マネジメントの奥儀
リアズ・カデム、ロバート・ローバー(小林薫訳)「1ページ・マネジャー」、東洋経済新報社(2008)4492556001
お薦め度:★★★★1/2
ケン・ブランチャードの「1分間マネジャー」は多くの人は一度は読んだことがある本だと思う。
ケン・ブランチャード、スペンサー・ジョンソン(小林薫訳)「1分間マネジャー―何を示し、どう褒め、どう叱るか! 」、ダイヤモンド社(1983) この本に実践編があることを知っている人はどのくらいいるだろうか?
ケン・ブランチャード、ロバート・ローバー(小林薫訳)「1分間マネジャー実践法―人を活かし成果を上げる現場学」、ダイヤモンド社(1984)実践法はタイトルの通り、1分間マネジャーの実践法について書いている。この本は、1分間マネジメントの実践として、目標設定、称賛、叱責を体系的に行うという方法を紹介したものであり、
部下を生かすABC法:目標、実践、事後方策
部下を伸ばすPRICE方式:目標を明確にする、実践行動を記録する、部下を参画させる、部下を教育指導する、評価する
の2つのメソッドが中心になっている。
この方法を実践するために、著者の一人であるロバート・ローバーが、
・説明責任
・データ収集
・フォードバック
・認識
・訓練
の5つのシステム作りが重要であるという主張の本を出版した。ロバート・ローバーは1分間マネジャーのコンセプトに矛盾しないようにこれを1枚(1ページ)の書類でやるという考えとしてまとめたのが、本書。
本としては1分間シリーズと同じくストーリー形式で、苦境に陥ったエックス社の組織復活のストーリーとして書かれている。
読んでいて興味深かったのは、普通、業績が悪くなると、人は「過剰管理」に走る。これは企業でも、事業でも、プロジェクトでも同じだ。それは決してよい結果を招かないのは皆さんもご承知の通りだが、このような状況で1ページというコンセプトは非常に理にかなっているということだ。
マネジメントの本質が書かれているといってもよいだろう。
なお、この本とは関係ないが、
Clark A. Campbell「The One-page Project Manager: Communicate and Manage Any Porject With a Single Sheet of Paper」、John Wiley & Sons Inc(2006)0470052376
という本がある。PMBOKをどのように適用しようかというときに大変、役立つ本である。書名のみ、ご紹介しておく。
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