ステークホルダマネジメントのバイブル
星野欣生「職場の人間関係づくりトレーニング」、金子書房(2007)
お薦め度:★★★★★
以前、星野欣生先生の
を紹介したが、続編で、職場に焦点を当てた本が出た。それがこの本。
自分探し
関係的成長
きき方とかかわり
言葉の使い方(1)
言葉の使い方(2)
フィードバックは成長の鏡
コンセンサスと人間関係づくり
リーダーシップはあなたのもの
リーダーはファシリテーター
チームワークを考える
成熟したグループづくりのために
体験学習と日常生活
といった内容。前書と同じく、最初にコンセプトを説明し、エクスサイズ、そしてエクスサイズの結果を踏まえた理論の説明という流れで楽しみながら自己啓発としてトレーニングを進めていけるような構造になっている。
言葉の使い方あたりまでの内容は、若干、前本と被るが(解説やエクスサイズは書き下ろしであるが、内容が似ている)、フィードバック以降は純粋にビジネスの場面を想定したものとなっている。前にも書いたが、この本はハウツー本ではなく、エクスサイズを通して体験学習をすることを狙った本である。合意形成、リーダーシップ、ファシリテーション、チームワームなど個々の分野ではそのような本を見かけるが、まとめてこのようなトレーニングを念頭に置いた本はないと思う。
これらの専門のテーマの本を読むと、関連が出てきて混乱したり、あるいは不自然に無視したりしているケースが多く、全体が見えにくい。その点、この本は「人間関係」という切り口で全体を見ながらトレーニングを進めていけるので、バイブルといってもよいような本である。
また、ヒューマンスキルトレーニングや新入社員研修を担当している人材開発の方にもぜひ、目を通して戴きたい。特にエクスサイズが練れていて、非常に参考になる。
余談になるが、星野先生はプロフィールを見ると80歳近い方だ。この年齢になってこの内容の本が書けるというのは本当にすばらしいと思う。
目次
気づく―自分探し
かかわる―関係的成長
3つのきく―きき方とかかわり
具体的に―言葉の使い方(1)
決めつける―言葉の使い方(2)
カガミになる―フィードバックは成長の鏡
説得する―コンセンサスと人間関係づくり
影響を与える―リーダーシップはあなたのもの
リードする―リーダーはファシリテーター
協働する―チームワークを考える
グループは変わる―成熟したグループづくりのために
体験から学ぶ―体験学習と日常生活
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