482221026X 守屋淳、守屋洋氏特別寄稿「新説 孫子の兵法 勝ち抜くビジネス戦略

お奨め度:★★★★

孫子の兵法はビジネスとは切ってもきれない関係にあるし、出版物も多い。最近では、プロジェクトマネジメントでもその種の本が出版されている。リーダーシップを極めたい人は、思い切ってこの本に投資をしてみてはどうだろうか?

よいできです。

孫子に抵抗がある方は、モルガンのエコノミスト ロバート・A・フェルドマンが書いている7巻「米ビジネス界で孫子が読まれる理由」から読んでみてはどうだろうか?この部分だけでも読む価値がある。

【目次】

第一巻 まず負けない戦いを考えよ
~ライバル多数のなかで、どう生き残るか
第二巻 勝負を制したければ彼我を知れ
~戦争にやり直しは利かない
第三巻 不意をつけ、油断させよ
~戦争は、しょせん騙しあいに過ぎない
第四巻 敵と部下を手足のように操れ
~環境は自分の手でコントロールできる
第五巻 勢いに乗せよ、敵を分割せよ
~勝利への切り札は勢いと各個撃破
第六巻 リーダーこそ己と組織の弱みを知れ
~良い指導者・良い組織の条件
第七巻 米ビジネス界で孫子が読まれる理由
ロバート・A・フェルドマン(モルガン・スタンレー証券チーフエコノミスト)
第八巻 我、孫子の兵法でライバル企業を撃破せり
中條高徳(アサヒビール名誉顧問)

2005年7月 1日 (金)

2005年1~6月ベスト10

2005年1月~6月のベスト10です。まあ、妥当なところでしょうか?あなたは、何冊読みましたか?

ちょっと注目は、クスマノ博士のソフトウエア企業の競争戦略が3位にランクインし、36冊も売れたことです。プロジェクトマネジメントは戦略があって始めて導入が成功するという考えの好川としては、IT業界でもこのあたりに興味を持つ人が増えるのは喜んでいます。

あと、PMIのPMCDFがランクインするとは思いませんでした。これは、今年の初めに、出版社のテクノ様の広告をお受けしたことの影響もあるのだと思いますが、やっぱり、一義的には、PMBOK普及の影響なのでしょうか、、、

第1位 A Guide To The Project Management Body Of Knowledge: Official Japanese Translation(149)

第2位 プロジェクトマネージャーが成功する法則―プロジェクトを牽引できるリーダーの心得とスキル(54)

第3位 ソフトウエア企業の競争戦略(36)

第4位 先制型プロジェクト・マネジメント―なぜ、あなたのプロジェクトは失敗するのか(33)

第5位 チームリーダーの教科書―図解(25)

第6位 世界一わかりやすいプロジェクト・マネジメント

第7位 プロジェクトマネージャー・コンピテンシー開発体系―PMI標準

第8位 セクシープロジェクトで差をつけろ! トム・ピーターズのサラリーマン大逆襲作戦 (2)

第9位 プロジェクト・リスクマネジメント―リスクを未然に防ぐプロアクティブ・アプローチ

第10位 いかに「プロジェクト」を成功させるか

      プロ論

情報家電の事業戦略の分析

4641162425 伊藤宗彦「製品戦略マネジメントの構築―デジタル機器企業の競争戦略」、有斐閣(2005)

お奨め度:★★★

製品開発マネジメント論というと、自動車が定番になっているが、もうひとつ、日本の優位性の高い分野がこの本で扱われているデジタル機器、いわゆる情報家電分野である。

カーナビ,デジカメ,携帯電話,EMS・ODM企業を取り上げ、どのような戦略がとられ、どのようなオペレーションが行われているかがよく分析されている。

ただ、あくまでも感覚なのだが、何か抜けているような気がする。おそらく、技術サイクルマネジメントなのだと思うが、実際のところ、よく分からない。また、時間があれば、ゆっくり読んでみよう!

