マネジメント Feed

2013年12月31日 (火)

組織の不条理のメカニズム

453231917xレイ・フィスマン、ティム・サリバン(土方 奈美訳)「意外と会社は合理的 組織にはびこる理不尽のメカニズム」、日本経済新聞出版社(2013)

お奨め度:★★★★★

マクドナルド、HP、マッキンゼー、P&G、ザッポスなどの企業、ボルチモア市警、サモア政府などのパブリックセクター、アルカイダなどを例にとり、採用、報酬、組織文化、イノベーション、マネジメントにおける不合理の本質を、組織経済学の観点から解き明かした一冊。一つのテーマについて、民間企業とパブリックセクター、宗教団体というふうに2つ以上の性格の異なる組織を比較し、同じことが言えるという仕立てになっており、興味深く読める。そして、911で組織が評価されたアルカイダは本当に理想の組織なのかという検証をしている、


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2013年12月30日 (月)

「イノベーションのジレンマ」以上のインパクト

4334929176楡 周平「象の墓場」、光文社(2013)

お奨め度:★★★★★+α

世界的なエクセレントカンパニーであるコダックをモデルにしたと思われるグローバル企業ソアラ社の日本法人を舞台にした小説。資本主義、企業文化、価値感、イノベーション、技術、組織と人などについて非常に深く考えさせられる一冊。

小説と調査に基づく学術書を比較すべきではないことは重々承知しているが、クレイトン・クリステンセン先生の「イノベーションのジレンマ」以上のインパクトがあった。

特に、小説(ストーリー)という形でしか書けないと思われる全体の構造が見事に書かれており、現場で起こる現象がなぜ起こっているかを、断片的なステレオタイプの指摘ではなく、コンセプチュアルに把握できる。イノベーションや変革に携わっている方すべてに強くお奨めしたい。


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2013年12月23日 (月)

マネジメントの本質を見抜く80対20の法則

4484131269リチャード・コッチ(高遠裕子訳)「並外れたマネジャーになる 80対20の法則」、阪急コミュニケーションズ(2013)

お奨め度:★★★★★+α

マネジャーの陥る落とし穴の一つにアクティブノンアクションと呼ばれる状態がある。日本語でいえば、不毛な忙しさ。

本書は、アクティブノンアクションを回避する方法として、ヴィルフレード・バレードが見つけリチャード・コッチが80対20の法則と名付けた法則のマネジャー版である。アクティブノンアクションの自覚のあるマネジャーは必読の一冊。今年一番のマネジャー向けの啓蒙書。


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2013年11月 6日 (水)

BCGの叡智のおすそ分け

4492557369マイケル・ダイムラー、リチャード・レッサー、デビッド・ローデス、ジャンメジャヤ・シンハ(御立 尚資監修、 ボストン コンサルティング グループ訳)「BCG 未来をつくる戦略思考: 勝つための50のアイデア」、東洋経済新報社(2013)

お奨め度:★★★★★+α


プロダクトポートフォリオマネジメントで知られるボストン・コンサルティング・グループが50周年を迎えるらしい。50周年に刊行された本がこれ。

彼らの叡智を

・変化対応力
・グローバリゼーション
・コネクティビティ(接続性)
・サステナビリティ(持続可能性)
・顧客視点
・組織能力向上
・価値志向
・信頼
・大胆な挑戦
・組織の力を引き出す

の11のテーマに分けて、50の論文を採録している。羅針盤ともいえるような一冊。


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2013年10月22日 (火)

「ガリガリ君」の秘密

4267019533_2遠藤功「言える化 ー「ガリガリ君」の赤城乳業が躍進する秘密」、潮出版社(2013)

お奨め度:★★★★★

「見える化」を広めた遠藤功先生がガリガリ君で躍進する赤城乳業を支える「言える化」の謎を解いた一冊。言える化というのは赤城乳業の造語で、文字通りなんでも言おうということで、赤城の製品開発力を支える一つの柱だが、口で言うほど簡単ではないことは「サラリーマン」ならよく分かるだろう。なぜ、赤城乳業は言える化ができたのかが分かり、とても参考になる。

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2013年9月28日 (土)

あたなが仕事の中で行っている「善行」は成果を生んでいるか

4905154510ジェイク・ブリーデン(宮本喜一訳)「世界一の企業教育機関がつくった仕事の教科書」、アチーブメント出版(2013)

お奨め度:★★★★★+α

グーグル、スターバックス、マイクロソフト、IBMなどの企業をクライアントにもち、エグゼクティブ教育では世界一だと言われるディーク・コーポレート・エディケーションで教鞭をとる著者が新しい仕事の常識を述べた一冊。もし、これらの企業においてリーダーがこの本にあるような行動をできているのだとすれば、エクセレントカンパニーであることが納得できると思わせる一冊。すべてのリーダーに読んで欲しい。


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2013年9月 8日 (日)

目的のための本質を考え、実行する

4894515806水野和敏「非常識な本質――ヒト・モノ・カネ・時間がなくても最高の結果を創り出せる」、フォレスト出版(2013)

お奨め度:★★★★★

GT-Rの開発者で知られる水野和敏氏が書いた仕事術。キーワードは、非常識と本質。本質をどのように追及していくかについて自分のしてきた仕事を振り返り、まとめた本。

特に、マネジメントと本質論の間にどういう関係があるかを明確に示しており、クルマに興味がなくてもいいので、イノベーションを実践するリーダーにはぜひ読んで欲しい本。

 

 

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2013年8月 9日 (金)

言葉でしか考えられない。考えられないことは実行できない

4478024197細田 高広「未来は言葉でつくられる 突破する1行の戦略」、ダイヤモンド社(2013)

お奨め度:★★★★★

トビラに「言葉でしか考えられない。考えられないことは実行できない」という楠木建先生の推薦の言葉がある。その通りだと思うし、言葉こそコンセプチュアルスキルの本質だとも思う。

この本ではまず

・「時代」を発明した言葉
・「組織」を発明した言葉
・「商品・サービス」を発明した言葉

というくくりで、合計30の言葉を紹介し、その言葉の意味することを解説している。抜群にうまく、面白い。


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2013年7月29日 (月)

現場主義のマネジメントの基本

447802409xエドワード・ライリー(渡部 典子訳)「アメリカの「管理職の基本」を学ぶ マネジメントの教科書―――成果を生み出す人間関係のスキル」、ダイヤモンド社(2013)

お奨め度:★★★★★

世界でもっとも大きく、歴史のあるマネジメント研修機関AMA(American Management Association)の公式テキスト「Business Boot Camp」の書籍化。AMAはドラッカーが支援したことで知られるが、ビジネススクールではなく、ドラッカーの教えを背景に持つ現場主義のマネジメントの研修を行っている。現場のマネジャーには是非とも読んで欲しい一冊だ。


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2013年7月25日 (木)

C. クリステンセン アンソロジー

4478021341_2クレイトン・クリステンセン(ダイヤモンド・ハーバード・ビジネス・レビュー編集部翻訳)「C. クリステンセン 経営論――ハーバード・ビジネス・レビュー・アンソロジー」、ダイヤモンド社(2013)

お奨め度:★★★★★

クレイトン・クリステンセン博士の『ハーバード・ビジネス・レビュー(HBR)』誌に掲載された全論文15本(1995年~2013年)を収録したアンソロジー。採録されている論文は、以下の15本。



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