たかがWBS、されどWBS
Gregory T. Haugan(伊藤衡)「実務で役立つWBS入門」、翔泳社(2005)
お奨め度:★★★1/2
WBSというのは不思議なツール(手法)である。エンジニアであれば、セミナーで1時間ほど、レクチャーを受ければ、誰でも曲りなりは書くことができる。
ところが、5回、10回と書く経験を積んでも、なかなか、満足なものはかけない。ある意味で、マネジメントの難しさを象徴しているツールである。
また、PMBOKでも第3版からついに、WBSを作るというプロセスが登場してきた。つまり、プロジェクトマネジメントをするためには、避けて通れないものになった。
この本は、そのようなWBSを単に概念や事例だけではなく、活用方法について具体的に書かれている本である。
結局のところ、WBSの作成が難しいのは、作成目的によって必要なWBSの表現が異なるためである。したがって、この本のように、利用法を想定してWBSはこのように作るべきだというハウツーを知ることが正しいと思われる。その意味で、お奨めの本である。
この本と同時に、PMI発行のPMBOKの副読本的な位置づけになっている
Project Management Institute Practice Standard for Work Breakdown Structures
をあわせて読むことをお奨めしたい。15種類のサンプルが収められている。
コメント