女子十二楽坊のカバー

B0009RP3N8 女子十二楽坊「女子十二楽坊~THE BEST OF COVERS~」(2005)

今月は良書がずらっと並んだ!(2005年6月ベストセラー)

ビジネス書の杜 6月の月間ベストセラーです。今月から、アマゾンのリンクだけではなく、ブログの紹介ページも入れてあります。タイトルの下にあるURLリンクがブログの紹介ページです。

相変わらず、PMBOKガイドが1位でしたが、販売数は減ってきています。一回りしたのでしょうか?

今月は、売れた本が過去に例がないくらいばらけています。ランキングには、4冊で4位なのですが、4位が5冊あります。3冊で5位ですが、5位にいたっては11冊ありました。このため、今回は5位の紹介は割愛させて戴きました。

これまで、メルマガを中心に一本被りを作ろうと紹介してきたのですが、ブログに検索エンジンからのアクセスが増えているのが原因だと思われます。

おかげさまでブログのアクセス数は順調に伸び、週1000はキープできるようになりました。次は、1日500を目指しますので、応援お願いします!

【2005年6月ベスト5】

(→)第1位 A Guide To The Project Management Body Of Knowledge: Official Japanese Translation (11)

        https://mat.lekumo.biz/books/2005/02/a_guide_to_the_.html

(↑)第2位 先制型プロジェクト・マネジメント―なぜ、あなたのプロジェクトは失敗するのか(8)

        https://mat.lekumo.biz/books/2005/03/post_abc9.html

(↑)第3位 ハーバード・ビジネス式 マネジメント - 最初の90日で成果を出す技術(6)

        https://mat.lekumo.biz/books/2005/06/post_99d5.html

(↑)第4位 「決定的瞬間」の思考法―キャリアとリーダーシップを磨くために (4)

        https://mat.lekumo.biz/books/2005/06/post_de63.html

(↑)第4位 プロジェクトの進め方がよくわかる本―仕事の効率と成果を高める95のヒント (4)

        https://mat.lekumo.biz/books/2005/06/post_5e54.html

(↑)第4位 実務で役立つWBS入門(4)

        https://mat.lekumo.biz/books/2005/06/post_6d2c.html

(↓)第4位 世界一わかりやすいプロジェクト・マネジメント(4)

        https://mat.lekumo.biz/books/2005/04/post_4796.html

(↑)第4位 一日5分奇跡を起こす4行日記―成功者になる!「未来日記」のつくり方(4)

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2005年6月30日 (木)

コンフリクトマネジメント

B00011UZVW システム・テクノロジー・アイ「iStudy BB for Human Skills コンフリクト・マネジメント 対立の解消法」(2003)

お奨め度:★★★

システム・テクノロジー・アイのiStudyシリーズのコンフリクトマネジメント編。

内容

・4種類の対立の兆候を早期発見

・現状を受け入れ

・冷静な対処

・理由の解明

・建設的行動/生物的逃避反応・攻撃反応を超える積極的対応/建設的イメージ確認

・建設的な表現/積極的傾聴

・話しやすい雰囲気作り

・質問スキル/ブレーンストーミングを用いた対策立案

・解決策の評価・選択/実行計画策定と進捗チェック

リーダーシップを学習する

B00011UZXK システム・テクノロジー・アイ「iStudy BB for Human Skills リーダシップ 建設的な影響力」(2003)

お奨め度:★★★1/2

偶然、あるところで、この教材を見た。ヒューマンスキルをeラーニングでやるというのは、有効であることが確認できた。21000円という価格をどう考えるかだ。リーダーシップの本を10冊買うより価値はあると思う。セミナーと較べると安い

