マネジメントはサイエンスか、アートか
菅野寛「経営者になる 経営者を育てる」、ダイヤモンド社(2005)
お奨め度:★★★★1/2
面白い本だ。出井伸之・ソニー会長、稲盛和夫・京セラ名誉会長、金川千尋・信越化学工業社長、酒井秀樹・ヒロセ電機会長、鈴木敏文・イトーヨーカ堂会長、高原慶一朗・ユニ・チャーム会長、柳井正・ファーストリテイリング会長など、優れた経営者との議論を基に、リーダーシップに必要なエッセンス・スキルを抽出し、スキルセットを定義している。
そのような手法はともかく、スキルを「科学系」のスキルと「アート系」のスキルに区分し、「アート系」のスキルについて、非常に丁寧に論じているので、非常に面白い。
さらに、習慣化などを中心にして、アート系のスキルを身につけていく方法についても論じている。
米国では、CCLなどを中心に、科学的なリーダーシップ開発が進んでいるが、日本では残念ながら、OJTの域を出ていない。書籍をとってみても、日本のリーダーシップ本は、ハウツーものばかりが目につく。この中で、本書のように、科学的なリーダーシップ育成について論じた本は貴重である。
リーダーを育成しようと思っている人、リーダーになろうと思っている人は必読の一冊だろう。
ちなみに、CCLの活動を紹介した本が日本でも翻訳で出されている。
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