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2009年3月30日 (月)

フレームワークを使いこなすにはこの本!

4534044399 手塚 貞治「戦略フレームワークの思考法」、日本実業出版社(2008)

お奨め度:★★★★★

この1年くらい、やたらとフレームワークの辞書のような本が目につく。さしあたって、このような流れを作ったのは、また、勝間和代さんではないかと思われるので、すごい影響力だ。

4887596391 勝間和代「勝間和代のビジネス頭を創る7つのフレームワーク力 ビジネス思考法の基本と実践」、ディスカヴァー・トゥエンティワン(2008)

数ある勝間本の中では、僕はこの本がもっともよい本だと思うが、フレームワーク本としては、もっとお奨めなのがこの手塚さんの本だ。

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システム思考で「匠に呪縛」から解放されよう!

4532260361 木村 英紀「ものつくり敗戦―「匠の呪縛」が日本を衰退させる」、日本経済新聞出版社 (2009/03)

お奨め度:★★★★★

日本の技術が苦手なのか、「理論」、「システム」、「ソフトウエア」を3つだという仮説に基づく、システム思考を中核に据えた技術マネジメント論。

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2009年3月24日 (火)

初対面の相手に信用を得るための手練手管

4062724669 佐藤 六龍「江戸秘伝 職養道のすすめ」、講談社(2007)

お奨め度:★★★★★

職養道とは、「職を養う道」のことで、江戸時代に年季明けで独立していく職人たちに、師や親方が授けた職業上の心得の集大成である。

江戸時代に、日用品や食料品を売る「生業」と呼ばれる仕事で一応の信頼を得ることは難しいことではなかった。実際にものを売るからだ。これに対して、医者や髪結い、大工、左官、易者など、「九流之術師」と呼ばれる仕事では、初対面相手から信頼を得ることは難しく、そのために各職業には「職養道」と呼ばれる仕事の上の心得が伝えられていたという。職養道は口述だったので、明治維新の近代化の波に飲まれて衰退し、戦後は完全に消滅したと思われていたが、橘哲州という占術家によって継承されており、橘哲州と箱根で一夜をともに過ごすことになった著者が話を聞き、あまりのおもしろさに著者の主催する運命学の教室で、「怪しげな職業の人間が相手の信用を得るための手練手管」として教えているそうだ。

それを書籍化したのが本書である。

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2009年3月11日 (水)

「着眼大局、着手小局」で問題を解決する

4534045212 高橋 浩一「レバレッジ・ポイントを見つけ出せ! 問題発見力養成講座 “木を見て森も見る”システム・シンキング」、日本実業出版社(2009)

お奨め度:★★★★★

日本でのシステム思考のエバンジェリストの一人、高橋浩一さんのシステム思考の書籍が出た。

システム思考をやっている人と話をしていると、他のフレームワークと組み合わせることを嫌う人が多い。そのために、どうしても、教科書的な感じの本が多いのだが、そんな中で、この本は、システム思考と他のフレームワークを組み合わせる提案をしている。その意味で、日本で初めての実践的なシステム思考の本だと言っても良いだろう。

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2009年2月28日 (土)

プロジェティスタのバイブル!

4622073900 エンツォ・マーリ(田代 かおる訳)「プロジェクトとパッション」、みすず書房(2009)

お奨め度:★★★★★

イタリアの巨匠エンツォ・マーリのプロジェクトデザイン論。

エンツォ・マーリは伝説的なモダンデザインの工房「ダネーゼ」とのコラボレーションを開始して、世界中に名を覇せた工業デザイナーである。日本では無印良品のデザイナーとして有名である。この本は自身のプロジェッティスタとしての考えをまとめ、後輩に伝えることを目的として書かれたプロジェクト哲学の書である。こういう本を書いてくれる人がいるというのがイタリアだと思わせる一冊。

■■■■■■【目次】■■■■■■

第1章 斧の一撃のものがたり
第2章 三つの地平線
第3章 必要、そしてまた必要
第4章 自然の方法論
第5章 学生へのいくつかの助言

■■■■■■■■■■■■■■■■

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2009年2月24日 (火)

マネジャーが洞察するための最強ツール

4478006547 P.F.ドラッカー著、特別寄稿:ジム・コリンズ、フィリプ・コトラー、ジェームズ・クーゼス、ジュディス・ローディン、カストゥーリ・ランガン、フランシス・ヘッセルバイン(上田惇生訳)「経営者に贈る5つの質問」、ダイヤモンド社(2009)お奨め度:★★★★★

15年前に、ドラッカーの冠をつけた財団「ピーター・F・ドラッカーNPO財団」(現在はリーダー・トゥー・リーダー財団に改称)ができたときに、その存在意義を問うためにドラッカーが発した5つの質問を紹介した本。

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2009年2月13日 (金)

サービスマネジメントの現場のバイブルにしたい一冊

4903721094 リコ・ドゥブランク「情熱仕事力―PASSION for SERVICE」、オータパブリケイションズ (2009)

お奨め度:★★★★★

リコ・ドゥブランクはディズニーやリッツ・カールトンで複数のホテルの立ち上げのリーダーを担当し、今はザ・リッツ・カールトン東京の総支配人を務める。このようなキャリアを持つリコ・ドゥブランクが自分のサービス(マネジメント)に対する信念を一冊の本にまとめたもの。

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2009年2月 9日 (月)

薄っぺらな自己啓発書に飽きた人に!

4903212106 ラルフ・ウォルドー・エマソン(伊東奈美子訳)「自己信頼[新訳] 」、海と月社(2009)

お奨め度:★★★★★

1841年に出版されたエマソンのエッセイ集「Self-Reliance」の翻訳。自己信頼というのはこの言葉の訳で、心理学の分野なのでも言葉として定着している。

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2009年1月 7日 (水)

「素敵な」リーダーのバイブル

4492532498 國貞克則「悩めるマネジャーのためのマネジメント・バイブル」、東洋経済新報社、(2008)

お薦め度:★★★★★

著者が自分のマネジメントに対する想いをまとめた本。書籍としてみれば決して読みやすい本ではないが、この本に書けた熱意はひしひしと伝わってくるし、何よりも述べられていることが素晴しい。書き方もよく考えられているように思う。おそらく、MBA理論の部分を除いてしまうと、結構、ありがちな経営の精神論か、成功したコンサルタントの経験論のような内容になってしまうのではないかと思うのだが、あくまでもベースはMBA理論であって、それを現場でどのように解釈し、どのように適用していくかを書いた内容になっている。

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2008年12月25日 (木)

プロデューススキルの全貌が明らかに!

4820717332 佐々木 直彦「プロデュース能力 ビジョンを形にする問題解決の思考と行動」、日本能率協会マネジメントセンター(2008)

お薦め度:★★★★★

この本には誕生ストーリーがある。この本は、佐々木氏が1999年に日本能率協会マネジメントセンターから依頼され、一旦挫折したそうだ。同時期に、偶然、PHP研究所から同じ依頼があったが断った。ところが、PHP研究所でオファーした編集者の方がいつのまにか日本能率協会マネジメントセンターに転籍され、それを知った佐々木さんが日本能率協会マネジメントセンターに再チャレンジを持ち込んだというのだ。そして、最初から数えて10年かかり、やっと世の中にでてきたそうである。

そのストーリーを読んで、「これだけの本を作るにはやっぱり10年はかかるよな」と思わせるくらいよくできた本である。

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