ただ、頭で理解して、分かった気にならないようにするという点だけは使用上の注意としてあるだろう。

ちなみにこのeラーニングは以下の内容。

感受性と柔軟性の意義

・操縦と説得の違い

・影響力・圧力の危険性/人間関係の構築/ボディランゲージ

・相手のシグナル

・意識的身体心理コントロール/声のトーンと言葉遣い

・対人関係スキルと自己反省スキルのバランス/好みの情報スタイル

・指示の危険性

・前向きな質問

・捉え方の再構成/柔軟性を発揮した説得スキルの使い分

チームをリードする

B00013D3PK システム・テクノロジー・アイ「iStudy BB for Human Skills チームワーク チームリーディング」(2003)

お奨め度:★★★

iStudyヒューマンスキルシリーズのチームワーク編。テーマはチームリーディングで、プロジェクトリーダーが必要とするリーダーシップに関する知識が解説されている。

内容

・リーダーとしての基本資質

・4種のリーダーシップスタイル

・チームの発達、チーム戦術による発達促進

・実力の4要素

・コミュニケーションスタイルに応じた対立解消・実力伸長・行動理解

・協力的な環境作りの4つのカギ

・チーム変革のための手法

プロジェクトチームへの参画

B00011UZYO システム・テクノロジー・アイ「iStudy BB for Human Skills チームワーク プロジェクトチームへの参画」(2003)

お奨め度:★★★

iStudy ヒューマンスキルシリーズのチームワーク編。テーマはプロジェクトチームへの参画というテーマで、主に、メンバーシップに焦点を当てた構成になっている。

内容

・通常のチームとの違い

・プロジェクトチームの発達

・チームメンバーとしての資質とスキル

・役割/マイナス要因の想定/チームワークの育み方・発揮の仕方、スタイルの活用

・日常業務とのバランス

・プロジェクトチームでの対立解消法/プロジェクトライフサイクル

2005年6月15日 (水)

マネジメントはサイエンスか、アートか

4478374848 菅野寛「経営者になる 経営者を育てる」、ダイヤモンド社(2005)

お奨め度:★★★★1/2

面白い本だ。出井伸之・ソニー会長、稲盛和夫・京セラ名誉会長、金川千尋・信越化学工業社長、酒井秀樹・ヒロセ電機会長、鈴木敏文・イトーヨーカ堂会長、高原慶一朗・ユニ・チャーム会長、柳井正・ファーストリテイリング会長など、優れた経営者との議論を基に、リーダーシップに必要なエッセンス・スキルを抽出し、スキルセットを定義している。

そのような手法はともかく、スキルを「科学系」のスキルと「アート系」のスキルに区分し、「アート系」のスキルについて、非常に丁寧に論じているので、非常に面白い。

さらに、習慣化などを中心にして、アート系のスキルを身につけていく方法についても論じている。

米国では、CCLなどを中心に、科学的なリーダーシップ開発が進んでいるが、日本では残念ながら、OJTの域を出ていない。書籍をとってみても、日本のリーダーシップ本は、ハウツーものばかりが目につく。この中で、本書のように、科学的なリーダーシップ育成について論じた本は貴重である。

リーダーを育成しようと思っている人、リーダーになろうと思っている人は必読の一冊だろう。

ちなみに、CCLの活動を紹介した本が日本でも翻訳で出されている。

4833417197ハイ・フライヤー 次世代リーダーの育成法

次世代リーダーの育成法

4833417197 モーガン、マッコール(金井 壽宏、リクルートワークス研究所訳)「ハイ・フライヤー―次世代リーダーの育成法」、プレジデント社(2002)

お奨め度:★★★★

米国というよりも、世界一のリーダーシップ育成機関CCL(Center for Creative Leadership)の活動を紹介した本。

CCLでは、見事に体系化されたトレーニングをはじめとして、さまざまな方法論を駆使してリーダーシップ開発をしているが、そのエッセンスを1冊の本にまとめている。

CCLの手法というより、リーダーシップ開発に興味がある人は必読の一冊!

