現場力強化の鍵はミドルが握る
遠藤功「現場力復権~現場力を「計画」で終わらせないために」、東洋経済新報社(2009)
お奨め度:★★★★1/2
日本における「現場力」ブームの発端になった、ローランド・ベルガー会長の遠藤功さんの著書
遠藤功「現場力を鍛える~「強い現場」をつくる7つの条件」、東洋経済新報社(2004)
の続編。事例の紹介をしながら、それらの事例に見られるベストプラクティスや、問題点の解決方法の提言をしている。
遠藤功「現場力復権~現場力を「計画」で終わらせないために」、東洋経済新報社(2009)
お奨め度:★★★★1/2
日本における「現場力」ブームの発端になった、ローランド・ベルガー会長の遠藤功さんの著書
遠藤功「現場力を鍛える~「強い現場」をつくる7つの条件」、東洋経済新報社(2004)
の続編。事例の紹介をしながら、それらの事例に見られるベストプラクティスや、問題点の解決方法の提言をしている。
木村 英紀「ものつくり敗戦―「匠の呪縛」が日本を衰退させる」、日本経済新聞出版社 (2009/03)
お奨め度:★★★★★
日本の技術が苦手なのか、「理論」、「システム」、「ソフトウエア」を3つだという仮説に基づく、システム思考を中核に据えた技術マネジメント論。
佐藤 六龍「江戸秘伝 職養道のすすめ」、講談社(2007)
お奨め度:★★★★★
職養道とは、「職を養う道」のことで、江戸時代に年季明けで独立していく職人たちに、師や親方が授けた職業上の心得の集大成である。
江戸時代に、日用品や食料品を売る「生業」と呼ばれる仕事で一応の信頼を得ることは難しいことではなかった。実際にものを売るからだ。これに対して、医者や髪結い、大工、左官、易者など、「九流之術師」と呼ばれる仕事では、初対面相手から信頼を得ることは難しく、そのために各職業には「職養道」と呼ばれる仕事の上の心得が伝えられていたという。職養道は口述だったので、明治維新の近代化の波に飲まれて衰退し、戦後は完全に消滅したと思われていたが、橘哲州という占術家によって継承されており、橘哲州と箱根で一夜をともに過ごすことになった著者が話を聞き、あまりのおもしろさに著者の主催する運命学の教室で、「怪しげな職業の人間が相手の信用を得るための手練手管」として教えているそうだ。
それを書籍化したのが本書である。
村山 裕三「京都型ビジネス―独創と継続の経営術 (NHKブックス) 」、日本放送出版協会(2008)
お奨め度:★★★★
やっぱり、京都だ!
京都は戦後ベンチャーのメッカである。グローバル展開している企業が多い。日本の中では唯一、東京を向いていない企業である。彼らの多くは、まず、日本で成功し、そのあとでグローバル展開という、日本企業がかかっているグローバル展開できない症候群にかかっていない。これはすごいことだ。
行政的にも新しい。よいか悪いかは別にして、日本では官僚が仕組みを考えて、それを日本全国の自治体に水平展開していく(垂直展開というべきか?)。その中で、情報センターやインキュベーションラボ、試作ネットワークなど、京都が独自に開始し、国策として取り上げられたものがある。
なぜ、こんなことができるのか?この本にその秘密が書かれている。
國貞克則「悩めるマネジャーのためのマネジメント・バイブル」、東洋経済新報社、(2008)
お薦め度:★★★★★
著者が自分のマネジメントに対する想いをまとめた本。書籍としてみれば決して読みやすい本ではないが、この本に書けた熱意はひしひしと伝わってくるし、何よりも述べられていることが素晴しい。書き方もよく考えられているように思う。おそらく、MBA理論の部分を除いてしまうと、結構、ありがちな経営の精神論か、成功したコンサルタントの経験論のような内容になってしまうのではないかと思うのだが、あくまでもベースはMBA理論であって、それを現場でどのように解釈し、どのように適用していくかを書いた内容になっている。
秋沢 志篤「 「オキテ破り」が人を動かす」、日本実業出版社(2008)
お奨め度:★★★★★
まだ、年を振り返るには多少早いが、今年は酒井穣さんの「課長の教科書」の大ヒットに始まって、ミドルマネジメントの本がたくさん出版された。僕は神戸大学の金井壽宏先生のゼミナールに参加したが、そのときに先生が言われていたことを思い出している。正確ではないが、「ミドルマネジャーは組織によって立場が違うし、人によってキャリアが違う。モデル化するよりも、フィールドワークから何かを学ぶことが重要」といったニュアンスのことである。
江口克彦「成功は小さい努力の積み重ね」、PHP研究所(2008)
お薦め度:★★★★1/2
ある出版社の編集者の方が「ビジネス&経営実務書の企画をするときに、松下幸之助の言葉をブレークダウンする」と言われていた。松下幸之助の経営哲学を伝え、発展させるために研究所を作ったのだから、このような形はあってしかるべきなのだろう。
一方で、松下電器の近年の課題は、いかに幸之助の経営を乗り越えるかであり、ついに、社名から松下の文字を外した。外から見ている分には、もはや、幸之助は過去の人になった感もある。
さて、幸之助の考えを紹介した本は数え切れなくくらいあるが、松下幸之助の傍らで23年間にわたり薫陶を受け続け、PHP総合研究所の社長まで務めた江口克彦さんの一冊ということで、注目の本。
トーマス・L・ブラウン(森理宇子監訳、柴田さとみ上坂 伸一訳)「 「権限委譲」で、抱え込んでる仕事を部下に任せる」、ファーストプレス(2008)
お薦め度:★★★★1/2
権限委譲は、リーダーシップやマネジメントの本では必ず出てくるが、本1冊権限委譲というのは珍しい。それも権限委譲による組織の活性化だとか、人材育成だとかそういう話ではなくて、100ページの親書に純粋に権限委譲のテクニカルスキルがまとめられている極めて実践的な本。
野田 稔+ミドルマネジメント研究会「中堅崩壊―ミドルマネジメント再生への提言」、ダイヤモンド社(2008)
お薦め度:★★★★★
日本の高度成長を支えてきたミドルマネジメントが崩壊しつつある現状を丁寧に分析し、再生のための提言をした一冊。
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