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2013年3月17日 (日)

変化を生み出す、原理原則とは何か?

4862761453_2 ジョセフ・ジャウォースキー(金井 壽宏監訳、野津智子訳)「源泉――知を創造するリーダーシップ」、英治出版(2013)

お奨め度:★★★★★

みなさんはダニエル・デフォーの「ロビンソン漂流記」を読まれたことはあるだろうか。

ロビンソン・クルーソーという船乗りが大西洋の赤道近くの無人島で長い間暮らしたときの物語である。イギリス人のロビンソンはひょんなことからブラジルで農園を経営することになる。農園は軌道にのり、事業を拡大するためにアフリカから黒人を連れてきて奴隷にしようと考える。ロビンソンは船長としてアフリカに向かうが途中、嵐に見舞われ、船は難破してロビンソンだけが生き残り、船は赤道近くの無人島にたどり着く。ロビンソンは船にあった銃・弾丸・火薬そしてナイフ・斧などを島に運び、28年間、島で生活するという物語だが、小学生のときにワクワクしながら、何度も読んだ覚えがある。

なぜ、ワクワクしたのかというと、ロビンソン・クルーソーになって、どことも分からない無人島で、生き延びていかなくてはならないという実際には体験できない状況でいろいろと想像するからだ。

ジョセフ・ジャウォースキーの「シンクロニシティ」を最初に読んだときに連想したのが「ロビンソン漂流記」だった。「ロビンソン漂流記」はサバイバルの旅、「シンクロニシティ」は内面の旅だが、「シンクロニシティ」という本は「ロビンソン漂流記」を読んだときのように一体化しながら読む本だろうなと思った。

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2013年1月31日 (木)

ビジネスマンのためのアジャイル読本

4798129704平鍋 健児、野中 郁次郎「アジャイル開発とスクラム 顧客・技術・経営をつなぐ協調的ソフトウェア開発マネジメント」、翔泳社(2013)

お奨め度:★★★★★

古くからアジャイル開発の普及に携わり、最近では特にスクラムの活用を推奨する平鍋健児さんと、スクラムという概念の生みの親ともいえる野中郁次郎先生がコラボレーションした一冊。

アジャイル開発を行うには、開発者だけではなく、ユーザや経営層の理解が欠かせないという考えのもと、経営者からビジネスマン全般に向けた幅広い解説をしている。前半はアジャイル開発やスクラムの解説、つぎにリクルートや楽天、富士通のアジャイル開発の事例紹介をしている。

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2012年7月10日 (火)

シンプルという哲学

4140815450ケン・シーガル(林 信行監修・解説、高橋 則明訳)「Think Simple―アップルを生みだす熱狂的哲学」、NHK出版(2012)

紙版><Kindle版

お奨め度:★★★★★+α

facebookページ:「「シンプル」に忠誠を尽し、複雑さと戦う

アップルの「Think Different」キャンペーンにたずさわり、iMacを命名した伝説のクリエイティブ・ディレクターであるケン・シーガルが初めて明かす、ビジネスとクリエイティブにおける「シンプル」という哲学。多数あるアップル本、ジョブズ本とは一線を画しているのは、ケン・シーガルのデルなど他の企業における経験の紹介がスパイスのように効いている点だ。

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2012年6月29日 (金)

「圧倒的な開発力」を手に入れる方法

4806143545稲垣 公夫「開発戦略は「意思決定」を遅らせろ! ─トヨタが発想し、HPで導入、ハーレーダビッドソンを伸ばした画期的メソッド「リーン製品開発」」、中経出版(2012)

お奨め度:★★★★

facebookページ:「ベールを脱ぐ「リーン製品開発」

今、注目のリーン手法の中の「リーン」製品開発について、日本に紹介した稲垣公夫さんが一般のビジネスマン向けに解説した本。三部構成で、第1部では、食品加工機メーカ「村坂工業」の成長かリストラかというストーリーで、リーン製品開発のイメージを掴め、第2部が理論、第3部が事例紹介という構成になっている。第1部のストーリーを読んでみて、興味があれば第2部の理論を読み、使えると思ったら、第3部の事例で研究するというなかなか、考えられた構成になっている。

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2012年5月14日 (月)

イノベーションに必要なマインドセット

4822248968ピーター・シムズ(滑川 海彦、高橋 信夫訳)「小さく賭けろ!―世界を変えた人と組織の成功の秘密」、日経BP社(2012)