2005年6月13日 (月)

マネージャーに関する超一級のエスノグラフィー

456124218X ヘンリー・ミンツバーグ(奥村哲史、須貝栄)「マネジャーの仕事」、白桃書房(1993)

戦略論のグル ミンツバーグの書いたマネージャーのエスノグラフィー。

組織の中でもっとも定義しにくい仕事は、いうまでもなくマネージャーの仕事である。そのマネージャーの仕事について、エスノグラフィーを行い

第3章 マネジャーの仕事にある明確な特徴
第4章 マネジャーの仕事上の役割
第5章 マネジャーの仕事の多様性
第6章 科学とマネジャーの職務

という視点で1冊の本にまとめている。

アジャイルプロジェクトマネジメント解説の決定版

4822282295 ジム・ハイスミス(高嶋優子、小野 剛、平鍋健児訳)「アジャイルプロジェクトマネジメント 最高のチームづくりと革新的な製品の法則」、日経BP社(2005)

お奨め度:★★★★1/2

製品開発プロジェクトマネジメントの研究は日本でも自動車業界を中心に進んでいるが、基本的にはリーン開発に焦点が当たっている。

つまり、如何に早く開発するかである。最近は、ここに、マルチプロジェクトマネジメント、プログラムマネジメントなどが加わり、投資の最適化により、戦略的な製品を如何に、早く市場に出すかという議論も多くなってきている。

自動車のような商品は開発リードタイムが極めて重要であった。リードタイムを短くすることによって競争力を保つとともに、ユーザニーズの短縮化に対応する意味があった。つまり、ユーザニースの変化が激しくなる中で、如何に変化する前にたくさん売るかである。

この辺の議論は

4641067929 延岡健太郎「マルチプロジェクト戦略―ポストリーンの製品開発マネジメント」、有斐閣(1996)

に詳しい。

しかし、もっとユーザのライフサイクルが早くなると、ライフサイクルの短縮だけでは対応できなくなる。最初から、途中で仕様が変化することを前提に、プロジェクトを進めていく必要がある。このようなプロジェクトマネジメントの手法がAPM(アジャイルプロジェクトマネジメント)である。

APMはソフトウエア分野では大いに注目されているが、一般的な製品開発の分野にも適用できることがこの本を読むとよくわかる。

製品開発担当者、必読の一冊です!

2005年6月 6日 (月)

たかがWBS、されどWBS

4798108499 Gregory T. Haugan(伊藤衡)「実務で役立つWBS入門」、翔泳社(2005)

お奨め度:★★★1/2

WBSというのは不思議なツール(手法)である。エンジニアであれば、セミナーで1時間ほど、レクチャーを受ければ、誰でも曲りなりは書くことができる。

ところが、5回、10回と書く経験を積んでも、なかなか、満足なものはかけない。ある意味で、マネジメントの難しさを象徴しているツールである。

また、PMBOKでも第3版からついに、WBSを作るというプロセスが登場してきた。つまり、プロジェクトマネジメントをするためには、避けて通れないものになった。

この本は、そのようなWBSを単に概念や事例だけではなく、活用方法について具体的に書かれている本である。

結局のところ、WBSの作成が難しいのは、作成目的によって必要なWBSの表現が異なるためである。したがって、この本のように、利用法を想定してWBSはこのように作るべきだというハウツーを知ることが正しいと思われる。その意味で、お奨めの本である。

この本と同時に、PMI発行のPMBOKの副読本的な位置づけになっている

1880410818 Project Management Institute Practice Standard for Work Breakdown Structures

をあわせて読むことをお奨めしたい。15種類のサンプルが収められている。

2005年6月 5日 (日)

プロジェクトマネジメントではなく、プロジェクトの進め方が分かる1冊

4788917599 是沢輝昭「プロジェクトの進め方がよくわかる本―仕事の効率と成果を高める95のヒント」、実務教育出版(1999)

お奨め度:★★★★1/2

先日、新橋の文教堂に行ったら、店長が変わったらしく、大量の本に、店長がお奨めポップメッセージを入れていた。そのメッセージを追いかけているうちに、コイツはタダモノではないと思った。

たとえば、

行動科学の展開

https://mat.lekumo.biz/books/2005/04/post_1baf.html

を平積みして、絶賛したコメントをつけているのだ。

それで興味を持って、店長コメントの本だけをずっと探していった。そこで、であったのがこの本。プロジェクトマネジメントの本については、出版社の人よりもよく知っていると思っていたが、この本は知らなかった。

で、手にとって、びっくり。メールマガジン「プロジェクトを成功させる仕事術」で言いたいことのオンパレード。

方法論を述べた本は掃いて捨てるほどあるが、その方法論が仕事をするときに押さえておくべきポイントを押さえるのに、どのように役立っているのかをきちんと書いた本は残念ながら、ほとんどない。あえてあげれば、プラントエンジニアリングの色が濃いが

プロジェクトマネジメント 成功するための仕事術―プロジェクトをリードする精鋭たちの経験とナレッジを集大成

https://mat.lekumo.biz/books/2005/05/__5583.html

くらいかなと思う。とても貴重な本だ。うむ、恐るべし、文教堂新橋店!見開き1項目になっているので、若干、物足らない気もするが、とりあえず、プロジェクトマネジメントというのが自分の仕事の中でどんな役割を果たすのかを理解するには十分だ。

手法(方法論)自体にはほとんどふれていないので、手法を覚えたい人には不向き。

2005年6月 4日 (土)

プロジェクトマネージャーに必要なすべてがここにある

4757211465 マイケル・ワトキンス(村井章子 )「ハーバード・ビジネス式 マネジメント - 最初の90日で成果を出す技術」、アスペクト(2005)

お奨め度:★★★★1/2

管理職のキャリアで成果をあげることができるかどうかは、最初の90日間の間にどのような成果を挙げることができるかにかかっているという主張のもと、その90日を乗り越える方法を実践的に解説した本である。米国でも発売以来ベストセラーになっており、その実用性には定評がある本。

一種の成功法則本である。が、巷の成功法則は一般的な人を対象に書かれているし、精神論的な部分が多い。これに対して、本書はプラクティカルに書かれているので、読めば明日から仕事に使うことができる。これが、第1のポイント。

読んでみると、あることに気がついた。それは、この90日間に求められることは、プロジェクトマネージャーに求められることとまったく同じだ。僕は実は組織の中での管理職の経験がないのでよく分からなかったが、気がついた後で考えてみれば、当たり前のことである。「目からうろこ」だった。管理職の経験にある方にはすぐに分かるだろう。

プロジェクトマネジメントの方法論として書かれているわけではない。しかし、多くの部分はプロジェクトマネジメントですべきこととオーバーラップしており、その効果的な実行方法について述べられている本書はまさに、プロジェクトマネージャーのバイブルといってもよいだろう。

パイロットが空から学んだ一番大切なこと

475730305X 坂井優基「パイロットが空から学んだ一番大切なこと」、インデックス・コミュニケーションズ (2005)

お奨め度:★★★★

著者は国際線のパイロット。基本的には、どうすれば、安全が確保できるかについて書いた本。

いったん、空に出てしまうと、安全に注意するといってもできることは知れている。それゆえに、著者は、「飛ぶ以前の準備」の重要性を説く。それは人間関係の構築であったり、リスクマインドであったりする。JR西日本で報道されているようなことの正反対である。

この本を紹介した理由は安全について考えようということではない。フライトというのはひとつのプロジェクトである。プロジェクトを成功させるようとしたときに、何が必要かという点において、非常に学ぶことが多い本である。

特にリスクマネジメント、チームビルディングというプロジェクト思考の本質の部分で学ぶことが多いので、ぜひ、読んでみてほしい。

ちみなに、この本を読んで、このドラマを見直してみると、面白い!

B00008MMW8GOOD LUCK !!

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