お奨め度:★★★★★

facebook記事:「素早し失敗、素早い学習を繰り返す

シカゴ大学のエコノミスト、デビッド・ガレンソンによるとイノベーターには、「概念的イノベーター」と「実験的イノベーター」の2種類がいるという。概念的イノベーターは非常に大胆に新しいアイデアを追求し、多くは若くして業績を上げる。著者は概念的イノベーターの典型としてモーツァルトを上げている。天才であるが、天才はそうそういるわけではなく、多くのイノベーターは実験的イノベーターである。実験的イノベーターは実験を好み、試行錯誤を繰り返す中で徐々にブレークスルーをしていく。彼らは、ゴールに向かうときに、失敗や挫折を恐れずに執拗に努力をする。その代表はエジソンであり、音楽家でいえば、徐々に自分の形を作っていったベートーベンである。

この本は実験的イノベーターがどのように成功をおさめるかを分析している。成功した実験的イノベーターの手法を紹介している。試行錯誤といっても、行き当たりばったりということではなく、むしろ、分析的であり、戦略的である。

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2012年4月27日 (金)

対話をイノベーションにつなげるフューチャーセンター

4833420090野村 恭彦「フューチャーセンターをつくろう ― 対話をイノベーションにつなげる仕組み」、プレジデント社(2012)

お奨め度:★★★★★


フューチャーセンターの推進をされている野村恭彦さんの書いたフューチャーセンターの入門書。野村さんはフューチャーセンターネットワークで多くのフューチャーセンターがつながることによって、その真価が発揮されると考えられており、未来のフューチャーセンターディレクター(経営者)や、ファシリテータに向けて、非常に実践的にまとめられている入門書だ。

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2011年12月28日 (水)

チェックリスト宣言(ファンが選ぶビジネス書26)

4863912803アトゥール ガワンデ(吉田 竜訳)「アナタはなぜチェックリストを使わないのか?【ミスを最大限に減らしベストの決断力を持つ!】」、晋遊舎(2011)

お奨め度:★★★★★+α

facebookページ記事:「チェックリストは深い!

チェックリストの力を信じる外科医アトゥール・ガワンデが提言する「チェックリスト」作成のススメ。著者は医者であると同時にジャーナリストでもあり、医療だけではなく、経営、投資、飛行機、建築、料理などでもチェックリストが使われており、驚くような成果が生まれていることを事例を通じて紹介している。読み物としても抜群に面白い。

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2011年6月25日 (土)

今、改めて確認したいリーダーシップの原点(ファンが選ぶビジネス書13/プレゼントあり)

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ウォレン・ベニス、バート・ナナス(伊東奈美子訳)「本物のリーダーとは何か」、海と月社(2011)

お奨め度:★★★★★


1985年に刊行されたリーダーシップの名作「LEADERS」の第2版の翻訳。第1版は、リーダーシップの分野におけるウォレン・ベニスの地位を確立するとともに、今、リーダーシップを学ぶのに落とせない見識のいくつかを提示した本である。分野的には、ビジョン、エンパワーメント、組織学習に、信頼などの分野における見識で、たとえば、「マネジャーはものごとを正しく行い、リーダーは正しいことを行う」といったものだ。

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2011年6月14日 (火)

48人のマネジメントベストプラクティス(ファンが選ぶビジネス書11)

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フランク・アーノルト(畔上 司訳)「有名人の成功のカギはドラッカーの「マネジメント」にあった」、阪急コミュニケーションズ(2011)

お奨め度:★★★★★+α

成功者(有名人)48名のマネジメントのベストプラクティスを、「組織のマネジメント」、「イノベーションのマネジメント」、「人間のマネジメント」の3つの分野に分け、著者の視点から紹介した一冊。1人1テーマにまとめられているが、テーマ意外にも学ぶところが多い。48名のリストとベストプラクティスは記事の最後にリスティングしている。

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2011年6月12日 (日)

ユーザ満足(US)を実現するコミュニケーション(ファンが選ぶビジネス書10)

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日経トップリーダー「なぜ、社員10人でもわかり合えないのか」、日経BP社(2011)

お奨め度:★★★★★+α

コミーは社員16人、年商5億の中小企業である。にも関わらず、死角を移す鏡で世界のトップメーカーであり、飛行機の手荷物だなの忘れ物防止ミラーでは、5つ星の航空会社7社のうち、6社が導入している。また、飛行機でも、エアバスA380では標準装備となっている。そんなコミーの謎を、日経トップリーダーが度重なる取材に基づき、コミュニケーションという切り口から解説した一冊。

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